エンタメ
2021/9/10 18:30

【対談】人気コスプレイヤー伊織もえ「印刷・同人愛」を語る! 印刷あるあるマンガ『印刷ボーイズに花束を』作者・奈良裕己と熱烈トーク

毎週火曜22時〜InterFM879で放送されている『伊織もえのCHUCHUチューズデイ~夜ふかしラジオ~』に、9月7日『印刷ボーイズに花束を』の著者である奈良裕己さんが出演しました。この日のメッセージテーマは「あるあるネタ」ということで、コスプレイヤーとして同人誌を作っていた経験のある伊織もえさんと、印刷あるあるで盛り上がった番組となりました。

 

伊織もえ/ゆるふわマシュマロボディとキュートなルックスがギャップの人気コスプレイヤー。これまで自身で印刷にこだわった同人グラビア写真集も手掛ける。このたび2nd写真集「内緒話」が、10月1日(金)に発売

 

奈良裕己/マンガ家・イラストレーター 。印刷会社、広告制作会社の営業マンを経て2012年に独立。以降、イラスト・マンガの創作を中心に、雑誌・書籍・WEB・テレビ等ジャンルや媒体を問わず幅広く活動中。著書に『いとしの印刷ボーイズ』(2018年)、第2弾『印刷ボーイズは二度死ぬ』(2019年)、本書は第3弾となる

 

いおりんは、写真集に自分で赤字を入れていた!

自身でも同人でのグラビア写真集を制作した経験のある「いおりん」こと、人気コスプレイヤーの伊織もえさん。番組内でも印刷のこだわりをたっぷりと語ってくれました。『印刷ボーイズに花束を』の表紙の赤字を見て、「私も赤丸つけて、水着の上のゴミを取るとか、レタッチャーさんに指示したことあります!」と語ってくれ、奈良さんも「詳しいですね!」と、驚いていました。

 

↑番組でも話題にあがった『印刷ボーイズに花束を』カバー

 

他にも、奈良さんが印刷会社で営業をしていたことから現役サラリーマン時代の印刷あるある話や、レタッチャーさんが某有名人の「ほくろ」を消してしまった事件のこと(既刊『いとしの印刷ボーイズ』にも同エピソードを元にしたお話が掲載)、銀座にある中村活字さんで活版名刺を作ったら仕事運がアップした! なんてエピソードをたっぷり30分ほど話しました。

 

↑『印刷ボーイズに花束を』では、中村活字さんへの取材を基にしたエピソードも収録。奈良さんが作った名刺もちらりと写っています

 

↑活版印刷にまつわるエピソードは、驚く情報ばかり

 

1時間の生放送番組でしたが、リスナーとしては本当にあっという間! Twitterでも「今週も神回!!」「聞き入ってしまった」「興味深い話!」など大変盛り上がっていて、タイムラインを追うのもとても楽しかったです。ちなみに関東圏内の方は、『radiko』のタイムフリーなら1週間無料で聞くことができますので、今からでも聞いてみてくださいね。

『伊織もえのCHUCHUチューズデイ~夜ふかしラジオ~』

 

アフタートークで二人の「印刷愛」が炸裂!

今回はラジオの生放送終了後、オンラインにてアフタートークをいただくことができました! ここだけで読める! アフタートークの内容をお届けします。

 

↑オンラインで対談取材させていただきました

 

伊織もえさん(以下、伊織):奈良さん! 本日は、ラジオにご出演いただき、本当にありがとうございました。

 

奈良裕己さん(以下、奈良):こちらこそ。とても楽しかったです。伊織さんは同人でも写真集を出されているってお話されていましたけど、どれくらい作っていたんですか?

 

伊織:個人だと写真集80ページとか出したことがあります。コミケに出す分と通販分で総量1トンとかになっていたこともあって……。

 

奈良:ええ! それはすごい。ラジオでも「色校(※)」なんてワードも出てきたので、びっくりして(笑)とても嬉しかったです。

(※)「色校正」のこと。印刷した状態で、色指定の通りに色が出ているかを確認する作業。

 

↑『印刷ボーイズに花束を』より、緊張の色校チェックシーン

 

――伊織さんは10月に写真集を出版されますが、お二人が「写真集」や「グラビア」で気にしているポイントを教えていただけますか?

