デジタル
2022/6/9 21:00

外部カメラの際立つ性能!「MetaのMRヘッドセット」をアナリストが予測

2022年5月、Meta(旧Facebook)は、新型のハイエンドMR(複合現実)ヘッドセット「Project Cambria」の実物を初公開しました。マーク・ザッカーバーグCEO自らが被って実演したものの、ヘッドセット本体にはモザイクがかけられて、その姿を確認できませんでした。

↑Brad Lynch氏が予想する「Project Cambria」

 

しかし最近、XR(AR/VR/MRを統合した外面)関連アナリストのBrad Lynch氏(SadlyItsBradley)が、Project CambriaのCADファイルと思しき画像を公開しました。

 

2022年4月、Lynch氏はCambriaの製品版とされる予想レンダリング画像をTwitter上で公開しましたが、その詳細の一部について解釈を間違っていたと述べています。今回の新たな流出ファイルでは、これまで不明だった重要な箇所にいくつか気づいたとか。

 

まず、デバイスの右側にあるワイヤーは、ヘッドストラップの裏側にあるバッテリーと前面のHMD(ディスプレイ)を繋ぐ電源ケーブルとのこと。ストラップを一番短く設定すると自動的に折り曲げられ、逆に長くするとまっすぐに伸びると推測されています。

↑デバイスの右側の構造(画像提供/Brad Lynch)

 

また、ヘッドセットの左側のヘッドストラップに取り付けられているクリップはUSB-Cケーブル(製品に同梱)用かもしれないとも指摘。つまり、完全ワイヤレスではなく有線ケーブル式である可能性も浮上したわけです。とはいえ、Lynch氏はWifi-6Eを搭載することがほぼ確実だとして、完全ワイヤレスに対応する希望も繋いでいます。

↑オレンジ色がクリップ(画像提供/Brad Lynch)

 

瞳孔間距離(IPD/目の中心間の距離)の調節はホイールを回すのではなく「レンズ自体をつかんで動かす」方式になるため、Quest 2よりもスムーズな調整が可能になり、使い心地がもっと良くなるとも述べられています。

↑レンズの構造(画像提供/Brad Lynch)

 

Cambriaがほかのヘッドセットと最も異なる点は、外部カメラの仕様。前方の左右には2つの「glacier」モノクロカメラ、中央に「teton」高解像度RGBカメラが1つあり、後者が前者の色づけに使われるとのこと。さらに、中央のRGBカメラの下には赤外線プロジェクターがあり、環境マッピング用の深度データを取得できるとも推測されています。

↑Project Cambriaの前面(画像提供/Brad Lynch)

 

Lynch氏によるスペック予想は以下の通り。

・プロセッサ: Snapdragon XR2+ Gen 1

・搭載RAM: 12GB

・内蔵ストレージ: 256GB SSD

・ディスプレイ解像度: 2160 x 2160のミニバックライト付きLEDディスプレイ×2枚

・バッテリー容量: 5000mAh

 

Project Cambriaの発売時期や価格に関する正式な発表はまだありません。が、Metaは800ドル(約10万7000円※)よりも「大幅に高くなる」予定であり、主に開発者やマニアをターゲットにしているとの趣旨を回答していました。それでも、3000ドル(約40万円)との噂もあるアップル純正MRヘッドセットと比べれば、手が届きやすいと思えるかもしれません。

※1ドル=約133.7円で換算(2022年6月9日現在)

 

Source:Patreon
via:Road to VR