デジタル
2019/2/27 22:00

ガレージで発明してこそ本物! 起業家精神を肌で感じた「SOLIDWORKS World 2019」レポート

革新的な製品はガレージから生まれる――。

2月上旬に米・ダラスで開催された「SOLIDWORKS  World 2019」。SOLIDWORKS Worldとは、フランスのIT企業ダッソー・システムズが年に1度開催するイベントです。同社は航空宇宙、ハイテク、都市計画、建築、自動車など様々な産業向けに3Dモデリングのソフトウェアを開発。そのなかに3D設計とシミュレーションが可能な「SOLIDWORKS」があり、世界中に数百万人のユーザーがいます。SOLIDWORKS Worldは主にそのユーザー向けのイベントなのです。

 

2月10日~13日まで開催されていたSOLIDWORKS World 2019には、6000人以上のユーザーが集まりました。昨年の総参加者数から1000人以上増加。参加者たちは著名な起業家やクリエイターらの講演に耳を傾ける一方、100以上のパートナー企業のプロダクトや最新技術にも触れていました。

Photo courtesy of Dassault Systèmes

 

筆者は昨年、初めてSOLIDWORKS  Worldに参加。2回目の取材となる今年は、昨年に劣らずモノづくり精神溢れるイベントではありましたが、会場に漂う雰囲気が前回とは少し異なりました。2018年は「モノづくりギーク」が目立っていたのですが、今年は「アントレプレナーシップ(起業家精神)」がみなぎっていたんです。

 

「21世紀の産業革命」はすぐそこに! 世界中の”モノづくりギーク”が熱狂する「SOLIDWORKS World 2018」レポート

 

それは今年のテーマ「Where Possibility Takes Form(可能性が形になるところ)」と無関係ではないでしょう。

 

ジェットコースターだって自宅で作れちゃう

Photo courtesy of Dassault Systèmes

 

SOLIDWORKS World 2019で起業家の講演を聞いたり、彼らに直接インタビューしたりすることで分かったのは、冒頭でも述べたとおり、革新的なプロダクトというのは本当にガレージ(物置)や家の部屋から生まれるということです。

 

その意味で「可能性が形になるところ」はガレージなのかもしれません。AppleやHP(ヒューレット・パッカード)がガレージから始まったのも有名な話ですね。

 

ハードウェアでの起業は容易ではありません。ただし、SOLIDWORKS Worldを見ると、アメリカのハードウェアの起業家は、たとえ技術が足りなくても、アイデアと情熱でそれを補い、試作品を完成させているようです。その後、試作品を見たプロのエンジニアが力を貸して、プロトタイプを作成。うまく行けば製品化する、というパターンがあります。

↑SparkCharge CEOのJoshua Aviv氏(左)とCTOのChristopher Ellis氏(右)

 

例えば、今回登壇した、電気自動車の超高速充電システムを開発したSparkChargeの創業者兼CEOのJoshua Aviv氏は、自宅の部屋でとりあえず自力でポータブルEVバッテリーを作ろうとしたそう。しかし、ハードウェアの知識が足りないので途中でエンジニアのChristopher Ellis氏に助けを借りて製品化に漕ぎつけたと言います。

 

フォード・モーターにエンジニアとして勤務する傍ら自宅のガレージでジェットコースターのレプリカを製作したMatt Schmotzer氏は、仕事後にSOLIDWORKSを使いながら3Dプリンターで部品を作り、ジェットコースターを組み立てていきました。

↑Matt Schmotzer氏

 

現在は、SOLIDWORKSのようなソフトウェアを活用することで、ガレージからでも起業がしやすい時代になっていると言えるでしょう。SOLIDWORKS  World 2019に登壇した起業家たちは、「困難なことがあっても、ガレージで試作品を自力で作り上げる精神こそが革新的なプロダクトを作るうえで重要だ」と背中で語っていたような気がしました。

 

これから随時掲載していくSOLIDWORKS World 2019のレポートでは、そんな彼らの起業家精神や仕事観、生き方に迫ります。また、著者が会場で出合い、「次に来そうだ!」と思ったテクノロジーもご紹介する予定。彼らの言葉からは新しい息吹が感じられるかもしれません。

 

【今後の掲載予定記事】

1. Twitterの共同創業者兼CEOのジャック・ドーシーと一緒に決済サービス「Square」を設立したJim McKelvey氏が語る「イノベーションについての教訓」

 

2. 「一歩間違えればギャングになっていた」と言う元NASA宇宙飛行士で現在同局の教育担当アソシエイト管理者のLeland D. Melvin氏が語る「環境」の重要性

 

3. フォード・モーターに勤務するジェットコースターの製造が趣味のMatt Schmotzer氏から学ぶ「仕事と人生を楽しむためのヒント」

 

4. リトアニアのギターメーカーLava DropsとYamaha Guitarsのギターづくりに見る大量生産から「オーダーメイド生産への移行」

 

5. メキシコのグラフィックアーティストEduardo Ramirez氏が語る「最新テクノロジーと21世紀の芸術」

 

6.  取材ライターがSOLIDWORKS  World 2019で見つけた「次に来るテクノロジー」3選

 

(取材協力: ダッソー・システムズ)