エンタメ
声優
2022/4/9 13:00

『アオアシ』待望のアニメ化!河瀬茉希「サッカーのユースについて初めて知ることも多く、興味深く学びながらアフレコに臨みました」

サッカーJリーグのユースチームを舞台に、プロを目指す高校生たちの熱き姿を描いた人気コミック『アオアシ』が待望のアニメ化。そこでGet Navi webでは注目のキャラクターにスポットを当てて、インタビューを敢行。第一弾にご登場いただくのは主人公・アシトを献身的にサポートする一条 花役の河瀬茉希さん。花の魅力や、義理の兄でありながらチームの監督でもある福田達也との関係性、さらにはアシトへの思いなど、気になるポイントをたっぷりと伺いました。

 

河瀬茉希●かわせ・まき…12月31日生まれ。千葉県出身。主な出演作に、『サマータイムレンダ』菱形朱鷺子役、『最果てのパラディン』ウィル〈ウィリアム〉役、『ゾンビランドサガ』紺野純子役、『ひそねとまそたん』星野絵瑠役、ゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ』桐生つかさ役など。

【河瀬茉希さんの撮りおろし写真】

 

チームの監督を怒鳴りつけられる花は、ある意味最強の女の子です(笑)

 

──今回はオーディションで出演が決まったそうですね。

 

河瀬 はい。もともと作品自体は知っていたんです。偶然、コミックアプリで少しだけ読んだことがありまして、オーディションでお声掛けいただいた時は、“あの作品だ!”と驚きました。

 

──コミックはどういった経緯で読もうと思われたんですか?

 

河瀬 私、電車での移動中や仕事の合間に時間ができると、ずっとアプリでマンガを読んでいるんです。そうすると、どんどんと読むものがなくなっていって(苦笑)。そうしたなかで、スポーツマンガって今まで自分が携わっているアニメの原作や私自身が経験したことのある競技が題材になっているものだと読むことはあるんですが、サッカーを描いた作品はあまり触れたことがなかったので、『アオアシ』は当時すでに話題になっていた作品でしたし、それで少し気になって読んでみたというのが最初でした。

 

──その時はどんな印象を持たれましたか?

 

河瀬 恥ずかしながら、Jユースというものの存在を知らなかったんです。言葉を耳にしたことはあっても、どういうカテゴリーのものなのかまでは知識として全くなくて。なのですごく新鮮でした。それに、知れば知るほど面白い世界だなと思いました。部活ではないし、かといってプロでもない。しかも、主人公のアシトはセレクションを受けてJユースに加入することになりますが、現実ではスカウトでほとんどのメンバーが選ばれるというのも興味深くて。また、そんなすごい選手たちばかりなのに、プロに昇格できるかどうかは分からない。“こんなにも誰もが真剣で、厳しくて、リアルにプロを目指していく世界があるんだ!?”と、ものすごく楽しみながら読んだのを覚えています。

(C)小林有吾・小学館/「アオアシ」製作委員会

──そうしたなかで、河瀬さんが演じる一条 花はアシトが所属するエスペリオンユースチームの監督・福田達也の義理の妹であり、スポーツ外科医を目指す高校生の女の子です。

 

河瀬 最初に原作や台本を読んだ時は、明るくて元気で、太陽のような子だなって思いました。でも、深く作品に触れていくにつれて、幼くは見えるけど、大人な部分もあるんだなと感じるようになりました。時々花は、アシトにとっては心に刺さるような言葉を投げかけたり、彼の背中を押すような優しい行動を取ったりしますし。また、彼女自身も自分の目標のために努力をしているからこそ、つい厳しい言葉が出てしまうことがあって。そうしたギャップも含めて魅力的な女の子だなと思います。

 

──監督であるお兄ちゃんとの関係性も面白いですね。

 

河瀬 あの2人はホントに、どうにもこうにもって感じです(笑)。もちろん花は監督として尊敬しているんですけど、普段はゆるっとした雰囲気のお兄ちゃんですから(笑)。周りの人からすれば一目置かれる存在なのに、そんなすごい人に向かって「もう、お兄ちゃんは!!!!」って怒鳴りつけられる。それができる花は、ある意味で最強だなって思います(笑)。それに、たまに試合や練習などでの監督の言動には何を考えているのか分からないところがあるんですが、花が尋ねることで真意が分かったりする。私自身、花と同じように“そういうことなんだ!”と学ぶことが多いので、2人の会話はすごく勉強になりますね。

 

──では、花から見たアシトはどんな男の子ですか?

 

河瀬 最初はお兄ちゃんがいきなり連れてきた、もじゃもじゃ頭のヘンな男の子という印象だったと思います(笑)。でも初めて会って彼のプレーを見た時、花が憧れていたサッカー選手と重なる部分があって。それからは1人の選手として気になる存在であり、“この人を支えていきたい!”と思える相手に変わっていったように思います。花はものすごく真っすぐな子なので、純粋な気持ちでアシトの健康面や体作りに合わせた献立表を渡したり、何かあると声をかけたりして。アシトからすれば、“何だコイツ!?”と思うかもしれませんが(笑)、そうやって自分の気持ちに正直に行動できる花って、やっぱり素敵だなって思いますね。

 

学生時代に経験してきたことは、全部いまの声優のお仕事に活かされてます

 

──では、河瀬さん自身が花やアシトたちのように、学生時代に熱中していたものはありますか?