 

伊織:写真集でまず最初に目にするのが表紙ですよね。なので表紙の雰囲気で、タレントさんを知らなくても「この構図いいな…」「タイトルと表紙とのマッチングが最高!」とか思ったら“表紙買い”しちゃいます。あとは紙質かな? ツルツルしているのがいいな〜とか、手に持った時の重量感というか……。週刊誌は見ている分には楽しいけれど、紙が破れやすかったりするので、写真集って「質感」を大事にしている人多いと思うんですよね。

 

↑取材中、zoom画面での写りもチェックしてくれたいおりん

 

奈良:僕自身、グラビアはあまりやってこなかったんですが、クオリティがシビアになるもの多いですよね。僕の場合は、写真の出来以上に、紙の質や製本の仕方、あとは奥付を見て「あぁ〜この会社が刷ったんだ」とか見るのは結構気にしたりします(笑)。「あぁカメラマンさんはこの人なんだ」とかもついつい見ちゃうポイントかも。

 

伊織:「カメラマン誰だ」はめっちゃわかります! 私も細居幸次郎さんと乃木坂46のコラボだったら絶対買っちゃう(笑)。

 

――マニアックな話になってきましたね! 10月に発売される伊織さんの写真集『内緒話』の制作は、今どんな状況なのでしょうか?

 

伊織:ちょうど色校が終わったところですね。

 

奈良:色校のチェックってご本人がされるんですか?

 

伊織:します、します! 色校の前にも、印刷してもらったものを広い会議室の机にばぁ〜〜〜っと並べて、構成を考えるところからやりました。その段階で、いただいた写真を見て並び替えてから色校のチェックをしたところです。楽しかったですよ!

 

奈良:構成からやられるって結構珍しいような気がしますが、ご本人がされるんですね。

 

伊織:私は同人あがりなので、スタジオ、衣装、撮影の準備も全て自分でやっていました。なので、お願いしたカメラマンさんからいただいたデータのレタッチもほぼ自分でやっていたんですよ。さらに販売するのも自分だったので、トライ&エラーしながら溜め込んだノウハウを写真集でも発揮したいな! と思っています。撮影場所の背景や、気温によって写真の色味ってすごく変わってくるんですよね。例えば、青い部屋で撮影したら全体的に青っぽくなっちゃうし、グラビアって基本水着なので寒い時期とか「顔色悪い!」なんてこともあります。細かいんですけど、そういうのが気になっちゃって。

 

 

奈良:いやぁすごいですよ。ご自分でやられていたっていうのは強いですね。

 

伊織:もしかしたら出版社さんからしたら「こいつ、細かいぞ……」って思われちゃうかもしれないんですけど(笑)。でも本当、たくさんトライ&エラーしてたどり着いていたのが「今」なので、その感覚は大事にしていきたいと思っています。

 

奈良:僕の場合、印刷会社にいた人間なので、よほどのことがない限り「まぁいいか」ってなっちゃいます(笑)。本を買ってきて製本不良を見つけても、なんか印刷会社の気持ちがわかっちゃうので、自分で切っちゃったり……そんな感じなんです。あとはイラストなので、印刷においてはそんなに変なことにはならないというのもありますかね。

 

――なるほど! 印刷する対象によってこだわる部分が変化するというのは面白いですね。番組内でもたくさんお二人の「印刷愛」をお聞きしましたが、まだ語りきれなかったことがありましたら、ぜひこの場でお聞かせください。

 

伊織:あの〜、印刷会社の人って優しい人が多すぎませんか?(笑)特に年末のコミケ時期とか、超絶忙しいはずなのに「ここ間違えていませんか?」とか連絡いただけて……。私もだいぶお世話になったんですけど、同人系の印刷会社のみなさんってちゃんと休めているのでしょうか?

