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2019/4/4 21:01

ビジネスツールをスマートに一新したいなら、新iPad miniをビジネス手帳として導入してみない?

カバンを広げてみよう。ノートパソコンと、ビジネス手帳と、筆記用具一式と、書類と、文庫本と——。それ、ちょっと重いかも。

 

せっかく色んなiPadのラインナップが揃ったタイミングなのだから、ビジネスシーンもミニマルなスタイルに挑戦してみるのはいかがだろう。外出先でメールや資料の確認、メモやスケジュール管理といった内容が想定されるなら、発売されたばかりの新「iPad mini」(2019年モデル)が狙い目だ。

 

↑3月下旬に発売を迎えた新しい「iPad mini」。画面は7.9インチで2048 × 1536ピクセル(326ppi)だ

 

小さいは、正義だ。

このサイズ感、たまらない——。カバンやコートのポケットからスッと取り出せる品の良さ。取り出すときの「よっこいしょ」感のなさ。

 

ずっとiPad miniに親しんできたファンにとっては、「そんなの当たり前だろ(笑)」って思うかもしれない。でも、iPad Proとかいろんなサイズに触れてきた人なら、改めてその良さに気づく。

 

↑iPad mini 4(左)と新iPad mini(2019)(右)の比較

 

iPad mini(2019)のサイズは、W134.8×H203.2×D6.1mm。重量はWi-Fiモデルが300.5g、Wi-Fi + Cellularモデルが308.2gだ。質量が数グラム増えたものの、サイズは3年前に出た従来モデル「iPad mini4」と変わらない。

 

↑片手でホールドできるのはこのサイズならでは

 

片手で端末をガシッと握れるから、もう片方の手の自由度が高くなる。例えば、電車では、つり革につかまりながら画面を眺められる。電車版の新聞や雑誌を読んだり、動画でニュースを見たりしやすい。

 

それでも良いビューアーに

こうした利用時に、ディスプレイの進化による恩恵は大きい。見た目の変化は少なくとも、その中身は3年を経てしっかりと進化しているのだ。

 

↑そもそもアスペクト比4:3のiPad miniなら、iPhoneと比べて少ない余白でPDFなどを表示でき、書類表示との相性は良い

 

例えば、ディスプレイはフルラミネーションになり、表面のガラスと実際に表示される画面の間にギャップを感じなくなった。斜めからの視認性が良くなった上、タッチ操作を行った際に、紙を直接触っているかのような操作感を味わえる。

 

また、輝度は400nitから500nitとなり25%向上。反射も低減されるようになっており、日が差し込むような窓際でもある程度の視認性を確保できるだろう。

 

↑電子書籍のGetNaviもこの通り。反射率が高いため窓辺や屋外でも視認性は高い。より広い色域のP3に対応

 

さらに、「True Tone」機能にも対応し、光源によらず電子書籍を読む場合にも自然な色味が再現される。色々な場所へ携帯しやすいiPad miniだからこそありがたい。

 

やはり、ペン対応が魅力的

機能面では、やはり第1世代のApple Pencilに対応した点がトピックだ。

 

小さめの画面は、イラストを描画するには少々物足りないサイズだが、反対にメモを取るには最適と言える。先述の通り、立ちながら片手で端末をホールドしつつ、サラサラっとメモを取れるからだ。他のiPadシリーズではこうはいかない。

 

↑仕事だと立ちながらの操作を求められることが意外と多いものだ

 

また、椅子に腰を据えて操作するときも、このサイズがあればノートがわりに扱いやすい。スプリットビュー対応のアプリでは、画面半分でウェブを検索しながら、もう半分に手書きで情報をまとめていくような使い方もできる。スタイラスペン付きのスマホにはない、タブレットならではのメリットだ。

 

↑2つのアプリを同時に表示できるのもiPadの良いところ。もちろんこの状態でもApple Pencilを活用できる

 

応用編としては、カメラで写真を撮影し、「Keynote」に貼り付けて、Apple Pencilで文字を書き込んで、スライド資料を作成するような使い方もある。また、バージョン5.0では、オブジェクトの動きを指定できるようにもなったので、Apple Pencilがあればアニメーションを加えやすい。作成したファイルは簡単に出力できるし、アダプタを用意すればプロジェクターから映し出すことも可能だ。

 

↑Keynoteの新機能「モーションパス」を追加する際にもiPad miniとApple Pencilの組み合わせは便利だ

 

ちなみに、iPad Proシリーズや新型のiPad Airと比べた場合、iPad miniにはスマートキーボード類との接続に必要なスマートコネクタが付いていない。そのため物理キーボードを使いたい場合には、サードパーティ製のBluetooth キーボードをペアリングする必要があることは頭に入れておきたい。

 

とは言え、最近は音声入力の精度がかなりよくなってきた。ソフトウェアキーボードと併用することで、さほど困ることもないかもしれない。

 

イマドキな使い方に対応

チップセットは、iPhone XS/XRシリーズと同じA12 Bionicを備える。負荷の高い処理が要求されたときにも、サクサク動くので、ビジネスシーンでも頼れる存在になるだろう。

 

例えば、ARを活用して取引先に商品の大まかな構造を伝えるくらいなら、iPad miniでも充分になってしまったわけだ。営業ツールとしての可能性も期待したい。

 

↑ARを利用したプレゼンテーションを表示できる「Jigspace」アプリでチェスの動き方を立体的に表示している画面

 

もう一つ取り上げておきたいのは通信について。Wi-Fi + CellulareモデルのiPad miniが、eSIMに対応しているということだ。

 

これは言い換えると、端末内の設定で通信プランを登録しておくと、物理的なSIMカードを挿さずに現地のプリペイド通信プランを利用できてしまうということ。海外出張がある際には、心強い相棒になるに違いない。

 

↑eSIMプランの例として、「設定」>「モバイルデータ通信」から「GigSky」を選択した画面

 

価格は約5万円〜

使い方次第では、手帳、資料、パソコン、ルーターなどの役割を兼ねるiPad mini。これを中心に、心機一転、カバンの中身をリデザインしてみてはいかがだろう。

 

確かに、マウスとキーボードを使って、大量に表計算ソフトを編集するような業務など、向いていない作業は存在するとは思う。しかし、それ以外のカジュアルなPC作業は、iPad miniとApple Pencilだけで代用できるはずだ。iPad Proシリーズが普及したことで、「iPadをパソコン代わりに使ってよい」という認識が広まっているいま、気軽に一歩を踏み出しやすいだろう。

 

価格は9.7インチのiPadより僅かに高い4万9464円。第1世代のApple Pencil(1万1664円)を付けても6万1128円。すでにiPad Proを所有している筆者としても、ついつい小回りの効くもう1台が欲しくなってしまった。