エンタメ
2016/8/14 14:00

【夏はホラー】独りで見ても大丈夫! 「残穢-住んではいけない部屋ー」はジワジワくる怖さが新鮮

”私”(竹内結子)はホラー作家。ある日、読者からの投稿を元にした実話怪談を連載している雑誌に女子大生の久保さん(橋本 愛)が、現在進行形の怪異についての手紙を送ってきたことから物語は始まります。

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(C)2016「残穢 住んではいけない部屋」製作委員会

 

久保さんが一人暮らしをしている築10年のマンションには”何か”がいるとのこと。1年前から住んでいる202号では帯のようなものを引きずる嫌な音がひんぱんにするし、隣の201号室はただのいたずらとは思えない怪電話がかかってくるせいで、住人がノイローゼになり数ヶ月で退居。そのうえ”私”の元に2年前、同じマンションの405号室の住人から「幼い娘が首吊り自殺の霊を見る」という手紙が届いていた偶然まで……。さらに調べを進めると、久保さんが住む202号室に以前4ヶ月だけ住んでいた青年は、入居と同時期に一気に生気がなくなり、退去後に自殺していたというヘビー過ぎる事実が発覚。

 

どうやら個々の部屋ではなくマンションそのものに霊障が起きているようなのです。ただ、新築以来10年、特にトラブルもなく、いわゆる“大島てる”的事故物件ではないとのこと……ならば土地に問題があるのでは? と、俄然興味を持った”私”と久保さん(大学ではミステリー研究会に入っているという設定)は、マンションが建っている土地の因縁を、登記簿や古地図、近隣住民や菩提寺へのヒヤリングといったさまざまな手段を使って本格的に調べてみることに。すると出るわ出るわ、ゴミ屋敷、腐乱死体、家庭内暴力、自殺、嬰児殺しといった黒歴史の数々! そして明治時代には、そこに座敷牢を備えていたという吉兼家の屋敷が建っていたことまで突きとめます。座敷牢とは、精神などを病んだ家族を世間に知られないように幽閉しておくための忌まわしい部屋。そんな人間がたびたび出てしまうのも、そこが”穢れた土地”だったからなのでした。

(C)2016「残穢 住んではいけない部屋」製作委員会
(C)2016「残穢 住んではいけない部屋」製作委員会

ではなぜこの土地が穢れてしまったのか? オカルトマニアの間では有名な北九州の「奥山怪談」の発祥元、奥山家にその原因がありました。吉兼家の後妻が奥山家の娘という関係なのですが、何代にも亘って奥山家の縁者が呪われることになってしまった、忌まわしい事件とは!?

 

登場人物が絶叫することも、心臓が止まりそうなギミックもほぼ無く、淡々と進む”ハートに優しい”恐怖映画なので安心(?)して見られます。謎解きの要素もたっぷりで、次々と明らかになる事実にちょっとワクワクしたりと、真夜中の単独鑑賞もほぼ無問題(あくまでも個人の感想です)!?

 

ただ見終わったあと、我が身に置き換えて「ところで、いま自分が住んでいる家って……大丈夫なのかな?」と考えると、むしろ怖さが後からボディブローのようにジワ〜っと効いてくるので、新しいタイプのホラー映画といっていいかもしれません。

 

個人的には、明朗快活なホラー作家・平山夢明センセイがモデルと思われる平岡芳明(佐々木蔵之介)という作家が出てきたのがツボでした。ご本人と同じ明るいキャラなので、おどろおどろしい雰囲気を壊してしまいそうですが、笑いながら鬼畜話をするような人間が一番恐ろしいということで、ある意味正解(笑)! クレジットには怪談専門誌「幽」(KADOKAWA)の名前もあって、本格怪談好きにも嬉しいところです。

 

しかし、そもそも国土が狭いうえ、天災や戦争で何回も大量の死者を出している我が国。実際、筆者が以前住んでいた東京の渋谷区某所にある公園は、関東大震災時には遺体置き場になっていたとかで幽霊が出るという話をよく聞いていました、それだけに”私”の夫のセリフ「この世に問題のない場所なんてなくなっちゃうだろう」がやたら生々しく響きます。そして物語も、逃げ場のないまま恐ろしいラストを迎えてしまうわけですが……。

 

さて、現実的には何代も遡って調べるわけにもいかないわけで、運悪く穢れた部屋を借りてしまった場合は、筆者の知人のエピソードを参考にしようと思っています。

 

引っ越し初日から”何か”が部屋中を歩き回るため、怖さと音で眠れない夜が続いた知人。ある夜とうとう「あんたもここに住むなら、家賃を払えっ!」と”何か”に向かって大声でキレたそうです。すると気配は消え、以降は怪現象に悩まされることもなくなったとか。いわく「生きている人気のパワーが勝った」とのことですが、「家賃を払え」がポイントのような気がします。地獄の沙汰も金次第というわけで!?

 

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