デジタル
2016/7/1 17:14

【西田宗千佳連載】ハイエンドスマホのカメラは「デュアル以上」に

「週刊GetNavi」Vol.44-1

 

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立体写真とは異なるカメラの「複眼化」

ファーウェイ・ジャパンは6月にフラッグシップスマホ「HUAWEI P9」を発売する。特徴は、独ライカと共同開発したデュアルレンズを搭載していることだ。このモデルに限らず、今後スマホのカメラが「複眼化」していく、という指摘は多い。どのトップブランドも採用を予定している、との噂は流れてくる。噂の真偽はともかく、スマホに搭載される「カメラの数」が増える傾向にあるのは、スマホの技術に関わる人々に共通の認識である。

 

カメラを増やすといっても、立体撮影ができるようにするわけではない。過去には2眼式で立体写真が撮影できるスマホもあったが、今回起きつつあるのは、そういう話ではない。

 

「センサー」として活用されるカメラ

写真を単に撮影するなら、カメラの数を増やす必要はあまりない。これからカメラが増えていくのは、それらを「センサー」として活用するためである。例えばHUAWEI P9の場合、2つのカメラのうち片方はモノクロのセンサーを使っており、カラーのセンサーに比べ、形状や輪郭・光を正確に把握できる。そのデータをモノクロ写真として楽しむこともできるが、カラーで写真を撮影する場合にも写っているものの形状をより正確に把握し、ソフトウェア処理で融合させることで、写真のクオリティを単眼のものよりさらに上げることができる。

 

スマホはソフトの力で画質を向上させられる

フィルム時代から続くカメラの考え方は、「取り込む光の量を増やし、忠実に記録する」ことだった。搭載できるレンズのサイズに制約があるスマホよりも大きなレンズでより多くの光を取り込める一眼レフの方が画質的に有利なのはそのためだ。

 

だが、スマホのカメラであれば、搭載している強力なプロセッサーにソフトの力を加えることで、同じ径・同じ明るさのレンズでも、写真の画質を上げることはできる。例えばiPhoneは、ソフト処理の比率を上げることで「自動的に人が好ましいと思う写真になる」ように工夫されており、そのことが、iPhoneのカメラ機能の優秀さを支えてきた。今後は「ソフトウエアアプローチ」がより本格化する。そのためには、複数の目で被写体をとらえてデータ化し、ソフトへと供給する必要がある。HUAWEI P9の場合は、モノクロ・カラーの違いだけでなく、レンズの位置の差による「視差」を使い、カメラから被写体までの距離を把握する。その情報もソフトへと反映することで、カメラが一般的に苦手とする暗いシーンなどで画質を向上させていくのだ。

 

スマホのカメラは「いくつまで増える」!?

現在、スマホの機能を差別化するのは難しくなっている。数ある機能のなかで「カメラ」はわかりやすいポイントだ。だからこそ、多数搭載されるカメラはまず写真の「画質向上」に使われるわけだ。

 

だがもちろん、センサーとしてのカメラは写真撮影だけでは終わらない。なにができるのか、そしてスマホのカメラは「いくつまで増える」のか。そのあたりはVol.44-2以降で解説していく。

 

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