 

奈良:同人印刷については、今回の『印刷ボーイズに花束を』に掲載するために、取材を通じて色々とお話を聞かせてもらったんですけど、「イベントの前は修羅場だ」って言っていましたよ。

 

伊織:やはり(笑)。

 

奈良:でもみなさん、同人が本当に好きでやっているんですよね。好きじゃなきゃできない仕事だと思います。僕が勤めていた、一般企業を主に相手する商業印刷会社とは、また違った大変なことも多いお仕事だとは思うんですけど、「好きだから」というのが本当に心の支えになっていると感じました。出来上がった同人誌を手にしたお客さんの喜んだ顔を見たり、話題になったり、お客さんの喜びが同人印刷で働く印刷ボーイズたちの喜びになっているんだなぁと感じました。あと、お客さんから無理難題を言われても、嫌な気持ちにはならないと仰っていましたよ。

 

↑同人誌にまつわるエピソードも収録

 

伊織:救いのお言葉です……。今、コミケとかイベントが軒並み中止になってしまって印刷ができなくなってしまったんですよね。通販でも販売している人はいますけど、やはりその場で買うという楽しさや、写真集にサインを書いてもらうとか、「印刷したもの」を通じてできるコミュニケーションってたくさんあると思うんですよ。あぁ……印刷したい!!

 

奈良:素晴らしい(笑)。

 

伊織:あと、自分でも作るんですけど、即売会で買うのも好きで。めっちゃ買います! イベントで作者の方に手渡ししてもらえるあの嬉しさ……半端ないですよね。通販やデジタルでは体感できない、あの感じ、こんな時期だからなかなかできませんけど、1日でもはやくイベントに行きたいです。

 

――それでは最後になりますが、それぞれ最新刊でこだわった部分を教えてください。

 

奈良:今回「印刷ボーイズ」シリーズの最新刊として単行本化するにあたって、マンガ以外のクイズやコラムもかなりこだわって作りました。巻頭の「印刷ボーイズ特製 オリジナル手描き校正表」や、巻末に196ものネタ・用語解説をまとめた「印辞苑」とか、マンガ以外のところがかなり大変だったので(笑)、そこも楽しんでもらえると嬉しいです。漫画を読んだ後、何度も楽しめる本になっていますのでぜひお手に取っていただければと思います。

 

伊織:ファースト写真集から少し時間が空いてしまったのですが、そのぶん素晴らしい写真集になったと思っています。今回は「秘密」をテーマに、写真集を通じて伊織もえとの秘密の旅行が楽しめるなどファンの方との秘密を共有できる写真集ができました。ぜひ皆様のお手元に置いていただければ嬉しいです!

 

番組終了後の熱も冷めやらないままさらにトークはヒートアップ! 伊織さん、奈良さん素敵なお話をありがとうございました。そして、なんと奈良さんより今回のラジオ出演に当たって描き下ろしイラストを頂きましたので、掲載させていただきます!

 

 

奈良さん、素敵なイラストをありがとうございました!

 

最後に、9月2日に発売された奈良さんの最新刊『印刷ボーイズに花束を』にはここでは語りきれないほどの「印刷あるある」が満載! ぜひ、過去の2作品も合わせてお楽しみくださいね。

 

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出版社:ワン・パブリッシング

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そして、10月1日(金)に伊織もえさんの写真集『内緒話』が発売されます。発売に合わせてネットサイン会なども開催されます。詳細は以下からチェック!

 

伊織もえ写真集「内緒話」
2021年10月1日(金)発売
予価:2750円(税込)
撮影:Takeo Dec.
出版社:秋田書店

販売サイト

発売記念イベント情報

ネットサイン会情報

 

【ラジオ情報】

『伊織もえのCHUCHUチューズデイ~夜ふかしラジオ~』

放送局:InterFM897

オンエア日:毎週火曜日 22:00-23:00