エンタメ
2017/12/10 18:11

ドラマや映画で女性が「ハッ」とするシーンとは? モテたいなら“生活力”を上げるべし!

覗けば深い女のトンネルとは? 第52回「男性は“生活力”にもっと注目すべき」

 

男性はロマンチストだとか言いますが、本当だなあとよく思います。

 

女性にモテたいなら、家事能力を上げることだと思うんです。女は現実的だとか言いますが、和久井の恋愛基準は「ひとり暮らしをしていて家事能力の高い男性」だったりします。だけど、意外とそうした「生活力」に注目しない男性が多いことに驚かされます。

 

「家事のできない男性をどう思う?」と周囲の女性たちに聞いて回ったことがあります。すると、「うわっ嫌だ!」と汚いものを見るかのような人がけっこういました。

 

「生活する」って、日々の細やかなことに気を配るってことです。だから家事力なしに「気遣いのできる男性」になるのは不可能に近いんです。それは和久井が実家に暮らしていたころに、どれほど自分に家事力がなかったかを思い返すとわかります。

 

タオルが洗いたてなことも、冷蔵庫に食材が詰まっていることも、電気も水道もガスも、当たり前にあるだけで、深く考えたことがありませんでした。それが実家を出たとき、トイレがすぐに汚れることにも、すぐに洗濯物がいっぱいになることにも驚きました。洗濯物がどのくらいの時間で乾くものかも知らなかったし「久しぶりに晴れるから洗濯しなきゃ」なんて考えもしなかった。食材の相場も、冷蔵庫の食材を管理するのがどれだけ大変かも知らなかった。

 

以前、お見合いをしたときのこと。

 

相手は郊外にひとり暮らしをしている男性でしたが、そのお母さんが「週1で世話をしに行っているが、そろそろ結婚してくれると、家事から解放されて助かるわ」と言っていたんです。

 

仲介してくれたお見合いおばさんは「いまの時代、女性が働くのは当たり前」と言っていたので、ってことはその人と結婚したら、家事全部やって仕事して、フル回転しなきゃいけないってことですよね。ものすごく大変そう!

 

また、ドラマや映画もそういう視点で見ていくと、めちゃくちゃ気になるシーンが出てきます。

 

ご飯を食べ終わって、そのまんま席を立つ子どもたちや男性キャラの多いこと! 「皿を流しに持っていくくらいしようよ!」と思います。

 

「海街diary」の映画で、こんなシーンがありました。看護師の女性が、不倫中の医師の家で食事をする映画独自のシーンです。女性がガチャガチャご飯を作ってる最中、医師は手伝うどころか新聞かなんか読んでるんです。「不倫男が何を偉そうにしてるんだ!」と、イライラしてしまいました。で、当たり前のように作ってもらったご飯を食べながら、次のデートをキャンセルするとか言い出すんです。もう「なんでこんなクソ男と付き合ってるんだ?」という気持ちになってしまった。

 

日常的に家事をしていないと、小さな生活感のリアルに気がつかないのでしょう。でも見てる側としては、そこに引っかかっちゃって、話に集中できないことがよくあります。

 

一方で「仮面ライダー555」はよかった。半田健人くんが、貧血を起こして倒れた女子をお姫様だっこしてベッドへ連れて行き、スープを作ってきてフーフーしてから飲ませてくれるシーンがありました。これ、お母さん向けのサービスかもしれませんが、こういうさりげない啓蒙活動に幼少のころから親しんで育った少年は、将来有望なんじゃないかと心ふるえたものです。

 

少女マンガでも、家事一般できる男子がけっこう出てきます。そもそも少女マンガは生活感のない話も多いんで、相対的には家事力高い男性キャラが登場する比率は高くはないんですが、「君つくる人、僕食べる人」なんて言ってる男性キャラは、読者の反感を買うので否定的に描かれることが多いです。

 

「CIPHER」(成田 美名子)は、双子の兄弟の葛藤と自立を描いた作品ですが、彼らは2人暮らしをしていて、普通にご飯作って掃除して「生活」しています。「銀のスプーン」(小沢真理)は、母親の入院をきっかけに弟妹のために家事をすることになった大学生男子のお話。西村しのぶさんは、年下の気の利くカワユイ男子たちと自立した大人の女との恋愛を描いて90年代にブレイクした作家さんですが、この男子たちの家事力の高さは月にも届きそうなほどです。軽くご飯を作ってくれるのは当たり前、美味しい手作りドリンクを用意したり、彫金やら縫い物やらまでこなして、とにかく生産力が高い。「ここまでできなくても……」と思うほどです。でも「稼ぐのは女のほう、気を配るのは男のほう」という住み分けが、社会進出しはじめた女の読者をメロメロにしたんです。

 

逆に生活のささやかな悩みを描いた作品もあります。「空の小鳥」(羽海野チカ)は、主人公が、家事をしてもらうことに疑問をもたない彼のことで悩む物語です。「カプチーノ」(吉住渉)は、家事をぜんぜんやらない同棲男が浮気をするというゲスな話です。家事労働の分担は社会問題でもありますが、女性向けの作品はこういうポイントをちゃんと取り上げているんですよね。

 

リアルなとこで言うと、先日、飲みに行った女性たちに夫婦円満の秘訣を聞いたところ、「やり過ぎないことですね」とバッサリでした。「世話を焼きすぎると相手はそれが当たり前だと思うもの。私は家事はほとんどやりません。いつ別れてもいいように、自分で働いて収入を確保しておくこと」だそうです。彼女たちは、家事をしないパートナーに悩むこともストレスもないのでしょう。

 

というわけで、女は稼ぐ力、男は家事力をつけることが、婚活成功、夫婦円満の鍵ということでしょうか。