デジタル
通信機器
2020/1/16 19:00

今さら聞けないWi-Fiの基本と「メッシュWi-Fi」の始め方

Wi-Fiの到達範囲を広げる「メッシュWi-Fi」とは?

前置きが長くなりましたが、Wi-Fiの電波到達範囲を広げる技術として最近注目されているのが、「メッシュWi-Fi」です。

 

メッシュWi-Fiでは、ルーターとして「メッシュWi-Fiルーター」という、メッシュWi-Fi用のルーターを使用します。そしてそのほかに、電波の中継役をする機器(「サテライト」などと呼びます)をいくつか配置することによって到達範囲を広げるのです。

 

前述の中継機方式と異なるのは、利用時に「いまどのルーター(またはサテライト)と接続しているか」を意識しなくていいということ。その場所でもっとも電波の強いルーターやサテライトが自動的に利用されます。

 

また、パソコンやスマホなどからの接続設定をする際も、ルーターとの接続設定さえしてしまえば、1つ1つのサテライトと個別に接続設定をする必要はありません。

 

ルーターを設置し、電波が弱いエリアとの中間にサテライトを置いておくだけで、インターネットを使える範囲を広げられる、それがメッシュWi-Fiなのです。

メッシュWi-Fi。「メッシュWi-Fiルーター」をインターネット接続しておけば、その電波圏内にある機器はインターネットに接続できます。さらに、その電波圏内に「メッシュWi-Fiサテライト」を設置すると、そのメッシュWi-Fiサテライトの電波圏内でもインターネットに接続できるようになるのです。
↑メッシュWi-Fi。「メッシュWi-Fiルーター」をインターネット接続しておけば、その電波圏内にある機器はインターネットに接続できます。さらに、その電波圏内に「メッシュWi-Fiサテライト」を設置すると、そのメッシュWi-Fiサテライトの電波圏内でもインターネットに接続できるようになるのです

 

メッシュWi-Fiでは、「メッシュWi-Fiルーター」と「メッシュWi-Fiサテライト」は、対応が決まっています。一般的なWi-Fiルーターと中継機のように、メーカーの異なる製品同士でも規格さえ合っていれば接続できる、ということはありません。そのため、メッシュWi-Fi製品の多くは「メッシュWi-FiルーターとメッシュWi-Fiサテライトのセット」という形態で販売されています。そしてメッシュWi-Fiサテライトを増やしたい場合は、別途増設用の製品を購入することもできます。

 

購入前にチェックしたい、メッシュWi-Fiの2形態

メッシュWi-Fiは、サテライトの置きかたによって2通りの接続形態(トポロジ)があります。

 

1つは、上で解説した「スター型」。すべてのサテライトが、ルーターにつながっている方式です。「ルーター→サテライト→接続機器」という接続が限界なので、広げられる範囲はサテライト一個分までです。

 

そしてもう1つが、サテライト同士も接続できる「デイジーチェーン型」。「ルーター→サテライト→サテライト→接続機器」という接続ができるので、スター型よりもさらに遠く離れた場所からも接続できるようになります。そのため、ルーターが自宅内の隅にあるような場合でも、家中に電波を届かせることが可能です。

↑デイジーチェーン型のメッシュWi-Fi。サテライト同士の接続ができるため、複数のサテライトを並べることで到達距離を延ばすことができます

 

メッシュWi-Fi製品によっては、デイジーチェーン型の接続に対応していないものもあります。これから買うなら、デイジーチェーン型に対応した製品がいいでしょう

 

メッシュWi-Fiの導入で、快適なインターネット生活を!

せっかく高速なインターネット回線を導入したのに、家のあちこちで「電波の弱い場所」があり、結局使える場所が限られてしまっている、という悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。

 

メッシュWi-Fiを導入すれば、家の中の好きな場所を選んで電波を強くできるので、どこでも快適にインターネットを使えるようになります。これまで電波の届きにくかったお風呂での動画視聴や、諦めていた玄関へのIoT機器設置など、インターネットをより効果的に活用できるようになることでしょう。

 

文/湯浅顕人 イラスト/@Living編集部

 

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