今年の春にアップルの完全ワイヤレスイヤホン「AirPods」の最新モデルを購入したという、音楽・ガジェット好きのGetNavi web編集部・玉造氏から、ある日「AirPodsの使い心地をもっと良くしたいんだよ。なんかいいアイデアはないかね?」という、フワッとしたミッションが降りてきました。この際だから、玉造氏の色んなギモンにお答えしつつ、すべてのAirPodsユーザーのお役に立てる情報をお届けしたいという使命感を胸に、オーディオライターの山本がGetNavi web編集部のもとを訪ねました。
AirPodsのケース、ときどき所在が困ります
玉造 やあ、よくきてくれました。まあ、そのソファにでも座って座って。
山本 どうも。AirPodsの調子はどうですか? いい感じですか。
玉造 ようやく来たと思ったらさっそく本題ですか。まったく雅じゃないですねえ、山本さんは。まあそれはさておき、大概のところは気に入っていますけれどね、いくつか気になることもあるんです。
山本 ほう、それはどんなことですか。
玉造 AirPodsって、ふだんはこの専用ケースにしまっておくものでしょう。例えば外で気持ちよく音楽を聴いていたとするじゃないですか。ふと、少しの間だけ音楽聴くのを休みたい時にね、イヤホン本体の所在があたふたするのがどうにも慣れなくてですね。いつもケースをポケットに入れておくべしということなのかもしれませんが。
山本 “完全ワイヤレスイヤホン・あるある”の典型的なお悩みとお見受けしました。本体の左右がケーブルでつながれているワイヤレスイヤホンは、音楽を止めたらペンダントみたいに首もとに掛けておけますけどね。どうでしょう、その真似をしてこんなケーブルなんか付けてみたら。
玉造 ほう。しかしこれではAirPodsを選んだ意味がないのでは?
山本 例えば玉造さんはよくジムに通っているから、1~2時間はポケットのないピタピタなスポーツウェアを着てジョギングなんかしますよね。短い時間にAirPodsを着けたり外したり、頻繁にする間だけなら、これもけっこう便利なアイテムですよ。
玉造 なるほど。そうかもしれないけれど、なにか他にないですかね。え? ん?
山本 圧をかけるのはやめてください。ではこれなんかどうです。カラビナ付きケース。AirPodsをまるっと入れて、ジーパンのベルトストラップにカラビナでがっちりと。防水対応のケースもありますよ。
玉造 おお、これは男前だね! ポケットが膨らんで怪しく見えることもないじゃないか。ニヤリ。
山本 ニヤリ。
玉造 欲を言えばこう、ワイヤーでケースごとみよーんって手もとまで引っ張れると一番ベターなんだがね。
山本 完全ワイヤレスイヤホンなんですから、箱から開けてイヤホンだけ取り出せばいいじゃないすか。
玉造 おお、たしかに! 山本さん成長してますねえ!
山本 ありがとうございます(空虚な表情)。
玉造 あの、そもそもAirPodsのイヤホンだけを持ち歩くのはアリですか?
山本 そうですね、例えばジムに出かけた時、短時間だけ専用ケースをロッカーに入れて、さっきのストラップを付けたAirPodsのイヤホンだけを持ちっぱなしというのはOKだと思いますよ。でもAirPodsがイヤホン単体で連続して音楽が聴けるのは最大約5時間、通話は最大約3時間です。AirPodsは本体に電源ボタンがないので、ケースに入れていない時は多少なりとも電力を消費していることになります。例えばケースを家に置いたまま、朝の通勤電車で音楽を聴いたら、夜に帰宅する頃までには電源が切れていると思います。
玉造 そうですかね。ではやはりケースは一緒に持っておくべきか。ふと気になったのですが、AirPodsユーザーの女性たちはこのケースをどう持ち歩いているんでしょう。
山本 AirPodsのケースは、ほかの完全ワイヤレスイヤホンに比べるとかなり小さめなので、「バッグのスペースを取らないから満足」という女性ユーザーの声を自分はよく耳にします。ただ、やはりスポーツシーンでは男性と一緒で、イヤホンを外して友だちと会話をしたい時にどう持てばいいんだろう? と気になっている人も増えているみたいです。これからAirPodsがますます普及すると、“ケースなし”でイヤホンを身に着けられるアクセサリーの注目度も高まると思いますよ。
さらにがっちりと装着感を安定させたい
玉造 それにしても、このAirPodsのつるっとした装着感は有線タイプのEarPodsの頃から思っていたけれど、独特ですね。
山本 そうですね。耳栓タイプのカナル型イヤホンだと、イヤーピースを耳穴に挿入するのが苦手っていう人は結構いますからね。そこにAirPodsのフィット感がうまくミートしてるというか。
玉造 私はカナル型でもぜんぜん平気ですけれどね。むしろ最初はEarPodsのふわっと耳に乗せるような装着感が慣れなかったものです。AirPodsはケーブルがないから最初は不安だったけれど、案外ぴたっと耳もとに安定してズレないから、結構信頼できますな。でも、これをカナル型みたいにもっとピタッとフィットさせる手も、ひょっとしてあったり?
