デジタル
2019/6/10 16:35

ポッドキャストで「耳から情報収集」!ほどよいユルさで心を満たす

Podcastを愛用するようになって久しい、30代の凡人女ブロガー・やままです。

「Podcast(ポッドキャスト)」をものすごく簡単にご紹介すると「音声版YouTubeみたいなもの」でしょうか。YouTubeが「動画番組」であるのに対し、こちらは「音声番組」です。

ラジオ番組と異なり、過去のエピソードも(配信主が削除しなければ)いつでも聴けますし、世界中のどのPodcast番組でも聴取することができます。

無料なのもYouTubeとの共通点で、違いといえばストリーミング再生ではなくダウンロードして聴くのが主流というところ。残パケットを温存できる良心的なサービスです。

▼詳細はこちらなどをご参照ください
Apple「Podcastを楽しむには」
コトバンク「Podcastとは」

Podcastとの出会い

Wikipediaによればサービス自体は2005年から始まっていたそうですが、私が愛用するようになったのは2011年ごろ。当時気になっていた芸人さんたち(マキタスポーツさん、プチ鹿島さん、サンキュータツオさん)によるPodcast番組「東京ポッド許可局」を聴き始めたことがきっかけでした(現在はTBSラジオで放送中)。

番組はPodcast界で圧倒的な人気を誇っており、ファンイベントを開催すれば大入り満員。「屁理屈をエンタテインメントに!」が標榜されていることが象徴するように、「文系芸人」が社会や文化についてああだこうだと語り合う、「おじさんたちの知的な居酒屋トーク」のような番組です。

そこには、なんとも言えぬ「面倒くささ」がありました。それがよいのです。「事象の行間を楽しむ視点」を教わるとともに、「この番組を楽しんでいる自分」に酔いました。私にはこの知的エンタテインメントがわかる!と。Podcastというクローズドな空間も、心くすぐられる大きな要素でした。自称「許可局大好きサブカル女」とは私のこと。高まっちゃうよね、自意識!

 

Podcastが「なくてはならないもの」に

しばらくしてから、「東京ポッド許可局」のプチ鹿島さん、サンキュータツオさんが出演されているTBSラジオの夕方の情報番組「荒川強啓 デイ・キャッチ!」を「Podcastで」聴くようになりました。当時TBSラジオはPodcastでの番組配信に力を入れており、聴いてみたかった番組がたくさんPodcast化していたのです。

※注:TBSラジオのPodcast配信は2016年6月末を以て終了しており、現在は「ラジオクラウド」というアプリにサービス移行しています

radikoの登場により、ラジオは確かに気軽に聴けるものになりました。タイムフリー機能があれば、放送を聴き逃してもあとから聴けるのです!小学生のころ、深夜1時~3時に必死で「ナインティナインのオールナイトニッポン」をカセットに録音していた私に教えてやりたい!寝落ちしがちだったよね!テープひっくり返すの忘れたよね!翌朝眠かったよね……!

さて、そんな便利なradikoを以てしても私の生活にラジオ聴取習慣が生まれなかったのは、「ストリーミング再生しなければならないから」。電波の入りにくいところでは再生できませんし、途中からの再生などもちょっと面倒。

その問題をあっけなく解決してくれたのがTBSラジオのPodcastでした。だってダウンロードできるんですから!好きなときにダウンロードさえしておけば、いつでも聴くことができるのです。こんな便利なことがありましょうか。

TBSさんにしてみればラジオで聴いてもらうことが1番の目的で、Podcastはいわば「試供品」。だからすべての番組をフルで楽しむことはできませんでした。「伊集院光の深夜の馬鹿力」であればオープニングトークのみ、「安住紳一郎の日曜天国」は週によって異なる1コーナーのみ、といった具合です。

しかし私にとって、このことはむしろメリットだったのです。どの番組も本当は全部聴きたい。されど時間は有限です。自分で「今日はここまで」と途中で聴くのをやめるのはパワーが要るけれど、「今回の配信はここまで」と強制的に区切られていれば、それを受け入れるよりほかありません。ビュッフェ会場で節制するのは難しいけれど、断食道場にいれば我慢ができるのと同じです(同じか?)。

そうしてTBSラジオのPodcastを楽しみつつ、サンキュータツオさんが配信しているPodcast番組「熱量と文字数」「渋谷らくごのポッドキャスト『まくら』」なども購読するようになりました。自宅などWi-Fi環境万全のところで一気にダウンロードし、ちょっとしたスキマ時間に聴くのです。

とりわけ効果を発揮するのが通勤中。本を開くスペースもないようなギュウギュウ電車も、情報収集の時間に早変わりします。電車を降りてから目的地にたどり着くまでの歩き時間も然り。いつからか、音楽よりもPodcast番組を聴く時間のほうが圧倒的に増えてしまいました。

 

Podcast番組がもっと身近な存在に!

