デジタル
2020/3/23 18:20

2020年春の新製品をプロがチェック! 最新デジタルガジェットを「じっくり使った前と後」

春の新製品の季節。2020年の春の新製品をプロが試し、使ってみる「前」の印象と使ってみた「後」の印象、「買い」か「様子見」かなど、使ってわかった本音レビューをお届けします。

 

※こちらの記事は「GetNavi」 2020年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

その1. 所有欲を満たす高品位なデザインのノートPC

【前】スペック的には絶対お買い得→【後】デザインも使い勝手も極上すぎて即買い!

日本HP

HP Spectre x360 13

16万7200円(スタンダードモデル)

最新の第10世代Core iプロセッサーを搭載したコンバーチブル型2 in 1ノート。13.3型モデルでは世界最小のフットプリントを実現したほか、プライバシーフィルター内蔵液晶や4K有機ELなどのカスタマイズにも対応します。

 

SPEC【スタンダードモデル】●OS:Windows 10 Home●CPU:Core i7-1065G7●メモリ:16GB●ストレージ:512GB SSD●ディスプレイ:13.3型タッチ対応(1920×1080)●サイズ/質量:約W307×H18.5×D194.5mm/約1.24kg

 

本誌デジタル担当

森 有史

モバイルノートをメイン機として長年愛用。重視するのは1にスペック、2にデザイン。

 

性能も見た目も最高で死角ナシのイチオシPC

HPといえば、コスパの高さが最大の魅力です。本機もそれは同様で、16万円台の価格にも関わらず、CPUにはグラフィック性能に優れたタイプのコアi7を採用し、16GBのメモリや512GBのSSDを搭載。さらに、バッテリー駆動は約22時間を実現するなど、この時点で「買っていい」と断言できるレベル。ですが、本機にはそれに劣らず魅力的なポイントがあります。それは、質感の高さも含めた高品位なデザインです。

 

デザイン性の高いノートPCというとまず思い浮かぶのがMacBookでしょう。実際、世の「デザインに注力した」というPCには、「MacBookっぽくした」だけのものが多いのも事実です。しかし、ご覧のとおりこのSpectreは違います。キーボード奥側の角が面取りされた独特なフォルムは視覚的に美しいだけでなく、USB Type-C端子を用いる電源プラグがデスクの上で邪魔になりにくいというメリットが。筐体外周を覆うメタル素材のケバくない上品な輝きも、所有欲を存分に満たしてくれます。

 

この価格でこの満足感、今春、最も「買い」だと改めて断言します!(森)

 

ウェブカメラのオンとオフの切り替えボタン

テレワークの浸透で増加しつつあるウェブカメラの使用機会。本機は、カメラのオンオフスイッチを側面に装備しています。これにより、見られたくない場面を配信、といった失敗を予防可能です。

 

手が大きくても安心なフルサイズキーを実現

本機のキーボードは縦横いずれも約19mmのキーピッチを確保。キーストロークも約1.3mmと十分で、しっかりした打鍵感を得られます。Enterキーの位置はやや特殊ですが、すぐに習熟できました。

 

各種形状に変形する広可動域のヒンジ

ゴツくないスッキリしたヒンジで、360度反転するコンバーチブル型を実現。タブレットスタイルはもちろん、映像コンテンツ視聴やプレゼンなどの用途に適したテントモード(写真)も意外と重宝します!

 

専用ペンも付属しPDFなどに書込可

1024段階の筆圧検出に対応したガチ仕様なSpectreアクティブペンが標準で付属。PDFへの書き込みなどが可能なほか、メモ書きなどにも使用できます。タブレットモードとの相性は抜群。

 

その2.ミラーレス派にも使ってほしい一眼レフ

【前】ミラーレス時代に一眼レフって……?→【後】AFと連写が◎で動きモノに強い!

