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2016/8/31 14:00

【西田宗千佳連載】カシオも参入、急増する「全天球・全天周カメラ」

「週刊GetNavi」Vol.46-1

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↑カシオ「EX-FR200」

 

カシオが全天周撮影対応の新カメラを発表

今年に入って、「VRカメラ」「360度カメラ」への注目が急速に高まっている。要はワンショットで撮影者の周囲をすべて撮影するカメラのことだ。リコーの「THETA」が代表例だが、カシオも画角185度の魚眼レンズを搭載した全天周撮影対応の「EX-FR200」を9月中旬に発売することをアナウンスしている。

 

真の意味での「VRカメラ」とは別物

実際のところ、この種のものを「360度カメラ」というのも「VRカメラ」というのも正しくはない。撮影する範囲が製品によって異なるためだ。EX-FR200も、撮影はいわば「半球分」で、全天ではない。また、周囲を撮影はするものの、それはあくまで2Dの映像であり、最終的には「球面にその写真を貼り付けた」ものとして表現される。たしかに、これまでの写真と違いぐるっと見渡せて「そこにいる感じ」は強く受けるし、VR(Virtual Reality=仮想現実)用のヘッドマウントディスプレイの盛り上がりとともに注目が集まった製品なので「VRカメラ」と呼びたくなるのはわかる。とはいえ、今後立体形状まで取り込んで表現できる本物のVRカメラや、そうした機能を搭載したスマホが登場するので、やはり使い分けておいた方が無難かと思う。ちなみに、リコーとカシオは「全天球カメラ」「全天周カメラ」という言い方をしている。上下左右・すべてを撮影する場合には「全天球」で、EX-FR200のようにドームの上半分を撮影するものを「全天周」としている。ちなみに、THETAは「全天球」で、EX-FR200も、別売のカメラモジュール「EX-FR200Ca」を組み合わせて使うことで「全天球」撮影が可能になっている。

 

アクションカムのメーカーも参入

全天球・全天周カメラが注目されるのは、VRの盛り上がりによるところが大きいのだが、それだけが要因ではない。もうひとつの大きな理由は、GoProに代表される「アクションカム」の市場が停滞していることにある。アクションカムは、ビデオカメラ市場を食う形で急速に成長したが、製品が増えて求める人に行き渡った感が強い。アクションカムを製造しているメーカーは別のジャンルを開拓する必要に迫られているのだが、そこで全天球・全天周カメラは最適な存在だ。極論を言えば、ハードウエアとしての違いは魚眼レンズを使うかどうかがメイン。アクションカムのほとんどのモデルが広角レンズを採用しており、魚眼レンズとの大きな違いはなく、開発のハードルは非常に低い。

 

リコーなど国内メーカーが画質に優れる理由とは?

そのため、中国企業を中心に、低価格な全天球・全天周カメラの製造を手がけるメーカーは急増中で、低価格な製品がどんどんでてくる状況にある。

 

だが、実際に製品で撮影された画像を見えると、やはり「老舗」であるリコーなどの方が有利であるようだ。スペック的には、中国系新興企業のものも悪くないし、むしろリコーなどの製品よりもいいのに、だ。

 

その辺はVol.46-2以降で解説していく。

 

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