今年で35周年を迎える小学生人気No.1児童書のアニメ映画最新作『映画 かいけつゾロリ ラララ♪スターたんじょう』が、12月9日(金)より公開。ゾロリがプロデュースするスターを目指すヒロイン・ヒポポの声と歌を担当する生田絵梨花さんが、自身初となる劇場アニメのアフレコの様子や圧巻の歌声を披露する歌唱シーンなどについて語ってくれました。
【生田絵梨花さん撮り下ろし写真】
声優の皆さんのように、私も今後レパートリーを増やせていけたらといいな
──今回、生田さんが演じられたヒポポは、原作者やスタッフからのオファーだったそうですね。
生田 「かいけつゾロリ」は私の小学生のときの愛読書の1つで、学校の図書室でほぼ全巻借りて、読んでいました。ゾロリの冒険に好奇心をかき立てられましたし、楽しくて個性的なキャラクターの虜になっていて、よくイラストも描いていました。私、模写や似顔絵はうまいんですよ(笑)。大人になってから、こういう形で「ゾロリ」に関われるとは夢にも思わなかったです。なので、すごくビックリしましたし、光栄です。
──本作の原作や脚本を読まれた後の役作りに関しては?
生田 ヒポポちゃんは歌手を目指す女の子なので、歌唱シーンも多く、自分が普段やっていることを生かせればいいなと思いました。演出の方からも「あまり作り込みすぎず、そのままの声を生かしてほしい」と言われましたし。また、自分に自信がなくて、すぐに逃げ出したくなってしまうヒポポちゃんが成長していく話なのですが、オーディションを受けるときの心境やステージに立つときの感覚など、今の私が共感できるところが多かったんです。それが映画を観る方に伝わるよう演じられたらいいな、と思いました。
──アフレコ収録時の印象的なエピソードを教えてください。
生田 「対象物を定めて、声を出してみる」といった基本的なところから学ばせてもらいました。ヒポポちゃんのリアクションを見て、1つのパターンだけでなく、いくつかやってみて、そこから選んでもらうというやり方をしました。また、「台本に書いてあるセリフだけじゃなく、ため息とか、ふとしたしぐさに出るような音も声を当ててみて」と言われたのも印象的でした。声優の皆さんは、そのレパートリーをたくさん持たれているので、私も今後それを増やせていけたらといいな、と思いました。
皆さんの声に引っ張ってもらいながら貴重な体験をさせていただきました
──劇中での歌唱シーンについても教えてください。
生田 今回、全部で5曲ほど歌わせてもらっているのですが、レコーディングのときには、ただ歌うだけではなく、その歌声にもヒポポちゃんの成長を重ねていくことを意識しました。最初は声が細かったり、途切れちゃったりするところがあり、修行の1つとして、妖怪たちに驚かされながら歌うところでは、歌になってないんじゃないかと思うぐらい、本当に叫びながら歌っています(笑)。そんな経験を経て、みんなの思いを背負い伝えるような歌い方になっていくんです。
──クライマックスでは、ゾロリ役の山寺宏一さんとのデュエット曲「オーディションへいこう」も歌われています。
生田 山寺さんとは別撮りだったのですが、私のレコーディングの前に山寺さんのパートが収録されていたんです。なので、まるで目の前にいるゾロリが生きているように感じられ、そこに助けられながら収録することができました。画面の中にいるアニメキャラクターとして話すこと、そして歌うという初めての経験をさせていただきましたが、皆さんの声に引っ張ってもらいながら頑張りましたし、とても貴重な体験をさせていただきました。
知り合いから「生ちゃんが悲しそうにしてたら、私も悲しくなっちゃう」と言われ……
──ヒポポが落ち着く存在であるイチゴのように、生田さんにとっての癒しアイテムがあれば教えてください。
生田 自分の部屋の中に、宝物を集めた場所があるんです。この仕事を始めてから、プレゼントされて、特に嬉しかったモノや自分が温かい気持ちになれたモノなどが引き出しの中に入っていて、自分が煮詰まったときなどに、そこを開けて見たり、読んだりしています。小さい子からもらった手紙や絵は、そこに入れがちですね(笑)。
──劇中のゾロリのセリフにある「目の前に現れたチャンスは、逃しちゃダメだ」というような、生田さんにとって座右の銘のようなものはありますか?
生田 知り合いから、「生ちゃんが悲しそうにしてたら、私も悲しくなっちゃう」と言われたことがあるんです。自分がしっかりしていないと、人に元気になってもらうとか、エネルギーを与えることができないんだ、と。それからは、常に自分を見つめ直すようになりました。
ドラマの現場での一年、とても勉強させてもらっています
──これまで舞台での活動が多い印象でしたが、今年に入り、日曜劇場「オールドルーキー」や放送中の月9「PICU 小児集中治療室」などの連ドラにレギュラー出演されています。
生田 卒業後は映像にもチャレンジしたいという思いが強かったので、一歩一歩やらせていただいている感じです。当たり前なことですけれど、舞台に比べて、自然体で演じることが求められるのですが、その自然体というのが難しいですね。ずっと目を見て会話する人なんていないですし、最初の頃は監督さんから「セリフが歌ってる」と注意されたこともありました。ドラマの現場は、そのお芝居がうまい方たちばかりなので、この一年とても勉強させてもらっています。
──最後に、現場に常に持っていくモノやグッズがあれば教えてください。
生田 フィルターインボトルに入れたハーブティーを常に持ち歩いています。お店の方に、茶葉をブレンドしてもらっています。まとめて作っているので、家の冷蔵庫には大きめのボトルで常備ありますね。舞台をやっているときは、気分転換のために楽屋でアロマを焚いたり、スプレーをしたりすることが多いです。スッキリと爽やかな気持ちになりたいときは、レモングラスとかジャスミンあたり。逆に落ち着きたいときは、ラベンダーとかウッディ系の匂いが好きですね。
映画 かいけつゾロリ ラララ♪スターたんじょう
12月9日(金)より公開
(STAFF&CAST)
原作:原 ゆたか「かいけつゾロリ スターたんじょう」(ポプラ社刊)
監督:緒方隆秀
脚本:冨岡淳広
声の出演:山寺宏一、愛河里花子、くまいもとこ、梶 裕貴ほか
特別出演:生田絵梨花、霜降り明星(粗品、せいや)
(STAFF&CAST)
いたずらの天才・ゾロリは、歌手を目指す女の子・ヒポポの歌声にひかれ、イシシとノシシと一緒のグループで売り出して、大もうけしようとたくらむ。目標は、1か月後に行われる「次世代スターオーディション」に合格しデビューすること! しかしヒポポは、ある理由から、大きな声で歌えなくなっていた。作成を思いついたゾロリは、仲間の妖怪たちに協力してもらいながら、ヒポポを特訓することに……。
(C)2022 原ゆたか/ポプラ社, 映画かいけつゾロリ製作委員会
撮影/映美 取材・文/くれい響 ヘアメイク/paku☆chan(Three PEACE) スタイリスト/有本祐輔(7回の裏)