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2019/10/4 21:30

楽天モバイルが「無料サポータープログラム」をスタート! あらためて現状をまとめてみました

第4のキャリアとして業界に参入する楽天モバイル。具体的な料金プランやサービスはどんなものなのか、また基地局の開設が大幅に遅れていると報道もあり、注目を集めました。プレサービスとなる「無料サポータープログラム」や、従来のMVNOとしての新料金プランなどが発表されましたが、これからどうなるかを考えながら詳細を見ていきましょう。

 

月額無料の「無料サポータープログラム」を受付中

キャリアとしてのサービスは、まず「プレサービス」として開始することになりました。発表された「無料サポータープログラム」は、該当エリアに住む5000名を対象に、通話、データ通信、SMSなどが無償で無制限に利用できます。該当エリア以外では、KDDIとのローミング接続になります。

 

↑無料かつ無制限で利用可能

 

↑KDDIとのローミング接続で全国をカバー

 

申し込み受付期間は、10月1日(火)~10月7日(月)。その後、抽選や確認を行い、端末・SIMカードが発送されて利用可能になります。同プログラム自体は約半年後の2020年3月31日(火)に終了する予定です。

 

↑申し込み条件

 

まずはプレサービスでのスタートとなり、本サービスは延期になったかたち。楽天モバイルは世界初の完全仮想化ネットワークでのサービス提供を目指していますが、このプログラムは安定して通信できるかどうかのテスト期間といえます。

 

ただし、楽天の三木谷社長は、安定稼働や品質が完全に保証できた段階で「可及的速やかに」本サービスに移行すると述べており、その時点で「無料サポータープログラム」も終了するとしています。サービスの本格運用は「できれば年内に開始したい」とのことでした。

 

↑安定稼働を確認後はネット受付、実店舗と展開していく

 

契約期間と解約金を設けず、販売する全機種がSIMロックフリーであるとしています。

 

具体的な料金プランは発表されませんでしたが、三木谷社長は「他社にはなかなか真似できない料金になるのではないか」と自信をのぞかせます。料金を安く抑えられる理由としては、ネットワーク設備を仮想化(=ハードウェアを設置しなくてよい)しコストを抑えたこと、すでに多くの楽天会員がいるために顧客獲得にコストがかからないことを挙げていました。

 

9月6日にはソフトバンクが2年縛り・解除料の撤廃を発表し、12日にはauが新しい料金プランを発表しましたが、楽天モバイルの参入によって起きると予想されていた価格競争は、まだ先のことになりそうです。

 

 

独自端末「Rakuten mini」も発表

またこの日は、楽天独自開発のAndroidスマホ「Rakuten mini」が発表されました。Felica搭載端末として“世界最小最薄”ボディを特徴としています。

 

↑筆者の名刺ケースと比較

 

↑カメラも搭載

 

楽天モバイルの回線で使える専用端末ですが、10月からの「無料サポータープログラム」での提供は未定となっています。

 

MVNOの楽天モバイルも引き続きサービス提供

一方で、MVNOとしての「楽天モバイル」が新料金プランと新端末を発表しました。キャリアへ移行しつつも、ユーザーの利便性を考えサービス提供を続けるとのこと。またこちらも、最低利用期間・違約金のしばりがありません。

 

↑新規受付も継続

 

↑最低利用期間・違約金なし

 

新しい「スーパーホーダイ」は、S・M・L・LLの4つのプラン。楽天会員ならプランSを月額1480円で利用できます。最低利用期間がないために、従来の「長期割」がなくなりました。

 

↑容量超過後でも最大1Mbpsで利用できるのは変わらず

 

新端末は、初めての取り扱いとなる「Galaxy」の2モデルや、楽天モバイル専売の「AQUOS sense3 lite」など7機種と、モバイルルーター2機種の計9機種。これらの機種は自社回線にも対応し、「無料サポータープログラム」で購入できます。なお、独自端末の「Rakuten mini」の取り扱いはありません。

 

↑計9機種のラインアップ。価格はすべて未定

 

また、現在取り扱っているなかで、HUAWEI P30 liteなどの機種も楽天回線で使えるよう順次アップデートするとのことです。

 

↑順次アップデート予定

 

携帯キャリア事業の発表会とあり、サービスの詳細が発表されるかと思われましたが、具体的な料金プランは先送りに。サービスや価格面での競争は、楽天モバイルが商用サービスを開始するまで待ったがかかった状況です。とはいえ、「他社が真似できない料金」になれば、激しい競争が予想されます。

 

また、10月より始まったプレサービスで完全仮想化ネットワークの品質が試されます。安定した高品質の通信ができるのかどうか、サービスを利用するユーザーの声にも注目です。