デジタル
2023/9/10 21:30

【今さら聞けないChatGPT】プロがオススメするChatGPTのプラグインとは?

AIを一気に身近なものにした、いま話題沸騰のChatGPT。ChatGPTのスキルをChatGPT外でも使いたい。ならばGoogle Chromeブラウザをカスタマイズしたり、ChatGPT対応のプラグインを活用しよう。最新AIの能力を他のサービスと合わせて、もっと便利に利用できるようになる。

※こちらは「GetNavi」2023年9・10月合併号に掲載された記事を再編集したものです。

私が解説します

ガジェットライター 武者良太さん

出版社勤務ののち、フリーライターとして独立。スマホ、モビリティ、AI、ITビジネスなど、ガジェット・テクノロジー市場に精通する。最近はメタバース領域にも注力して取材を続けている。

 

ChatGPTの能力をより引き出すツールを使う

SEO技術が発達しすぎて検索結果に多くのノイズが交じるようになり、検索エンジンが信用しきれなくなった現在。ユーザーの問いかけに対して真っ当に回答してくれるChatGPTは、これからのビジネスシーンでなくてはならない存在だ。しかしPCのブラウザやスマホアプリから使うのが面倒だと感じることもあるだろう。いちいちチャット欄に質問を入力しなくてもAIの判断を仰いだり、他のサービスと連携してくれたらもっと便利だ。

 

現在ChatGPTの能力が様々な場所で使えるようになるオプションツールが多数存在する。そのひとつがGoogle Chromeブラウザの拡張機能。もうひとつがChatGPTに直接インストールするプラグインだ。アマゾンの最安情報を自動でピックアップするものもあれば、議事録作りに便利な要約機能など、様々な拡張機能やプラグインが数百種類も用意されており、急激な勢いで増加中だ。英語表記のものが多いが、簡単な設定で使えるものが大半なので安心してほしい。

 

Google Chromeの拡張機能でChatGPTを強化する

①ChatGPT for Google

Googleなど有力検索エンジンの検索結果に、ChatGPTの回答を合わせて表示してくれる機能拡張。ChatGPTを起動しなくてもGoogle ChromeなどからAIの回答を得ることができるようになる。

↑Googleで検索ワードを入力して検索すると、右側にChatGPT欄が表示される。「Login On OpenAI」と表示されたら、ChatGPTのログイン作業を行おう

 

↑ウェブとChatGPT両方で検索結果を得ることができるため、効率的に調べ物ができるようになる。回答内容のテキストをコピーする機能も便利だ

 

<ここが便利!>最新情報も含んだ検索が可能になる

ChatGPTがGoogle検索をサポートしてくれるアシスタントとなってくれるのは便利。またChatGPTは最新情報に疎いが、Google検索と合わせることで、ChatGPTがカバーできない情報を探しやすくなるメリットも。

 

②YouTube&Article Summary Powered by ChatGPT

YouTube動画の文字起こしおよび要約をしてくれる、トーク動画に適した拡張機能。長い動画であっても出演者が何のトピックを話しているのかを端的につかめるため、情報収集ツールとして適している。

↑YouTube画面の右側に、動画内容の文字起こし内容が表示される。その内容がわかりづらいなら「Transcript&Summary」の右横にあるアイコンをクリックする

 

↑ChatGPTの画面がChromeブラウザの別タブで開き、そこにChatGPTによってまとめられた要約内容が表示される。端的にまとめてくれるのでわかりやすい

 

<ここが便利!>短時間でYouTubeの内容を把握できて便利

ニュースソースがYouTubeとなることが増えた現在だが、様々な動画を再生して情報収集するといくら時間があっても足りない。この拡張機能を使えば短時間で内容をまとめてくれるので、時短効果はバッチリ。

 

ChatGPT用プラグイン連携でもっと便利に使う

プラグイン機能はChatGPT Plusの利用が必要

有料版のChatGPT Plusは最新言語モデルのGPT-4が使えるだけではなく、数多く用意されたプラグインも利用可能になる。料金は月々20ドル(約2800円)と安くないが、ChatGPTの機能をフル活用できる価値はある。

 

プラグインは「Plugin Store」から選んでインストール

チャット画面で「GPT-4」を選択。「Plugins」をクリックし、「No plugins enabled」→「Plu gin Store」を選択。ストア画面で利用したいプラグインを指定してインストールする。人気のプラグインなど、様々な検索方法が可能だ。

 

チャット中に使えるプラグインは3つまで

便利なプラグインが数多く用意されており、現在急速に拡大中。従来手作業で行っていた情報収集を自動化できるものもあり便利だ。いくらでもインストール可能だが、チャット中に使えるのは3つまでになっている。

 

武者さんオススメのChatGPTプラグインはコレ!

【その①】Video Insights

YouTubeやDailymotionなどにアップされた、動画の様々な情報を収集できるプラグイン。トーク内容の文字起こしや要約だけではなく、タイトルや説明文、キーワードなどの情報も得られて時短につながる。

↑YouTubeの倍速再生より便利な、最短の動画情報収集術がVideo insights。推しの動画を追いかけるだけではなく、自分の動画の内容をSNSで情報発信する際にも有効だ

 

↑動画のURLをChatGPTのチャット欄にコピペして、「~の概要をまとめて」と指示を出す。すると動画の内容を要約してくれる。英語表記のときは翻訳もお願いすればOKだ

 

<ここが便利!>海外企業の 情報収集と要約にピッタリ

長すぎる動画やYouTubeライブなどには現時点で対応していないが、YouTube以外のプラットフォームで見られるコンテンツの内容も要約してくれるのはありがたい。翻訳もできて、海外企業の情報収集に最適だ。

 

【その②】Bardeen

ウェブサイトに掲載されている情報や、LinkedInなどのSNSで発信された発言のなかから、特定のものを自動収集&データスクレイピングしてくれる。作業の自動化においては超強力なプラグインだ。

↑LinkedInの求人情報のなかからメタバースに関する職業の情報を自動でピックアップ。Googleスプレッドシートにまとめてもらう自動化ツール(プレイブック)を作成する

 

↑指定したGoogleスプレッドシートを開く。メタバース関連で募集している職種、企業名、勤務地、勤務形態と、求人情報の詳細が記されているLinkedInのリンクがまとめられていた

 

<ここが便利!>SNSの書き込みのスクレイピングに活用できる

「新店オープン」や「セール」など、特定のキーワードが含まれているTwitterやFacebookの書き込みも自動でスクレイピングできるのは便利。Googleメールの自動送受信など、メールの管理もしやすくなる。

 

【その③】Photorealistic

難解に感じる画像生成AIの英語プロンプトを、日本語の簡単なキーワードからでも作ってくれるプラグイン。公開当初はMidjourney専用とされていたが、Stable Diffusionでもプロンプトは利用可能。

↑“呪文”と揶揄される画像生成AIのプロンプトルールを覚える必要はない。生成してほしい画像を簡単な日本語で伝えるだけで、的確なプロンプトを2つ生成してくれる

 

↑生成されたプロンプトをMidjourneyのDiscordサーバーに入力すると、入力した内容とマッチした画像が生成される。理想のイメージと異なれば条件を変えて入力すれば良い

 

<ここが便利!>プレゼン資料のイメージ画像作成に最適

英語のプロンプト作成に悩む時間がなくなるので、プレゼン資料などに載せるイメージ画像作りにもってこい。Stable Diffu sionで使う際は、プロンプト末尾にある「–ar」以降のパラメーターを削除するのがポイント。