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2018/2/19 6:00

「21世紀の産業革命」はすぐそこに! 世界中の”モノづくりギーク”が熱狂する「SOLIDWORKS World 2018」レポート

「SOLIDWORKS World」というイベントをご存知でしょうか?

 

世界最大の家電見本市「CES」ほど有名ではありませんが、SOLIDWORKS Worldは、世界中のメイカーが製作した最新プロダクトを並べ、3Dプリンターなど製造業における最先端テクノロジーを紹介する大規模なイベントです。20回目となる今年は2月4~7日まで米国ロサンゼルスで開催。今回、筆者も初めて取材してきました。

 

SOLIDWORKSはダッソー・システムズが開催

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SOLIDWORKS  Worldは、過去に紹介した「バーチャル・シンガポール」プロジェクトを運営するフランスのダッソー・システムズが開催しています。同社はバーチャル世界に特化しており、製品設計用「3Dモデリング(スマート製品などの分野で使われるシステムエンジニアリングの1つ)」というコンセプトをもとに様々なソフトウェアを開発し、航空宇宙、防衛、ハイテク、建築、エネルギー、自動車など幅広い産業に提供しています。顧客は140か国に22万社以上いるとのこと。

 

同社が展開する様々なブランドのなかに、3D設計やデータ管理、シミュレーションなどの機能を提供する3D-CADソフトの「SOLIDWORKS」があります。同製品は直感的に製品設計でき、部品同士の干渉や強度検討なども可能。世界中に数百万人のユーザーがいます。SOLIDWORKS  Worldは主にそのユーザーイベントとなっており、世界各国から5000人以上の人たちが集まり、新開発または開発中のテクノロジーやアイデアに触れ、刺激を受けていきます。このイベントは一言で言えば、「モノづくりのエンタメパーク」です。

 

SOLIDWORKS World 2018では、その「SOLIDWORKS」を利用して少人数でプロダクトを設計し、短期間でプロトタイプを製作して改良を重ね、精度の高いプロダクトをリリースしている企業を数多く見かけました。それらのプロダクトが世の中に送り出されるプロセスは、数年前に読んだ元Wired編集長クリス・アンダーソン氏の著書「MAKERS」の内容を彷彿させるものでした。

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同書では、CADなどのデジタル設計ツールの性能向上や3Dプリンターの登場によってプロトタイプの製造が容易になったこと。Webの製造受託サービスが普及したことで製造のインフラが容易に利用できるようになり、それによって製造業が大企業から個人の手に渡る世界がより現実味を帯びてきていると述べられていました。

 

クリス氏はこれを「メイカーズ革命」と呼びましたが、SOLIDWORKS  Worldはそれが強く実感できる場でもありました。

 

イベントではその3D-CADソフト「SOLIDWORKS」を活用してデザインしたプロダクトが数多く紹介されました。以下に紹介します。

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↑ プロダクトのジャンルは幅広く、バットマンが乗る「バットモービル」をプレゼンする会社も

 

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↑ 歩行アシストロボット

 

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↑ エンジン付きのサーフボード

 

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↑ 東京とサンフランシスコ間を5時間半で飛行する超音速旅客機(既に設計済みで近々テスト飛行予定)

 

すべてのプロダクト設計に共通していたのが、SOLIDWORKSを活用することでプロダクト設計が容易になったという点。このソフトウェアは強度不足な部分や熱がたまりやすい部分、振動に弱い部分を自動でシミュレーションし、条件に耐えうる設計へ変更することができます。

 

また、3Dでプロダクトを分かりやすく表現できるため、設計者と生産現場との情報共有を捗らせます。これが迅速で精度の高いプロダクト製造につながっているのです。

 

このような機能がベンチャー企業や個人の製造業への参入を容易にしているとも言えそうですが、幅広いジャンルのプロダクトの設計や製造を、インターネットにつながったコンピューター上のデジタルツールでシームレスに行えるようになったというのは驚くべきことではないでしょうか。

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↑ 会場に走って駆け込んでいくイベント参加者たち

 

「SOLIDWORKS World」には世界中からまさに「モノづくりギーク」ともいえる人たちが集結しており、会場は熱気で溢れ、さらに一種のモノづくり仲間意識のような不思議な空気さえ漂っていました。

 

次回以降よりSOLIDWORKS Worldで取材した世界中のメイカーたちのプロダクトについて順次ご紹介していきます。

 

(取材協力:ダッソー・システムズ)

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