山本 だったらこれなんかどうですか、AirPodsのハウジングをぐるっと包むシリコン。耳のくぼみにフィットさせるスタビライザー付きのものもありますよ。
玉造 へえ、悪くないですねえ。好きだな、こういうの。おや? ただ、これはケースに戻す時にアレじゃないですか。え? え? どゆこと?
山本 気付かれましたか。確かに“お着替え”が必要なんですよ。だから、例えばスポーツなどで体をがっちり動かす時だけ“念のため”にこれをAirPodsに着けるとか、こまめな使い方が効果的だと思います。
AirPodsやケースをなくすとどうなる
玉造 それとね、そもそもAirPodsをうっかりなくしてしまったら、何か打つ手はないんですか。
山本 まずは自分で探しましょう。iOS 10.3以降からは「iPhoneを探す」の機能を使って、ペアリングしているiOS端末からAirPodsが探せます。もし近くにあることは間違いないけれど見当たらない時には、AirPodsのイヤホンからブザー音を鳴らして探すという手も。万が一、AirPodsの所在が心の底からわからない場合は、例えイヤホンの電源が切れていたり通信範囲の外にある場合も「最後に確認された位置」がマップから探せます。
玉造 二度とピックアップできないような場所にイヤホンが迷い込んだり、そもそも壊れてしまったらどうしたら?
山本 さすがにわかるでしょう…当然、AirPodsの修理サービス扱いになりますよ。ただイヤホンは片方から、またはケースだけも買い直せます。
玉造 ふうん。その場合はあれだよね、値段もそこそこするんだろう?
山本 まるごと買い直すよりも全然いいじゃないですか。
ワイヤレス充電を便利に感じたい
玉造 いま知ったけれど、新しいAirPodsのワイヤレス充電用ケース(「Wireless Charging Case for AirPods」のこと)だけを買うこともできるんですね。ワイヤレス充電というものをまだしっかりと試したことがないんですが、イケてます?(便利ですかの暗喩)
山本 僕はイケてると思いますよ。同じワイヤレス充電に対応しているiPhone Xしか使っていなかった頃は、ケーブルで充電するのと手間は同じだろうと思ってましたけど、AirPodsがワイヤレス充電対応になって、充電パッドに交互に置くだけで素速くチャージができるようになると、けっこう良さが身に染みてきました。
玉造 まさしく“パッドでパッと”! パッとサイデリア!
山本 はいはい。あとはこのパッドを部屋の中に、どう邪魔っぽくなくシンプルに置くかが課題かもしれません。
玉造 私も最近知ったんですけどね、「Galaxy Buds」のようなスマホの背中に乗せてワイヤレスチャージができるイヤホンもあるんですね。iPhoneでもこういうのができれば、部屋の美観を損なわずに、いつでもどこでもAirPodsが充電できて便利だろうに。
山本 そうですね。
玉造 よし、じゃあワイヤレスを実感したいから、山本さんのスマホを私がいつでも使えるように共有してください。
山本 かんべんかんべんマジかんべん。
次回「AirPodsの音ってどう思う?編」につづく
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