上記の通りのPodcast生活を始めてから何年も経ったいま、もっと身近な番組も愛聴するようになりました。

愛読しているブログ「ごりゅご.com」を運営している五藤隆介さんが、2018年4月にPodcast番組「ごりゅごcast」の配信を開始されたことがきっかけです。

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トーク内容は主にライフハックやガジェットに関連するもので、なんと毎日配信されています。10分前後の短尺なのでスキマ時間に聴きやすい!そして声を聴いたことでより身近に感じられ、ブログのテキストを拝読していたとき以上にファンになりました。

この体験を機に、私にとっての「Podcastの聴き方」が変わった感覚があるのです。

それまでの私のPodcast聴取体験は「耳から情報を得る」イメージでした。深夜帯のトーク番組であっても、発言を聞き漏らすまいと一生懸命聴いていた気がします。それがもっと「ライトなもの」「気軽に聴けるもの」になったのです。芸能人ではない「身近で有名な方」ゆえの「親近感」が、そういう気持ちにさせてくれたのではないかと思っています。

お料理や部屋の片付けをしている最中など、「無心でいるようで、実はいろいろ考えているとき」に「ごりゅごcast」をよく聴きます。料理などで地味に頭を使っているため聞き流してしまっているトークもあるのですが、興味のある話題は、作業中であってもしっかり頭に入ってくるのがおもしろい。さらに「人の声がする安心感」からか、作業が捗っている気がします。

この体験を機に、Web編集者・ブロガーのnarumiさん、なつめぐさんのお2人が2015年から配信されている人気Podcast番組「donguri.fm」も聴きはじめました。ゆるいトークが最高におもしろい。居酒屋で隣り合った人たちの会話が耳に入ってくるような感覚です。もっと早くから聴いていればよかった!ちなみに最近好きだったのは、「インターネット界のクロロ団長について」という話題です。

自己啓発という意味では、経済番組とか英会話番組を「一生懸命聴く」ほうがよいのでしょう。でもPodcastで「身近な話題」を聴き流していると、心が豊かになる感覚があります。メインテーマから脇道にそれてしまったときの会話こそが、私の好物です。

 

私もPodcastやりたい

前述の「ごりゅごcast」では、Podcast配信の簡単さと楽しさが語られることがあります。「無料アプリの『Anchor』があれば、スマートフォンひとつで収録も配信もできる」とのことで、自分のPodcast番組を配信することに興味をもつようになりました。

▼Anchorについてはこちらの記事などをご参考にどうぞ
日本でもくる?オーディオSNSの先駆けになるAnchorの可能性(TECHABLE)

とはいえ私、しがない凡人女です。どれだけ配信が簡単であろうと、無名で、なんの特殊スキルも持ち合わせていない33歳独身女のトークに需要などあるでしょうか?あーあ、明日目が覚めたら深田恭子さんになっていたらいいのに!ふてくされつつも、自意識過剰な私は自分のブログで気持ちを全力アピールしてみました。

「Podcasterになりたい!」

博多華丸・大吉さんがネタのなかでYouTuberになりたがっていたように、大きな声でアピールしたのです。

さあ、ここからがインターネットのいい話。聞いてください。この「なりたいアピール」がきっかけとなって、記事を書いた1か月後にはPodcastデビューをすることになったのです!心理学ジャーナリストの佐々木正悟さんが配信されているライフハック情報番組「のきばキャスト」にゲスト出演しました。

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佐々木さんの著書を拝読したりセミナーを受講したりしていたこと、そして私の「Podcasterになりたい」記事をたまたま佐々木さんがご覧になったことが繋がった格好です。

好きなこと、やりたいことは、大きな声で宣言するもんだ!とくに、ネット上で!ブログを書いていてよかったと心から思った瞬間でした。

 

無料アプリ「Anchor」でPodcastに遠隔出演

Podcastの収録・配信自体は驚くほど簡単でした。

2人での会話を収録する場合は、お互いが無料アプリAnchorをインストールしていればOK。注意点は、主催者がゲストの電話番号を把握していなければならないことくらいです。

主催者がゲストをトークルームに招待する形で録音することになるのですが、招待メールはショートメールでしか送れない仕様になっています。

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招待メールが届いたら記載されているURLにアクセス。Anchorアプリに遷移するので、そこでボタンを押すとすぐに録音が始まります。

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余談ですが、記念すべき初回のテーマは「アイビー・リー メソッド」でした。

次の日に遂行したいタスクを優先度順に6つ書き出し、翌日は上から順にひとつずつ着手していくというもの。私の場合、このタスク管理方法を行うにあたりTodoistというアプリを使用しています。

このテーマでの収録時間は約15分でした。ブログで同様のことを行ったら、記事を書き上げるまでに倍以上の時間がかかっていたはずです。アプリ使用時の画面キャプチャの用意も手間がかかりますが、Podcastなら画像の準備も不要。なんとお手軽なのでしょう!

