イラスト描きマシーンとしての実力
さて、では筆者的にiPad Proに求める本題。イラスト描きマシーンとしての性能面について。コレについては、既にプロ絵師の諸先生方が口を揃えて絶賛しているように、筆者も同意であります。特に、絵師御用達ソフト「CLIP STUDIO PAINT」のiOS版の存在が大きく、コレさえあれば本気のイラストから、屋外でのスケッチ、移動中の落書きまでなんでもお任せ。プロのマンガ家がコーヒーショップでネームを切るなんて最高のシチュエーションではないでしょうか。iOS版の「CLIP STUDIO PAINT」はサブスクリプション制(PRO年額で2800円)ですが、このクオリティなら激安だと筆者は感じます。
iPad Proのいいところは、なんといっても持ち出して出先や屋外でも手軽に使えるところ。ちょっと近所の公園まで出かけてスケッチでも……というときにピッタリです。
iPad Proのイラスト環境でひとつだけ不満があるとすれば、Apple Pencilのサラサラな握り心地とペン側面のダブルタップ操作によるツール切り替え。このサラサラ感とペン側面のタッチの相性が悪く、見当違いのところをタップしている場合があり、WACOMファンの筆者としては、やはりここは太めのラバーグリップと物理ボタンを搭載してくれたほうが何かと使いやすいと感じました。そこはWACOMさんのサードパーティー製に期待しておくことにしましょう。
iPad ProはminiやAirが出たいまでも買いか?
ここまで、第2世代iPad Proのコンテンツビューワー、お手軽タイピング、イラスト描きマシーンとしての魅力を紹介してきましたが、最もネックとなるのは価格です。
■11インチ iPad Pro 64GBモデル Wi-Fi+セルラー 10万6800円(税別)
■Apple Pencil(第2世代) 1万4500円(税別)
■11インチiPad Pro用Smart Keyboard Folio – 日本語 1万9800 円(税別)
筆者が勧める最低スペックとアクセサリ一式で15万円オーバーとかなりハードルが高い額に。プロの絵師がイラストや漫画で稼げたり、PCの代わりにiPad Proだけで完結できるという人ならば可能な出費かもしれませんが、趣味の延長線でチラっとイラストを描くような筆者みたいな人にはかなり悩ましい金額でしょう。ただ、ひとつだけ言えるのは第2世代iPad Proは高額かもしれませんが、購入して「失敗したぁ~」と嘆くような代物ではなく、「自分にとっては必要な製品だ」と意を決して購入した暁には、コストの分だけ幸せになれる逸品だと筆者は思う次第であります。