キヤノン

EOS Kiss X10i

実売予想価格14万5000円(ダブルズームキット) ※4月下旬発売予定

2017年発売のEOS Kiss X9iの後継機。基本デザインや画素数は前機種同様ですが、測光&AF性能などが向上したほか、最大毎秒7コマの高速連写や4K動画に新対応。同社の新クラウドサービスimage.canonとの連携性も強化されました。

 

SPEC●撮像素子:有効2410万画素APS-CサイズCMOS●レンズマウント:キヤノンEFマウント●ISO感度:100~25600●モニター:3.0型、約104万ドット●サイズ/本体質量:約W131×H102.6×D76.2mm/約515g

 

カメラマン

永山昌克さん

休日はもっぱら子どもの撮影に勤しむファミリー重視のカメラマン。EOS Kissは初代機から使用。

 

一眼レフでありながらミラーレス的にも使える

EOS Kissシリーズといえば、エントリー向け一眼レフの代名詞的存在。「スマホやミラーレス機が主流の時代に、いまさら一眼レフ?」なんて邪念は、実機を使った瞬間に吹き飛びました。

 

光学ファインダーでナマの風景や被写体をリアルに確認しながら遅延なく撮影できることは、スマホやミラーレス機にはない魅力。サブダイヤルなどが追加され、操作性も従来機より大きく向上したうえ、AFや測光、連写などの基本性能も中級機並に進化。暗所や逆光、動体といった難条件でも快適に撮影を楽しめます。ライブビュー時のAFも滑らかに被写体に追従するため、バリアングル液晶を活用して、ミラーレス機のように撮影することも可能な、「おいしいとこ取り」の1台です!(永山さん)

 

ファインダー撮影でも顔認識機能が使える!

EOS 90Dと同じオールクロス45点AF&約22万画素RGB+IR測光センサーに対応。ファインダー撮影時に顔認識が使えるのも◎。

 

一段上の操作ができる新ボタンと新ダイヤル

Kissシリーズで初めてAF-ONボタンとサブ電子ダイヤルを搭載。撮影スタイルに応じた、より直感的で柔軟な操作が可能になりました。

 

その3. ただのシンプル端末じゃない! 必要な機能はきっちり押さえたデキるスマホ

【前】法人需要を狙うシンプル端末?→【後】このカメラなら十分満足できる!

シャープ

AQUOS sense 3

実売価格3万7800円(SIMフリー版)

ミドルレンジ帯の定番となった「AQUOS sense」シリーズの最新鋭機。600番台のSnapdragonやシリーズ初の2眼カメラを搭載し、価格帯を維持しつつ、性能強化を図りました。筐体もわずかに小型化しています。

 

SPEC●OS:Android 9●CPU:Snapdragon 630●RAM:4GB●ROM:64GB●ディスプレイ:約5.5インチ フルHD+液晶●背面カメラ:1200万画素×2●バッテリー容量:4000mAh●サイズ/質量:約W70×H147×D8.9mm/約167g

 

モバイルライター

井上 晃さん

最新モバイル事情に精通するライター。サブ機のAndroidスマホはLINEモバイルで運用しています。

 

かなりシンプルでも必要十分なスペック

本機は「3万円台でちゃんと使える」を体現したハイコスパモデルです。通信面ではDSDVとsXGP(※)に対応しており、今年のPHS停波を踏まえ、法人展開を意識したシンプルな機種という認識だったのですが、実際に使うとカメラの写りが結構イイ。上位モデルの「AQUOS R3」と同じ画質エンジンが使われているとのことで、SNSに投稿する程度の用途なら本機のカメラでも十分満足できます。特に、シリーズ初となるデュアルカメラの片方は画角121度の超広角で、これが風景や建物を撮るのに重宝します。

※:DSDVは、デュアルSIMデュアルVoLTEの略。2枚のSIMを装着でき、両方のSIMで同時に4Gでの待ち受け等が行えます。sXGPは、LTEをベースとした新方式のデジタルコードレスシステムで、同方式に対応することでいわゆる“事業所コードレス”としての利用が可能になります

 

また、ワンセグは非対応ですが、おサイフケータイや防水には対応。必要最低限の機能をきっちり押さえた点がお見事です。(井上さん)

 

長く使う前提でも安心して選べる仕様

背面はアルマイト染色により傷が目立ちにくく、MILスペックの耐衝撃性も備えます。OSは2年で最大2回のバージョンアップを保証。

 

トレンドの超広角撮影に対応

ミドルレンジ機ながら高画質に撮影でき、さらに超広角も対応するイマドキな仕様。マニュアル撮影が可能な点も見落とすべからず!

 

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