レノボ・ジャパン「Lenovo Smart Tab P10 with Amazon Alexa」は、10.1型タブレットの従来モデル「Lenovo Smart Tab P10」と専用スマートドック(「Lenovo Smart Dock」)をセットにした商品です。
特徴は、単体でAndroidタブレットとして、スマートドックにセットすることでAmazon Alexa搭載のスマートディスプレイとしても利用できること。これにより1+1=2以上の価値があるセットになっています。価格は、直販モデルが税込3万2270円。スピーカーなしの従来モデル「P10」は2万9970円なので、差額は2300円ということになります。
今回はこのLenovo Smart Tab P10 with Amazon Alexaの実機を借りてレビュー。日ごろAndroidスマホや「Amazon Echo」スピーカーを使っているユーザーとして、使い勝手をチェックしてみました。
一見「とてもふつう」なタブレットとスピーカーという組み合わせ
まずはタブレット本体の「Lenovo Smart Tab P10」についての簡単なご紹介から。
スペックをざっとおさらいしておくと、
● ディスプレイ:10.1型ワイドIPSパネル (1920×1200ドット)
● 本体サイズ:242 x 167 x 7mm
● 重量:520g
● CPU:Snapdragon 450(オクタコア)
● メモリー:4GB
● カメラ:インカメラ500万画素、アウトカメラ800万画素
● 本体ストレージ:64GB(microSDカード対応)
といった構成。突出した部分はないものの、今どきの標準的なタブレットとしてそつなくまとまっています。
ボディは両面とも光沢仕上げ。ブラックなので指紋が目立つのと、裏面もつるっつるなので、テーブルの上に置いているだけで滑り落ちそうになるほど。裏面はマットな質感のほうが扱いやすいのに、と個人的には思いました。
続いて、スマートドック(「Lenovo Smart Dock」)を見ていきます。
こちらは簡単に言えば、タブレットの充電スタンドを兼ねたBluetoothスピーカー。電源にはACアダプターを使用するので、据え置きで利用します。
使い方はシンプルで、タブレットをドックの上にのせることで充電開始&Bluetoothのペアリングが行われるというもの。音楽の再生中にセットすれば、続きはそのままスマートドックから音が出ます。スピーカーの音量は音声操作で調節できるほか、音量調節ボタンもついています。
なお、充電スタンドとしては「Lenovo Smart Tab P10」専用ということになりますが、それ以外は普通のBluetoothスピーカーなので、他のスマホなどとペアリングして音を出すことももちろん可能。
Alexaスマートディスプレイとして一緒に暮らしてみる
両者をドッキングした状態にすると、「アレクサ、○○○して」と話しかけての音声操作ができるように。画面付きの、いわゆるAlexa搭載スマートディスプレイとして使えるわけです。
設定をすませたところで、いろいろと試してみました。
「アレクサ、ももクロのアルバム聴きたい」
このように再生中に楽曲情報とアートワークが見られるのは(タブレットなので当たり前ですが)ありがたい。スマートスピーカーの場合は、再生中の曲名がすぐに確認できないので……。問いかけを「アレクサ、ももクロのアルバム何がある?」に変えると楽曲検索になるので、ライブラリに存在する曲の把握にはこちらも便利です。
Primeミュージックで楽曲数などが物足りない場合は、別途契約・設定することでAmazon Music UnlimitedやSpotify(Alexaはプレミアム登録会員のみ対応)もライブラリとして利用できますよ。
「アレクサ、プライムビデオで仮面ライダー観たい」
スマートディスプレイなので、話しかけることで動画も再生してくれます。「仮面ライダー観たい」と話しかけた場合は、候補が複数存在するため検索結果が表示されました。ここから作品名を音声で指定するか、画面タップで作品を選ぶことで再生をスタート。
動画の場合は作品名もそうですが、「第●話から見たい」というように決めうちで再生するのが難しいので、音楽と同様、「ながら見」程度で適当に流しておく程度のものと考えておくのがいいでしょう。
ちなみに他のサービスとしてはHuluやNetflix、YouTubeを試してみたところ、アプリを起動できるものはあってもコンテンツの音声検索ができなかったので今回は評価外としました。
「アレクサ、アマゾンの荷物いつ届く?」
実用系の機能では、アマゾンでの通販の利用状況をチェックできるというものがあります。「発送済みの荷物はこちらです…」と読み上げてくれる機能ですが、画面を使った案内も追加されるのでわかりやすくなっています。
「アレクサ、radikoでニッポン放送」
Alexaに機能を追加するスキルの定番である「radiko.jp」。音楽のライブラリをひとしきりチェックして飽きてくると、最終的には放送中のラジオを聴くことに落ち着きます。
スキルは、Alexaアプリの中で自分好みのものを選んで追加していくことができます。
「アレクサ、最新ニュース見せて」
設定しているスキルに応じた最新ニュースを再生。「NHKニュース」のスキルを設定しておくと、いわゆる合成音声によるテキスト読み上げではなく、TVでアナウンサーがしゃべっている動画がそのまま流れます。「スマートディスプレイ=画面がつくこと」と相性抜群の機能です。
「アレクサ、JOYSOUNDでバンプオブチキン」
もうひとつ、Alexaスキルで意外に楽しめたのがカラオケの「JOYSOUND」。声で検索して、選んだ楽曲のカラオケが楽しめるというものです。
楽曲数は少なめで、アーティスト本人の映像が出たりするわけでもないですが、別途料金や会員登録なしでJOYSOUNDのカラオケが即始まるのはうれしい。歌詞が見えるスマートディスプレイ+高音質のスピーカーというLenovo Smart Tab P10 with Amazon Alexaの性質に合ったスキルだと思います。
「アレクサ、アラームを7時にセットして」
「アレクサ、寝る前の音楽聴きたい」
「アレクサ、おはよう」
「アレクサ、今日の天気は?」
あとは就寝~起床の定番コマンドを試しながら、しばらく一緒に暮らしてみました。このあたりはディスプレイなしのスマートスピーカーでも十分使える機能なので詳細は省きますが、アラームのセットや解除などはやはり便利です(アラーム以外に「3分のタイマーをかけて」あたりはよく使います)。
ちなみに、命令をすべて処理し終えて何もない状態のときは、画面にニュースのヘッドラインが表示されます。
コスパなりのお買い得感。ドッキング充電台だけでも価値あり
3万円で買えるタブレットとしては可もなく不可もなく、という印象のLenovo Smart Tab P10。これに専用ドック兼スピーカーをつけたことで、本製品は「タブレットとスマートスピーカーが両方ほしい人」にとってお買い得感のある商品になっています。
スマートドックは、スピーカーの音質として「最高!」と断言するほどのものではないものの……タブレット本体のスピーカーと比べるとかなり聴きやすくなるので、差額わずか2300円であることを考えるとやはりお得感が強いです。あと、ケーブルの抜き差しがいらないドッキング充電台がついてくる安心感も大きい。
Alexaによる音声操作とその便利さ、また音楽・動画をハンズフリーで楽しむイメージができる人にはおすすめできるセットです。