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2019/5/21 22:37

【Pixel比較】3aの「4万8600円」が持つ誘惑を抑え、Pixel 3a XLを選びたくなったワケ

Googleが昨年秋に発売したハイエンドモデル「Pixel 3/3 XL」の性能をお得に楽しめる、ミドルクラスのAndroidスマホ「Pixel 3a/3a XL」が登場しました。その実力は上位のモデルにどこまで迫れるのか、コストパフォーマンスを検証してみたいと思います。

 

↑Google純正のミドルクラススマホ「Pixel 3a」「Pixel 3a XL」をレビューします

 

シンプルで心地良いデザインは上位機ゆずり

Pixel 3aは5.6インチ、Pixel 3a XLは6.0インチのフルHD表示対応の有機ELディスプレイを搭載しています。アスペクト比はどちらもほぼ18対9。見た目のサイズ感は5.5インチのPixel 3、6.3インチのPixel 3 XLとほとんど変わりませんが、ディスプレイの専有面積を広くとっていたPixel 3/3 XLに対して、Pixel 3a/3a XLはフロント側の上下ベゼルに幅を設けています。つまり本体は少しタテ長になります。

 

↑5.6インチの有機ELディスプレイを搭載するPixel 3a

 

↑6.0インチの少し大きめなPixel 3a XL

 

ただフロント側から物理ボタンを省略して、Android 9のナビゲーションバーによってホーム/タスク/戻るキーの操作を行う仕様としているため、最近のスマホのトレンドに合わせたすっきりとした面構えになっています。電源と音量ボタンは側面に、指紋認証センサーは背面に配置しています。

 

↑Pixel 3a XLのClearly White。側面の電源ボタンがワンポイントカラーになっています

 

↑Pixel 3a/3a XL専用のファブリック素材を使ったケースが発売されます

 

カラーバリエーションはClearly WhiteとJust Blackのほかに、白を基調に少しだけ紫がかった色合いのPurple-ishの3色展開。背面にソフトタッチガラスを採用していた上位モデルとの違いは、Pixel 3aシリーズはポリカーボネイト製のユニボディ設計になったことです。見た目の高級感は変わりませんが、最近のスマホとしては派手さを控えたシンプルなデザインとしている印象です。大きめな方のPixel 3a XLはPixel 3 XLと比べて17gほど軽くなっています。手に持った感触を比べると差がわかります。

 

↑ブラックのPixel 3 XLとホワイトのPixel 3a XLの本体サイズを並べて比較してみると、Pixel 3a XLの方がわずかに背が高いことがわかります

 

夜景がキレイに撮れるカメラ

カメラはPixel 3/3 XL(以下 Pixel 3シリーズ)がウリにしていた、暗い場所を明るく色鮮やかに撮れる「夜景モード」と、インカメラによる「ポートレートモード」、AI画像認識によるディープラーニングのアルゴリズムを組み合わせた「Googleレンズ」や、CGキャラクターを写し込めるAR機能の「Playground」「Playmoji」が体感を落とすことなくPixel 3aシリーズにも引き継がれています。

 

↑1220万画素のメインカメラ。背面に指紋認証センサーを搭載しました

 

↑フロントカメラは800万画素。シングルレンズ仕様になったところが上位Pixel 3シリーズとの違いです

 

特に夜景モードの出来映えは見事でした。目で見ている風景よりも煌びやかで魅力的な写真が残せるからです。これはSNS映えしそうですね。上位機種とPixel 3aシリーズとの違いはインカメラでワイドな画角を捉えたセルフィショットが撮れる「グループ自撮りモード」がなくなったことです。でもPixel 3aシリーズはシングルレンズのインカメラでも十分に広い画角がカバーできます。室内でのパーティーショットにも強みを発揮してくれるでしょう。

 

↑レンズにPlayground、夜景モードなどPixel 3シリーズ、Pixel 3aシリーズが搭載する特徴的なカメラ機能が、カメラアプリのメニューから簡単にアクセスできます

 

ミドルレンジのPixel 3aシリーズは内蔵ストレージが64GBの1種類しか選べなくなっていますが、カメラで撮影した写真と動画はストレージ容量に制限を設けていないGoogleフォトに、画質を落とすことなく保存できるので安心です。

 

ここでPixel 3と撮り比べた写真をご覧ください。Pixel 3a XLの通常モードと夜景モードで同じ景色を撮影。明るさや色合いの鮮やかな写真が撮影できます。Pixel 3 XLの夜景モードの写真ともほぼ互角の出来映えでした。

 

↑Pixel 3a XLの通常モードで撮影

 

↑Pixel 3a XLの夜景モードで撮影

 

↑Pixel 3 XLの夜景モードで撮影

 

上位機にない機能はどれぐらい大事?

上位のPixel 3シリーズにあって、ミドルレンジのPixel 3aシリーズにはないものと、それぞれに影響はあるのか比べてみましょう。

 

Pixel 3aシリーズのディスプレイはHDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)非対応です。それでも自然な明暗と色合いの表現力を持っているので、大きな差が実感されるほどではないと思います。一方で、本体に内蔵するステレオスピーカーはPixel 3シリーズの方は両側が前方に向いているため音のバランスと立体感に富んでいます。モバイルシアターの音体験については上位機が一枚上手であると感じました。

 

↑本体上部に3.5mmアナログイヤホンジャックを搭載

 

↑ボトム側にはUSB Type-C端子と片側チャンネルのステレオスピーカーの開口部があります

 

Pixel 3シリーズの本体はIPX8相当の耐水設計です。片やPixel 3aシリーズはIP52相当の防塵・防滴設計なので、ややスペック的にはダウンしています。ただ雨や水滴による濡れは十分対策できているので、一般的な使い方をしている限りでは困ることもなさそうです。

 

