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2021/5/17 16:33

The Songbards、yonige牛丸熱演! イヤホンブランド「NUARL」主催の配信ライブレポート

イヤホン・ヘッドホンブランド「NUARL」を展開するエム・ティ・アイは5月17日、無料配信ライブ「BACK TO STAGE ONLINE LIVE」のアーカイブ映像を公開しました。

 

 

【ライブフォト一覧】※画像をタップすると拡大表示できます。一部SNSからは表示できません。

photo by 古溪 一道

 

「BACK TO STAGE ONLINE LIVE」は、コロナ禍の影響により大きな打撃を受けた音楽業界への貢献を目的として展開されるもので、ミュージシャンのスペシャルライブやインタビューの配信などを実施しています。以下、ライブレポートになります。

 

音楽と音楽を愛する人々を結びつけるイヤホン・ヘッドホンブランド「NUARL」がコロナ禍で厳しい状況にあるミュージシャンや音楽ファンを応援し、生の音楽に熱狂した日常とその喜びを想い出して欲しいと願って企画されたイベント「BACK TO STAGE ONLINE LIVE」が5月11日に開催。yonigeの牛丸ありさとThe Songbardsのライヴが東京・下北沢のLIVE HAUSから生配信された。

 

LIVE HAUSは昨年8月にオープン。アーティストやファンが共に音楽を作り上げていくかけがえのない場所でありながら、苦境の真っ只中にあるライブハウスもサポートしたいという思いもあり、3度にわたる緊急事態宣言によって厳しい状況にあるライブハウスで配信することを選んだのだろう。

 

フロアから手を伸ばせばステージのアーティストに届くほどアットホームな店内に色とりどりの花の鉢植えと温かい光を灯したキャンドルが運び込まれ、ステージを囲む。さながらオアシスの名曲「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」のジャケットのようで、これから何か特別な時間が訪れることを予感させた。

 

スタートの20時ちょうどに牛丸がステージに登場。アコースティック・ギターだけを手にして、「こんばんは、牛丸ありさです。よろしくお願いします」と短く告げ、「センチメンタルシスター」のイントロを奏で出していく。

 

原曲のノイジーでポップなサウンドとは打って変わった、自分自身に語りかけているような内省的な弾き語りは、曲の世界観の裏側を覗き見るようで、シンガー・ソングライター牛丸ありさの魅力を浮かび上がらせる。

 

続く「しがないふたり」もインディーズ時代の楽曲。メジャーという大きな舞台に場所を移した彼女がかつての自分と向き合いながら、丁寧に愛おしむように歌い上げる。YouTubeのチャットもどんどん書き込みが増えていき、画面を通してファンの熱量も上がっていった。

 

一音一音を確かめながら楽曲の心象風景をすくい上げていったこの日の牛丸の演奏は、リアルな体験や心情をキャッチーなオルタナティヴ・ロック・サウンドと共に届けるyonigeとは対極にありながらも、シンプルなアレンジと演奏だからこそ楽曲の深部にある思いが伝わってくるようだった。ラストは「トラック」。内にある感情を抑えるように歌い終えた後、少し息を吐き出してから現実の世界へ戻ってきた牛丸の表情がとても印象的だった。

 

「yonigeのステージではあまりやれていなくて、弾き語りで映えそうな曲を選びました。今日は画面越しに演奏を届けましたが、同じ空間で音楽を楽しめる日が一日も早く戻ってくることを願っています」

 

ライブ終了後、「MCもした方がよかったかな」とコメントしてくれた牛丸ありさ。彼女の新たな一面と魅力が伝わるような配信となりました。そんな配信の様子はこちら。

 

 

続いて登場したのは神戸出身で、2019年にメジャー・デビューを果たしたThe Songbards。彼らもまたデビュー後のツアーを新型コロナウイルスのために中止せざるを得なくなり、思うような活動ができずにいた。自分たちの音楽を必要としてくれている人たちに届けたいという一心で人数を制限してのライヴや配信を行いながら、途切れることなく活動を続けてきた彼らの思いが、1曲目の「雨に唄えば」からあふれ出ていた。

 

みずみずしい演奏から4人で音を出せる喜びや楽しさが伝わってくるようで、チャットでも彼らへの感謝の言葉が並んでいた。2曲目「悪魔のささやき」は、上野とギター&ヴォーカルの松原有志が織りなすツインギターの掛け合いが印象的な楽曲。The Songbardsが愛するUKロックの香りが漂いつつもエヴァーグリーンなメロディがライヴの熱気を加速させる。3曲目はせつないメロディで心を締め付けるような郷愁を誘う「街」。続く「窓に射す光のように」ではメンバー全員の息の合ったコーラスワークも披露。上野と松原ふたりによるソングライティングの幅を感じることのできる美しい詩が心地良く胸に響く。

 

そして、疾走感溢れる「Inner Lights」から「夏の重力」へと叩き込むようにラストへ。キラキラとした甘酸っぱいギター・ポップを振りまき、全力疾走でライヴを締めくくった。「観客のいない配信でしたが、とても良い雰囲気に包まれながら演奏できたと思います。久々に『街』も演奏できて、原点に立ち返ったような気分にもなれました」と、終演後に清々しい表情で話してくれた上野。「今日の演奏を見てファンになってくれた人たちと会える日を楽しみにしていたい」と語る松原からも前へ向かって進もうとしている気持ちが伝わってきた。

 

まだまだ厳しい状況が続くかもしれない。しかし、この2組のライブが見せてくれた「音楽の持つ力」を信じて、リアルなライブを楽しめる日が戻ってくることを心待ちにしていたい。

 

The Songbardsの配信はこちらからチェックできます。

アーカイブ映像の公開は5月20日まで。期間が短いので、気になる人は早めにチェックしてみましょう。