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2018/11/27 21:00

仕事に疲れたアナタに――働く人のための「ワークソング」プレイリスト10曲

11月23日は「勤労感謝の日」でしたが、この日は元々は稲の収穫を祝い、次の年の豊穣を祈願する儀式「新嘗祭(にいなめさい)」に端を発していたもの。いまではその意味合いもニュアンスも異なっていますが、1年の勤労を尊ぶということには変わりないのではないでしょうか。

 

ということで、今回は勤労にかけて労働讃歌なる視点で数ある「ワーク・ソング」を取りあげてみたいと思います。曲の流れが少々強引なつながりがあったり、解釈が無理やりなものもあったりしますが、そこは穏便に見逃してください。

 

「Spotify」アプリをダウンロードすれば有料会員でなくても試聴ができますので、明日の仕事への活力となるBGMとして、元気と勇気をチャージしていただければうれしいです。

 

【「ワーク・ソング」プレイリスト10曲】

01.ワーク・ソング/八代亜紀
(2017年10月11日リリース)

2012年に元ピチカート・ファイヴの小西康陽プロデュースで初のジャズ・アルバム「夜のアルバム」をリリースし、新境地を開いた演歌の女王・八代亜紀。2017年には再び小西康陽とタッグを組み、続編ともいえる第2弾「夜のつづき」を発表します。ここで労働哀歌の名曲「ワーク・ソング」を渾身のカバー。クールにスウィングするビッグバンドジャズと、パンチのある彼女の歌声との拮抗がゾクゾクする最高の仕上がり。この「ワーク・ソング」には数々のカバー楽曲が存在しますが、本作は強制労働に従事させられた囚人の哀歌を歌ったジャズ・シンガーのオスカー・ブラウン・Jrのバージョンをモチーフにしています。

 

02.労働讃歌/ももいろクローバーZ
(2011年11月23日リリース)

7年前の勤労感謝の日にリリースされた彼女たちの6枚目となるシングル。注目すべきはとにかくファンキーなサウンドメイク。太いブラスセクションと跳ねるリズムが織りなすまさに「レア・グルーヴ」な格好よさ! B-BOYのテーマとして知られるインクレディブル・ボンゴ・バンドの大ネタ「Apatch(アパッチ)」を下地にした楽曲構成にまずしびれます。そして数々のヒップホップの楽曲でサンプリングされたデニス・コフィの「スコーピオ」をモチーフにしたと思しき印象的なギターフレーズ。わかってる引用にヒップホップやレア・グルーヴ好きの間で話題にもなりました。挑戦的な歌詞は大槻ケンヂによるもの。ガッツあふれる汗臭い歌世界が喝を入れてくれます。

 

03.ガッツだぜ!!/ウルフルズ
(1995年12月6日リリース)

ダンスミュージックの「四つ打ち」の概念をバンドサウンドに取り入れた、ウルフルズ流ダンスミュージックの傑作。当時、小室哲哉がホストを務めていた音楽番組「TK MUSIC CLAMP」(フジテレビ系)にトータス松本が出演した際に、小室氏がヒントを与えたことでこの曲が生まれるきっかけともなったのは有名な話。タイトかつグルーヴィーに刻まれるリズム、ワウ・ギターやカッティング・ギターのディスコ的エッセンス、そしてソウルフルな歌声と完璧! ちょっとHな側面もあり、決して労働讃歌ではありませんが、超ポジティブな「パワフル魂」で仕事の場面でもパワーソングとしてきっと機能することでしょう。

 

04.勇気のしるし〜リゲインのテーマ〜/牛若丸三郎太
(1989年11月22日リリース)

俳優の時任三郎が牛若丸三郎太名義で発表したジャパニーズ・ビジネスマンに向けた応援歌。元は三共(現・第一三共ヘルスケア)の栄養ドリンク「リゲイン」のCMソングで、 映像では本人自らがCMキャラクターの牛若丸三郎太に扮して歌っていました。「有給休暇に希望をのせて」「年収アップに希望をのせて」と、今も変わらぬサラリーマンの心の叫びをコミカルに描いています。バブル時代のイケイケの風潮があったからこそ、リアルに響いた「24時間戦えますか?」のフレーズがとにかく流行りました。いまではどこかブラック企業讃歌にも聴こえてしまうのが、少々残念でもありますが。

 

05.HURRY FOR WORKING LOVERS/小室哲哉
(1989年12月9日リリース)

