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2024/3/4 11:00

ASUS「Zenbook DUO」は2画面ノートPCだけど「普段通り使える」のが実は革新的

↑ASUS Zenbook DUO UX8406MA

 

昨今のスマホの世界では、「折りたたみ」がひとつのキーワードとなっています。現状は一部のハイエンドモデルに限られたユニークな機構という印象ではあるものの、いずれはこのスタイルが一般的になる可能性もあるかもしれません。

 

では、同じような折りたたみ機構がノートPCにも採用されたら? ASUSの「Zenbook DUO UX8406MA」(以下、Zenbook DUO)は、上下にディスプレイを持つ2画面のノートPCです。過去に紹介したLenovoの「Yoga Book 9i Gen 8」と同様のスタイルですね。

常識破りのノートPC! 2つのディスプレイを備えた「Yoga Book 9i Gen 8」は使いこなせるのか?

 

ASUSはこれまでにもDuoの名を持つノートPCを手掛けてきました。直近のモデル「Zenbook Pro 14 Duo OLED」はキーボード部分の上部に横長のディスプレイを備えていましたが、ついにキーボード部分までもディスプレイで覆うに至ったのが今回のモデル。ある意味で、真の意味のDuoの登場です。

ASUSのディスプレイ2枚搭載のノートPCどう使う?「Zenbook Pro 14 Duo OLED」はガジェット好きへの挑戦状だ

 

↑とても2画面を備えているとは思えない

 

慣れ親しんだ操作性も残した2画面ノートPC

さっそく、本機をチェックしていきましょう。個人的に驚いたのが、畳んだ状態だと一般的なノートPCとまったくおなじに見える点です。天板のデザインや質感がほかのZenbookシリーズと共通しており、この段階ではあくまでも普通のノートPCに見えています。

↑発色の良い有機ELディスプレイが飛び込んでくる

 

開いてみても、まだ普通のノートPCと同じ見た目です。Yoga Book 9i Gen 8はBluetooth接続のキーボードが付属されてはいるものの、開いてもキーボードは搭載されていないので、同じ2画面ノートの枠でもずいぶん異なるデザインといえます。

 

しかし、キーボード部分を持ち上げると……。

↑普通のノートPCではありえない動き!

 

↑キーボードを外した状態での運用も可能

 

この通り、上下2画面を持つユニークすぎるノートPCに早変わり! キーボードとトラックパッド部分をまるまる取り外せるようにしたのは注目すべき点です。逆に言うと、キーボード部分を取り付けた状態の操作性は一般的なノートPCとまったく同じ。慣れ親しんだ操作性が残っているのはありがたいですね。

↑マグネットの吸着力は高く、入力時にブレることもなし

 

キーボードはマグネットで固定&充電される仕組み。取り外した状態でもBluetoothでつながっているので、遠隔からのキー入力やトラックパッド操作も可能です。

↑持ち心地は一般的なノートPCと変わらない

 

キーボードを取り付けた状態での厚さは19.9mm、重量は約1.65Kg(キーボードなしの状態では約1.35kg)。2つのディスプレイを備えたデバイスとしては軽量と呼べるでしょう。

↑大きな排気口が頼もしい

 

写真上は本体右側面で、HDMI端子と3.5mmヘッドホン端子を搭載。写真下は本体左側面で、USB 3.2 Gen1、Thunderbolt 4端子×2を搭載します。キーボード単体にも充電用のUSB Type-C端子が備わっています。

 

「普通」に使える、大画面体験

2画面ノートPCということで、Yoga Book 9i Gen 8のように下画面(セカンドスクリーン)に仮想キーボードや仮想トラックパッドを表示させて、物理キーボードなしでの操作も可能です。

↑タッチ感は滑らかで、タブレットのよう。フリック入力ができればもっと便利かも

 

物理キーボードを外し、6本指で画面をタッチするとキーボードが登場。ディスプレイの品質は上下同じで、14インチの有機EL。2880×1800ドットのグレア仕様、リフレッシュレート120Hzとなっています。

↑上段に仮想ファンクションキーを表示することもできる

 

キーボードを上方向にスワイプすると、仮想トラックパッドも登場します。さすがに物理キーボードほど快適な入力性ではないものの、検索ボックスへの入力やチャットアプリへの返信程度であれば問題なし。

 

とはいえ、本機は物理キーボードを装着した状態で一般的なノートPCとして使っても問題ありません。わざわざ仮想キーボードを使う場面、すなわち物理キーボードが手元にない状態があるとすれば、荷物を減らしたいときかセカンドスクリーンでの情報表示を活用したいときでしょう。

↑ディスプレイを余すところなく使える

 

大画面での情報表示を味わいたいならこの「デュアルスクリーンモード」がオススメ。上下2画面はもちろん、Bluetoothでつながった物理キーボードがとにかく快適。キーやトラックパッドがノートPCと同じ位置にあるから、操作性も違和感がないんです。上画面に資料や動画を表示しつつ下画面で文書を作成する、なんて使い方も。

↑ヒンジは40〜70度の角度で調整可能。とはいえ角度が浅すぎると転倒の危険が

 

本体がキックスタンドを内蔵している点も、外付けのスタンドが必要なYoga Book 9i Gen 8と異なる点。外部パーツなしに自立させられるのはやっぱり便利です。

↑2画面ノートを使うならぜひやってみたい構成

 

たとえばこんな使い方も。デュアルスクリーンモードの本体をラップトップスタンドに設置しつつ、本体のHDMIから外部ディスプレイに接続。外部ディスプレイは1枚なのに、贅沢なトリプルディスプレイ環境が構築できちゃいます。

↑縦表示になるため帳簿など入力にも重宝しそう

 

もうひとつのスタイルはディスプレイを横配置した「デスクトップモード」で、2画面合計で19.8インチのディスプレイとして使えます。Yoga Book 9i Gen 8と違いディスプレイのヒンジ部分に段差があるものの、真正面から見る分にはあまり気になりません。同じ2画面ノートといえど、細やかな部分に差異が見られますね。

↑付属のAsus Pen 2.0を使ったお絵かきにも向いたスタイル

 

さらに、ぺたんと180度展開し、上下画面をミラーリングすれば「共有モード」に。対面の人に資料を見せる際には重宝し、ビジネスシーンでの活躍が期待できそうです。

 

縦置きや横置き、180度展開など、同じ2画面ノートであるYoga Book 9i Gen 8と近い体験がありました。一方で大きく異なるのは、キックスタンドの有無と物理キーボード。特に物理キーボードは装着状態でも取り外した状態でも使いやすいインターフェースでした。やはり慣れ親しんだデバイスは使いやすい……。

 

2画面ノートの新機軸となるか

↑天面のデザインはZenbookシリーズそのもの。あくまでノートPCの延長としての2画面性を感じた

 

キーボード部分をディスプレイにした、2画面ノートPCはやはり新しい存在。と同時に、今までのノートPCと変わらない生産性も求めたい。最新のZenbook DUOは、これら2つを高いレベルで融合させています。スペックも意外と高く、贅沢なハイエンドノートとして見ることもできますね。

 

ユーザーにとってどのような2画面体験がなじみやすいのか、これからさらなる探求が始まっていくでしょう。スマホだけでなく、ノートPCにも2画面の波がやってきつつあります。

 

製品名:Zenbook DUO UX8406MA

CPU:インテル Core Ultra 9 プロセッサー 185H

メモリー:32GB

ストレージ:1TB SSD (NVMe接続/M.2)

本体サイズ:幅約313.5×奥行き217.9×高さ14.6~19.9mm

価格:34万9800円(税込)

 

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