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2018/3/1 0:08

「アニメディア」編集長が語る! 日本の洒脱な文豪たちとマッチする現代ヨコハマの風景【文豪ストレイドッグス】

「アニメディア」編集長の馬渕 悠さんが、人気アニメとその聖地を紹介する本企画。これまでにも「弱虫ペダル」や「けものフレンズ」などの聖地を紹介してくれました。今回は、世界的に有名な文豪をモチーフにしたキャラクターたちで話題となった「文豪ストレイドッグス」と、その舞台である横浜を取りあげます。映画の公開も控えている本作、この機会に聖地巡りをしてみてはいかがでしょうか。

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↑ヨコハマの都市を舞台に激闘を繰り広げる中島敦

 

前回は京都・大阪のメジャースポットの魅力を劇場版「名探偵コナン」を通して再確認しようというものでした。過去2回が関西国際空港近辺のスポットでしたので、今回は成田国際空港からすぐに行けるメジャーなアニメスポットを紹介していきたいと思います。

 

2013年からマンガの連載がスタートし、2016年のTVアニメ化を経て若年層のアニメ・マンガファンから絶大な支持を集める人気作となった「文豪ストレイドッグス」。今年3月には初の劇場アニメ「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)」が公開されます。中島 敦、太宰 治、国木田独歩、福沢諭吉、芥川龍之介、中原中也、森 鷗外など世界的にも有名な“文豪”と同じ名前や誕生日、特徴を持ったキャラクターたちが、それぞれの著作の名を冠した異能力を駆使して架空の都市・ヨコハマを舞台に激闘を繰り広げる作品です。

 

そう、本作の舞台のモデルとなっているのは神奈川県横浜市。アニメのTVシリーズ本編だけを観ても、実にたくさんの横浜市のメジャースポットが描かれています。横浜中華街、山下公園、元町商店街、コスモワールド、赤レンガ倉庫、日本大通り、はては鶴見川と本当にさまざまなスポットに巡り合うことができます。「カウボーイビバップ 天国の扉」や「鋼の錬金術師」など数々の名作アニメを制作し、世界のアニメファンも注目するアニメスタジオ・ボンズが作り出す本編映像は、もちろん風景美にも力が入っており、劇中に出てくるヨコハマのスポットを眺めているだけでも作品を堪能することができます。

 

横浜は観光スポットとしても非常にオススメの都市です。きれいな都市の街並みという景観がありつつ、海や丘などの自然とも一体化している横浜は、日本だけでなく世界の人々に親しんでいただけるポテンシャルを多分に秘めています。大手旅行口コミサイトなどで、海外から日本にやってくる“旅人”から評価していただいている日本の観光スポットは、和の情緒あふれる寺院のほかに新宿御苑などの自然に満ちたスポットも多いそうです。山下公園、港の見える丘公園、三溪園などがある横浜もきっと好きになってくれるでしょう。

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本作の舞台がヨコハマになったのは、原作の作画担当である春河35さんが横浜出身だったからとのことですが、横浜は今も昔もどこか異国風情を醸し出し、とくに幕末・明治・大正時代、すなわち文豪たちが実際に生きていた時代に誕生し、文化の最先端を歩んでいたオシャレな都市であるわけですから、本作のキャラクターたちとの相性は抜群な感じがします。現に元町商店街や横浜中華街の原型ができたのは幕末ですし、山下公園が造られるきっかけとなったのは大正時代に起きた関東大震災の復興施策でした。(山下公園は埋立地で、そこに埋めたのは震災で大量に発生したがれきであることはあまり知られていません)。

 

話はずれますが、筆者は千葉県千葉市出身でありながら大学は横浜で、なんと毎日1都2県をまたいで電車通学をしていました。大学の講義が午前中に片付いてしまった日には、横浜中華街に繰り出してリーズナブルな中華粥で腹を満たし(あまりお金は持ってなかったので)、近くの雑貨店を巡って、ちょっと疲れたら山下公園や大桟橋に行ってベンチで本を読んで、夕方には黄金町の古びた映画館へ……みたいな感じで、学生にしかできないプチ文学・映画散歩をしていました。そんな自分にとっては、本作で描かれているヨコハマの街並みは「第2の故郷」まで言ってしまうと大げさかもしれませんが、「芋粥」という著作があり、神奈川を舞台にした作品をいくつも書いている芥川龍之介にどこかシンパシーを抱いてしまいます(史実の芥川は鎌倉、鵠沼、横須賀、湯河原などで生活していました)。

 

映画「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)」でも、中島、太宰、芥川、中原らがヨコハマを舞台に大活躍を繰り広げるそうです。実世界の横浜にもたくさん映画館がございますので(横浜ブルク13、TOHOシネマズ ららぽーと横浜など)、ぜひ映画本編をご覧いただきホットな映像を目に焼き付けつつ、横浜観光をしてみてはいかがでしょうか。

 

そして、本作を通じて日本の文豪に興味を持っていただいたという方は、舞台の横浜だけでなく、各文豪の展示がある文学館や記念館、生家、墓地などを訪ねてみるのもオススメいたします。東京近郊で言うと、田端文士村記念館、神奈川近代文学館、さいたま文学館、太宰 治と森 鴎外の墓地がある禅林寺などが挙げられます。また、関西にはなりますが、大阪府堺市にある与謝野晶子記念館(さかい利晶の杜)では、本作とのコラボキャンペーンを実施中(4月15日まで)。文豪たちにゆかりのあるスポットでは彼らの内面や人生について深く知ることができますので、ある種、本作のもうひとつの“聖地”と言ってもいいかもしれません。彼らの生き方や著作に触れてみると楽しさも倍増することと思います。

 

そして前回の「名探偵コナン」でも願望を書かせてもらいましたが、ぜひ本作のキャラクターもワールドワイドに活躍する姿も見てみたいですね。中華街などのヨコハマの洒脱(しゃだつ)な風景になじんでいた文豪たちならば、21世紀の近未来都市・ホンコンやタイペイなどもヨコハマと同じく非常にマッチしていると思いますし、SNS映えだってしちゃいそう!? もし、海外にお越しになる際は、優雅な客船もいいですが、決して裕福とは言えない文豪のみなさまには、リーズナブルで快適なLCCでのトラベルもオススメしたいところです。

 

映画

『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)』

3月3日より全国劇場で公開

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【著者プロフィール】

馬渕悠さん……見て、読んで、飾って、参加できる、4倍楽しめるアニメ情報誌『アニメディア』編集長

 

※本記事は航空会社・バニラエアの機内誌「バニラプレス 2018年3-2018年5月号」に掲載された内容の転載になります

 

© 2018 朝霧カフカ・春河35/KADOKAWA/文豪ストレイドッグスDA製作委員会