 

河瀬 熱中していたかはどうか別として(笑)、小学3年生の頃からずっとバレーボールをしていました。レシーブが得意だったこともあって、小学生時代はずっと後方で守備を固めるポジションにいたのですが、中学生になってからはルールが変わり、フォーメーション移動も加わったことですごく苦労しましたね。ネット前にいる時はアタックを打たないと監督から「なんで跳ばないんだ!」と怒られるんですけど、“私、そもそもジャンプしたことないし……”といじけたりして(笑)。ルールが変わっていくことで新鮮さや楽しさもありましたが、難しさのほうが上回り、改めてスポーツって大変だなぁって思ってました。

 

──高校では続けなかったんですか?

 

河瀬 バレーボールから離れて、軽音部に入りました。そこでボーカルをやらせてもらって、文化祭などで歌っていました。その時、人前で何かを表現することへの度胸がついたところもあります。それにバレーボールをずっとやってきて腹筋を鍛えられていたので、声量も人並み以上にあって(笑)。思えば、学生時代に経験してきたことは全部、声優のお仕事で活きているので、どれも無駄じゃなかったなと過去の自分を褒めてあげたいです(笑)。

 

──声優を目指したのはどんなきっかけだったのでしょう?

 

河瀬 バレーボールをしていた頃によく悩んだり、落ち込むことがあって、気持ちを切り替えるためにアニメを見たり、マンガを読んだりしていたんです。それに、アニメ好きの友人に連れられて、声優さんが出演する朗読のイベントなどにも行ったりして、“こんな世界があるんだ”と憧れを持ったのが最初でした。それで、高2の冬に“声優になろう!”と思い立ち、高3に進級すると同時に養成所に通って、高校卒業のタイミングで事務所への所属が決まりました。

 

──思い立ったら即行動するタイプなんですね。

 

河瀬 すごいですよね、我ながら(笑)。養成所は地元の千葉にもあったんですが、あえて往復で3時間かけて東京まで通ってました。“私は本場の代々木で学ぶんだ!”っていう、よく分からないこだわりがあって。そもそも何が本場なのかもよく分かっていなかったのに(苦笑)。

 

──(笑)。でも、お話をうかがっていると、バレーボールをしていた頃にチームプレーの難しさを経験したり、声優になる夢に向かって全力で挑んだりと、『アオアシ』の世界観と共通するところがたくさんありますね。

 

河瀬 そうなんです。なので、ものすごく共感します。アフレコをしていても、アシトたちと同じような気持ちになって、自分の力不足や仲間とのチームワークの難しさに悔しさを感じることがあります。だって、いまでもバレーボールをしていた頃の夢をよく見ますから(笑)。きっと私と同じように、アシトたちの言動に感情移入してご覧いただく方も多いのではないかと思いますね。

 

ある意味で、戦友であり、お守のようなところがあって

 

──では最後にもう一つ。Get Navi webということで、皆さんにお気に入りのアイテムをお聞きしているのですが、アフレコ現場などで愛用しているものなどはありますか?

 

河瀬 現場に必ず持っていくのは某夢の国で購入したボールペンです。4色+シャーペンの組み合わせになっていて、家で台本をチェックする時は赤色、現場で書き込むときは青、ほかのことをメモする場合は緑、修正は黒というふうに色を使い分けています。

 

──ずっと同じペンを使い続けているんですか?

 

河瀬 はい。学生の頃からそうなんですが、例えばテスト勉強をした時に使っていたシャーペンで本番にも挑みたいんです。いつも使っているものじゃないと落ち着かなくなるというか……。そう言えば、一度このペンを失くしてしまったことがあって。どれだけ探しても出てこなかったので、すぐに夢の国に買いにいきました(笑)。

 

──そのこだわりはすごい!

 

河瀬 これまで、この子を使ってたくさんの作品で台本に書き込みをしてきたので、ある意味で、戦友であり、お守のようなところがあって。ですから、失くした時は本当にショックで、絶対に同じものじゃないとダメだと思ったんです。

 

──ということは、買い直しに行った時、同じペンをストックとして何本も購入されたり……?

 

河瀬 いえ、買ったのは1本だけでした。失くしたらまた買いにいけばいいかなという思いと(笑)、もう二度と買わなくてもいいように絶対に失くさないぞという思いから。……とか言いながら、今日、うっかりとここに忘れていたらどうしよう(笑)。

 

(C)小林有吾・小学館/「アオアシ」製作委員会

TVアニメ『アオアシ』

2022年4月9日(土) Eテレにて毎週土曜 後6・25〜

(STAFF&CAST)

原作:小林有吾「アオアシ」(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
監督:さとう陽
シリーズ構成:横谷昌宏
副監督/曽我準
キャラクターデザイン/中武 学、川村敏江、山口飛鳥、長谷川早紀
音響監督/はたしょう二
音楽/横山克
アニメーション制作/Production I.G
出演:大鈴功起、橘 龍丸、山下誠一郎、八代 拓、堀江 瞬、加藤 渉、榎木淳弥、熊谷健太郎、武内駿輔、梅原裕一郎、小野賢章、内山昂輝、古川 慎、興津和幸、河瀬茉希、上田麗奈、小松未可子、小林親弘、安元洋貴、園崎未恵、中島ヨシキ ほか

(STORY)
愛媛の弱小サッカー部でエースだった青井葦人(アシト)は中学最後の大会に破れ、ひとり海辺で走り込んでいたところ、試合を見てアシトに特別な才能を感じたある男と出会う。その男とは、Jリーグの名門クラブ「東京シティ・エスペリオンFC」で高校生年代を育成するユースチームの監督、福田達也だった──。

【『アオアシ』シーン写真】

(C)小林有吾・小学館/「アオアシ」製作委員会

撮影/中村 功 取材・文/倉田モトキ