充電機能にはひとつ大きな違いがあります。Pixel 3aシリーズは、最近のハイエンドクラスのスマホに普及してきたワイヤレス充電に対応していません。Pixel 3シリーズはGoogle純正のワイヤレス充電パッド「Pixel Stand」に乗せた状態で、「OK、グーグル」と話しかければGoogleアシスタントを呼び出して検索結果を画面に表示したり、音楽再生やスマート家電がコントロールできる機能がスムーズに使えるようになります。

 


↑Googleアシスタントもビルトイン。スタンバイ状態からの起動やActive Edgeからの起動も可能

 

当然ながらPixel 3aシリーズにもGoogleアシスタントが内蔵されていて、スタンバイ状態から音声コマンドでアシスタントを素速く呼び出せたり、ホームアイコンの長押し、そして本体下側のエッジを握り込む操作でアシスタントを起動できる「Active Edge」も完備しているので安心です。

 

内蔵するバッテリーは今期に発売される同サイズのAndroidスマホとほぼ容量の面では肩を並べるスペックです。Pixel 3シリーズよりもPixel 3aシリーズの方がわずかにボリュームアップしています。

 

ゲームや動画・音楽再生の手応えも上々

最近のスマホの中には複数のレンズや多彩な機能を載せた「とがったカメラ機能」を看板に掲げるハイエンドモデルが増えています。Pixel 3aシリーズは表裏のカメラともにシングルレンズですが、必要な機能を一通り揃えているうえ、初心者にも使いやすいシンプルなユーザーインターフェースがとても好印象でした。Googleレンズによる植物や動物、商品の検索に名刺のスキャニングなど便利な機能がスムーズに使えるところは大きな魅力です。あまりスマホを使い慣れていない、筆者の高齢の親にも使い方を覚えてもらえそうな気がします。

 

↑Pixel 3a XLのGoogleレンズで商品をスキャン。類似したアイテムをWebで検索してくれます

 

SoCにはクアルコムがミドルレンジクラスのスマホ向けに開発したSnapdragon 675シリーズを搭載していますが、AI関連のカメラ機能はスムーズに動かせるし、グラフィックスに凝ったモバイルゲームもサクサクと心地よくプレイできます。グーグルが3月に発表したクラウドベースのゲームプラットフォーム「STADIA(ステイディア)」が日本に上陸を予定しているのかはまだわかりませんが、その日が来たらPixel 3aシリーズでも快適に楽しめることを期待したいですね。

 

ゲームコンテンツを楽しむ際の心地よさにも深く関係してくることですが、上位モデルでは省略されているアナログイヤホン端子がPixel 3aシリーズには本体の上部に搭載されました。有線接続のイヤホンが使えると動画再生時に音と映像がズレる不快感を回避できます。“音ゲー”のように、画面の入力操作と音のズレがスコアに大きく影響するゲームを遊ぶ際には重要なポイントであると言えるのではないでしょうか。

 

↑モバイルゲームも快適にプレイできるPixel 3aシリーズ。有線イヤホンを使えば伝送遅延のないサウンドも楽しめます

 

Pixel 3aシリーズのパッケージにはGoogle純正のUSB Type-C端子に直結できる「Pixel USB-Cイヤフォン」が同梱されていません。でも最近は3.5mm接続の有線イヤホンの中にも、ファイナルの「E1000」やオーディオテクニカの「ATH-CK350M」に代表される3000円を切る価格で購入できる良質なイヤホンもあるので要チェックです。

 

またアップルの「AirPods」のように、Bluetoothのペアリングがとても簡単にできる完全ワイヤレスイヤホンとして、Pixel 3aシリーズのユーザーにおすすめしたい製品があります。サムスンの「Galaxy Buds」です。

 

↑Galaxy BudsならGear Wearableアプリを起動した状態でフタを開けたイヤホンを近づけると自動的にペアリングのプロセスがスタートします

 

もともとGalaxy S/Noteシリーズとの組み合わせで快適に使えるように開発されているイヤホンですが、最新のAndroidスマホであればGalaxy Wearableアプリをインストール後に起動して、ケースのフタを開けたGalaxy Budsを近づけて画面に表示されるガイドに従うだけで、約10秒でペアリングが完了します。便利なオーディオイコライザーや外音取り込み機能も充実する完全ワイヤレスイヤホンとしてぜひPixelシリーズと一緒に使ってみてほしいモデルです。

 

↑スタンバイ時の画面に音楽の検索結果を表示する機能も、Pixel 3aシリーズに引き続き搭載されています

 

コンパクトな「3a」と画面の広い「3a XL」のどちらを選ぶ?

新しいPixel 3aシリーズはそれぞれに上位モデルに迫る高機能と、心地よいモバイル体験を満喫させてくれる充実のミドルレンジクラスのスマホであると思います。グーグル純正のスマホを使ってみたいけれど、やや高価なPixel 3シリーズはちょっと手が出せなかったという方もPixel 3aシリーズなら迷いなく買い替え・買い増しに踏み切れるのではないでしょうか。

 

5.6インチのPixel 3aは〜片手持ちでも軽快に操作できるサイズ感と、4万8600円という価格が大いに魅力的です。電子書籍を楽しむ用途にも向いていると思います。筆者はながらく5インチ台のスマホを使っていますが、最近スマホで細かい文字が読みづらくなってきたし、NetflixAmazonの動画配信を外出先で視聴する時にも、大きな画面の方が心地良く感じるようになってきました。もしいま自分が買い増しするなら軽くて薄い、ハンドリングも手軽なPixel 3a XLを選ぶと思います。GoogleオンラインストアのSIMフリー版の実売価格は6万円。やはりこの価格はアツイ…。

 

↑電子書籍の閲覧にも最適な6.0型のPixel 3a XL
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