専用アプリで用途がよりワイドに
「SUC10」自体は、接続するだけでPCからカメラと認識されるので、とくに何をすることなくZoomやTeamsといったオンライン会議ツールで使用することが可能だ。ただ、実はこのカメラはもうちょっとポテンシャルを秘めているので、フル活用したいならば、専用アプリ「SUA-1」(Win/Mac)をインストールするといいだろう。
使ってみて面白かったのは、複数画面表示機能。これは「SUA-1」のウインドウ内で「SUC10」とPC内蔵カメラを同時に出力できる機能である。オンライン会議ツールで「SUA-1」を画面共有すれば、話者(自分)の顔を写しながら、もう一つの画面で同時に手元を写すこともできる。
カメラひとつごとに違うアカウントでログインしてもいいが、手間を考えるとこっちのほうがラクだ。
また、オートフォーカスを強制的にオフにしたり、俯瞰で写しているノートの傾きをAIで自動補正したり、といった機能も使いこなせると便利だ。
ただ、あまりUIが分かりやすくないので、同時にキングジムの製品ページから「SUA-1ユーザーガイド」PDFもダウンロードしておくのがオススメ。
ひとまず「SUC10」を使ってみて感じたこと
とにかく筆者のように「文房具サイズの小物をオンライン会議で説明する」機会の多い人にとっては、めちゃくちゃ便利! ということ。カメラなんて固定で支障ない、という人も多いとは思うが、動かして撮影したい人だってそれなりにいるんじゃないだろうか。在宅ワークでオンライン会議中に膝上のネコを見せびらかしたりとか、楽しいし。
ただ、カメラそのものは800万画素とはいえわりと偽色も多く、高画質とは言いづらい。あくまでも筆者個人の感覚だが、記録映像や動画配信用としてはちょっと物足りないなー、というのが正直なところだ。
もちろんオンライン会議用として考えれば充分以上のクオリティではあるし、なによりフリーアングルの便利さは、一度慣れてしまうと元のPC内蔵カメラには戻りづらいのではないだろうか。
気軽に導入できる価格ではないかもしれないが、これまでの説明で気になるポイントがあった人には、間違いなく価値があると思う。