小室哲哉の初となるソロ・アルバム「Digitalian in eating breakfast」に収録された1曲。きらびやかなバブル時代を背景に、日々忙しく働く男女カップルの限られた時間の中での恋愛絵巻をトレンディに描いています。仕事にまつわる負の要素は一切なく、忙しく働くことのオーバーワークの美学が見て取れます。当時のおそらく最先端であったデジタルビートにアルトサックスが絡む展開は、まさしくこの時代(1989年)ならではのもの。夢のシンセサイザーともいわれていた、モンスター・マシーン「シンクラヴィア」が全編にわたって使用されていることで大きな話題を呼びました。

 

06.She Works Hard For The Money/ドナ・サマー
(1983年10月31日リリース)

1983年にスマッシュ・ヒットしたディスコの女王のシングル曲。タイトルの「彼女は生活のために一生懸命に働く」の通り、長時間にわたって必要以上に働かざるを得ない女性たちを題材にしており、女性の労働条件における格差に踏み込みつつ、シングルマザーの現状を描いた社会的なメッセージソングでもあります。何かと労働に関する諸条件の問題がニュースになってしまう昨今。いまの時代に聴くと、よりリアリティを持って響いてくるのではないでしょうか。アメリカのビルボード誌のシングルチャートで最高3位を記録。邦題はなぜか「情熱物語」でした。

 

07.Workin’ Day And Night/マイケル・ジャクソン
(1979年8月10日リリース)

弱冠20歳のマイケル・ジャクソンが世界的なアーティストとして、確固たる地位を築いた名作「オフ・ザ・ウォール」に収録されたナンバー。働く歌ではありますが、厳密には「夫婦の義務」を揶揄したある意味でのワーク・ソングということでご容赦をば。「君は僕を昼も夜も働かせるんだね」との秀逸な歌詞に頷く方もいらっしゃるのでは? 同じフレーズの繰り返しで最後まで引っ張るシンプルな構成は、後の「ビリー・ジーン」にも通ずるものがありますが、エモーショナルで個性的な歌声があるからこそ成立できたといえます。印象的なベースラインはソウル/ファンク・ユニットのザ・ブラザーズ・ジョンソンのルイス・ジョンソンによるもの。後にマイケルのモンスター・アルバム「スリラー」からのシングル「ビリー・ジーン」や「スリラー」で有名なベースラインを弾くことになります。

 

08.闘え!サラリーマン/ケツメイシ
(2010年11月17日リリース)

ケツメイシにとって20枚目という節目にあたる記念すべきシングル。いまも昔も変わることのない、日本のサラリーマンのあるあるを描いた究極の応援ソング。会社員にまつわる古典的なキーワードをちりばめ、陽気なスカのリズムに乗せて「頑張れ オレ!」と嫌なこともスカッと笑い飛ばす。「社会はオレ達が回してんだ!」と闘う企業戦士を自負しながら、前述した「勇気のしるし」とは真逆の「24時間闘えません!!」と宣言しているあたりが笑えます。中盤以降のRYOJIのラップパートにこそ、サラリーマンならではの悲喜こもごもが盛り込まれているような気がします。

 

09.おつかれさまの国/斉藤和義
(2008年12月3日リリース)

社会に出ると頻繁に使う掛け合い言葉「おつかれさまです」、TPOに合わせて色々な使い道ができる不思議な言葉「おつかれさまです」。この言葉を発する人が、今抱えているであろう本当の心情が静かに浮かび上がってきます。仕事終わりに聴くと、今日も頑張ったなあとジワジワと染みてくるかもしれません。ちなみに、栄養ドリンク「アリナミン」のCMソングとして話題を呼び、のちにシングル化要望の反響の大きさもあってシングルリリースされました。オリジナル・アルバムやコンセプト・アルバムには長らく未収録でしたが、今年の夏にリリースされたベストアルバム「歌うたい25 SINGLES BEST 2008〜2017」にようやく初収録となりました。

 

10.すばらしい日々/ユニコーン
(1993年4月21日リリース)

昨年にバンド結成30周年を迎えた人気ロックバンドが、93年9月の解散前(現在は再結成して活動中)に発表したラスト・シングル。バンド解散がすでに決まっていた段階で作られた曲ということで、さまざまな憶測や解釈が行間から読める作品となっています。歌詞には明確に記されていませんが、日々の生活=仕事に追われてなかなか昔の仲間と出会うことができない僕ら。一生懸命働く僕ら大人に向けて、逃げるのではなく現実と向き合う大切さ、素晴らしさをたたえているようにも映ります。ユニコーンのファンのあいだでも非常に人気の高い楽曲で、Spotifyでも試聴回数が1番多かったりします。

 

働く人の応援歌は、洋楽邦楽問わずまだまだたくさん「Spotify」に存在しますので、皆さんの背中を押してくれるお気に入りのあの曲、この曲をぜひ見つけてください!