難しさを挙げるとすれば「相槌のタイミング」くらいのもの。佐々木さんのお話しに、いちファンとして「そうなんですか!すごい!」などと声をあげそうになってしまうのですが、声が重なると聴きにくくなるものです。必死で相槌ボイスを出さないようにがんばりました。

特別なマイクを使うことなくiPhoneで電話をするように話をしただけですが、配信された番組を(照れくさい気持ちを必死で抑えつつ)聴いたところ、音声は驚くほどきれいに録れていました。実に簡単です。

 

自分のオリジナル番組配信にチャレンジ

Podcastへのゲスト出演で味をしめた私は、自分ひとりの番組をつくってみたくなりました。

誰をターゲットに?どんな内容の番組?尺は?配信のタイミングは?
……事前にいろいろ戦略を練っておくべきなのでしょうが、「鉄は熱いうちに打て!」です。見切り発車で始めてしまいました。その名も

「喋る!言いたいことやまやまです」」。

毎日更新しているブログ「言いたいことやまやまです」の1週間分の記事内容を振り返るという「誰得」な番組です。それでもやる意味があると思ったのは、「ブログを読む」のと「声を聴く」のとでは親近感の度合いが変わるという確信があったから。

私のブログはいわゆる「日常系・雑記系」に属すもので、親近感や共感があって初めて読んでいただけるタイプのものです。Podcast配信がこんなに簡単なら、挑戦する価値はあると思えました。方針転換はあとからいくらだってできます。「とりあえずやってみる」に価値を置くことにしました。

最初は「いつ、どこで録音する?」から悩みました(手探りにもほどがある!)。

簡単に録音できるとはいえ、同居人がいる自宅でハイテンショントークというのは照れがあります。カラオケルームなどもよいと思いますが、私の場合は趣味で通っているボイトレ教室のスタジオを借りました。現在は、同居人のいない時間に自宅で収録しています。

対話形式の収録では「相槌」が悩みのタネでしたが、ひとり番組では「無音の時間」に悩むことに。安直に「うーん」「えーと」で繋ぐわけにもいかず、いくらフリートークの番組とはいえ、最低限の構成表は必要だということも学びました。

1月から始めたばかりですが、それでも自分のなかでは1回1回に新しい発見があり、微かな改良をしているつもりです。第一目標は「配信を続ける」に定めつつ、気の利いたトークができるよう努めてまいります。

無料アプリひとつでこんな楽しいことができるなんて、昭和生まれの身としては夢のようです!インターネットバンザイ!

 

おわりに ー 耳からのユルい情報収集で心を満たす

最初は「ダウンロードして聴ける便利な音声番組」というイメージを持っていたPodcastですが、いまは「癒やしツール」として捉えている側面があります。

もちろんいろいろなPodcastで「情報」を得ていることは間違いないのですが、そんなに構えて聴かなくてもいい「ユルさ」があります。「情報収集しなければ!」という焦燥感でいっぱいになっているときに、Podcastにはちょっとガス抜きさせてくれる「隙」があると思うのです。それがとてもちょうどいい。

合理性だけで生きていくのは息苦しいものです。うっかりとか、おっちょこちょいとか、面倒くさいこととか、そういう迂回路にこそ人生の味わいみたいなものが詰まっていると思っています。スルメイカを噛み締めることなく丸呑みするような生活はしたくありません!スルメイカを噛み、口内の日本酒でふやかしながら生きていきたいのです!

……話がずれてしまいましたが「役に立つ」だけではなく「味わい深さ」も楽しめるのがPodcastだ、ということを主張したかったのでした。

聴くのはもちろん、配信する体験にも同様のことが言えると思います。ガチガチに企画を固めていなくても、とりあえずスタートすることができてしまう。私もチャレンジできたくらいですから、ご興味のある方は「配信」もおすすめします。

本やスマホゲームと異なり、耳だけで楽しめるという手軽さも魅力です。通勤のお供に、家事のお供に、人恋しいときのBGMに。

世界に入り込みすぎて周りの音が聴こえなくなるのは心配ですから、片耳イヤホンで楽しむなどの工夫はお忘れなく。Podcastがある生活の楽しさにご興味をお持ちいただけたら幸いです。

【筆者プロフィール】
yamama
やまま
1985年生まれの未婚・子なしの33歳女です。OLの傍ら雑記ブロガーやってます。 巨大サンドイッチのマンスリー食レポからライフハック、ダイエット、会社の愚痴までなんでも幅広く、愉快な生存報告を毎日だいたい22時に綴っています。
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