デジタル
デジタル周辺機器
2019/1/5 18:00

書店通いを3か月禁じて楽天「Kobo Forma」オンリーの読書で気づいたこと

あなたには、誰にも言っていないけど密かに続けている「自分ルール」ってありますか?実は私、10月から書店に行っていません! 「別にどうでもいいよ!!!」という声が各方面から聞こえてきそうですが、ちょっとだけ私にお付き合いいただけないでしょうか?

 

今回は、これまでほぼ毎日と言っていいくらい書店に通い、欲しいと思ったら欲望の赴くままに書籍や漫画を買っていた私が、電子書籍だけで生活してこの欲望を満たせるか? という実験をしてみましたので、その様子をお届けいたします。

 

本屋にいけなくても、私には電子書籍がある!

まず私は、書店は好きですが決してアンチ電子書籍という人間ではありません。5年ほど前に仕事で電子書籍の企画をしていた時期があり、ボーンデジタル書籍(電子書籍でしか読めない本)を100冊ほど制作してきました。現在はそこから離れていますが、むしろ電子書籍にも近い距離感で接してきたと自負しています。何より「読む」ことが好きなので、本企画の開始当初は「書店に行かなくても、本は読めるから大丈夫っしょ!」と思っていました。

 

私がボーンデジタル書籍を作っていた頃、日本に上陸した「Kobo Touch」が人生初のモノクロ電子書籍端末だったと記憶しています。その後、Kindleやタブレット端末を経て、現在はスマホがメインの電子書籍リーダーになっています。

 

そんな中、10月末に「Kobo forma」という8インチの電子書籍リーダーが出ました。本機でKoboとの久しぶりの対面を果たしましたが、めっちゃ軽くなってるし薄い!

 

↑マンガの見開き表示を迫力満点で読める8インチモデル「Kobo Forma」。実売価格は3万4344円

 

正面から見ると、8インチは大きく感じるかもしれませんが、サイドからみると驚きます。

 

ええ〜〜! 薄っぺらっ!! 驚くなかれ、画面部分の厚さ4.2mm〜グリップ部分8.5mmと10mm以下! それなのに、メモリは32GBもあるから、小説などテキスト形式の書籍で約2.8万冊! コミックスで700冊も内蔵できちゃう。重さも約197gとのことで、

 

や・ば・く・ね?

 

早速、koboのIDで端末にログインし、過去に購入済みの自分が仕事で関わった書籍を開いてみると……

 

うわ、めっちゃいいじゃん! 思わず声が出るくらい感動してしまいました。目にも優しく、読みやすいので、ここでついつい30分くらい「懐かしいなー」なんて読んじゃったりして(笑)。

 

モノクロ端末だと読み心地が物足りないかと心配する人もいるかもしれませんが、全然そんなことありません。目も疲れないし、感覚としては新書とか文庫本を読んでいる感覚に近いかも。もし、電子書籍端末で読書したことない方は、モノクロ端末から初めてみるのがおすすめです。

 

Kobo forma沼にハマる

これだけ大容量なら、とりあえずいっぱい漫画読みたい! ということで、書店の代わりにKoboサイトへアクセスして、カートにマンガを続々入れ込み2000円分ほど購入。Koboは頻繁にクーポンを発行してくれているので、この時も1500円以上購入で10%オフになるクーポンを使って、一気買いしてしまいました。ポイントも付くしね!

 

「ん? kobo formaの端末上から直接買えないの?」と思った方、Wi-Fiに繋げればもちろん買えます! 読みたい本が決まっている方は検索すればすぐ見つけられますが、なんとなく面白いマンガを読みたい、ジャケ買いしたいという方は圧倒的にウェブ上のストアから買って、後から端末と同期する方が新しい発見も多くて良いと思います。

 

Kobo Forma沼にはまりつつある私。どれだけ操作性がサクサクかをお伝えしたく動画を撮ってみました。

片手にiPhoneを持って撮影してみたのですが、片手操作でもこれほどサクサク! 昔のKoboは、子どもの頃に使った磁石式のお絵かきおもちゃのように、改ページするごとに残像が残ってしまったんですが、もうそんなことはない!

 

ちなみに、1週間使い続けてこれだけ漫画を読んでいましたが、電池は半分しか減りませんでした。バッテリーのもちも最強!

 

 

書店に行かなくても、私の欲望は満たされたか?

Kobo Formaの使い勝手にテンションの上がった私ですが、電子書籍だけで私の「本屋」欲が満たされたかというと…そうではありませんでした。それはそれ! これはこれ! だったのです。電子書籍で「読む」ことについては満足したものの、私が本に求めていたものは「読む」ことだけではなかったのです。

 

書店に行かなくなって、10日ほど経った私の日記にこのようなことが書いてありました。

 

自分は「ふらっと」どこかに入って、「知らないことを知る」ことをしたいのね…。

 

殺伐としたつぶやきから当時の心中を察しますが…そう、私が本に求めていたのは、ふらっと知らないことを知る「出会いの楽しさ」だったのです。

 

書店で本を購入する場合、

なんとなく本が欲しい→うろうろする→自分の感覚にヒットする→買ってみようかな

と、偶然の出会いがほとんどで、そこから立ち読みしたり、購入したりに繋がることが多かったのですが、

 

オンライン書店の場合、

すでに欲しい本がある(もしくは欲しいテーマがある)→検索する→すぐ読む

といった即時性に特化した購入方法がメインで、「あ、この前、書店で気になっていた本だ」とポチったり、「書店に行くより、今すぐ読みたい!」という衝動にかられたときに、その場で購入というような方法が多かったのだと気が付いたのです。

 

そんなことを考えていた際、11月24日に行われたTRANS BOOKというイベントで、写真家で編集者の都築響一さんが登壇するトークショーがあり、お話を聞いていると以下のようなコメントがありました。

 

都築: 選書は選ばれてるからダメ。本屋はあいうえお順になってるのがいい。そこで出会いが生まれる。

 

 

もうめっちゃ納得! 誰かにおすすめされる(選書されている)というのも、もちろん大事な要素だと思うのですが、五十音順に並べられた本屋だからこそ出会える本もある。それが楽しい! と納得できました。

 

 

とりあえず今すぐ本屋に行きたい。そして、電子書籍も読み続けていきたい。

今回の実験で、本屋さんの良さも電子書籍ストアの良さのどちらも知れました。

 

最近の若者は、ワードで検索することが減り、YouTubeなどおすすめされた動画や、ハッシュタグをたどって欲しいものを見つけているそうです。

 

どんどん技術も発達し、欲しいものを能動的に見つけにいくよりも何もしなくても自分にマッチしたものが見つかるようになると思いますが、私は、自分から「なにか」を探しに行ける本屋さんのいいアナログ感を忘れずにいたいな〜と思いました。

 

本屋さんのバラバラしている中から発掘する楽しさ。そして、デジタル書店のこれが読みたい! に答えてくれる俊敏さ。どっちかだけでいい! ではなく、どちらも必要な自分でいたいなと思うのです。こんな結論に至ったのですが、もう私、本屋さんに行ってもいいですかね?(笑)