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2023/1/19 6:30

坂ノ上茜「念願だったアクション映画に、しかもこんな座組の作品に出られて、とても光栄です」映画『BAD CITY』

Vシネマや映画、バラエティなど、幅広く活躍する小沢仁志さんが「還暦記念映画」として、オリジナル脚本・製作総指揮・主演を務めたアクション『BAD CITY』が、1月20日(金)より全国公開。本作で開港警察強行犯の新米刑事・野原 恵役を演じている坂ノ上 茜さんに、「昭和」を体感した現場エピソードや果敢に挑んだアクションについてのほか、この冬に手放せないアイテムも紹介してもらいました。

 

坂ノ上 茜●さかのうえ・あかね…1995年12月5日生まれ。熊本県出身。2015年、「ウルトラマンX」のヒロイン・山瀬アスナ役で女優デビュー。主な出演作にドラマ『チア☆ダン』、『監察医 朝顔』、映画「見えない目撃者」「きみの瞳が問いかけている」などに出演。2022年7月公開の『愛ちゃん物語』で映画初出演を飾る。また、バラエティでは『王様のブランチ』レポーターを約4年半にわたり担当(21年3月卒業)。現在は『町中華で飲ろうぜ』(BS-TBS)にレギュラー出演中。今後は、主演映画「ぬけろ、メビウス!!」や『神回』が2023年公開予定。TwitterInstagram

 

【坂ノ上 茜さん撮り下ろし写真】

小沢さんからは「俺は“大丈夫か?”とは言わねぇ。やるのか、やらねぇのか?」と

──今回演じられた開港警察強行犯の刑事・野原 恵役は、オーディションだったそうですね。

 

坂ノ上 その頃、アクション作品をやりたいと思っていて、個人的に半年近くアクション練習に通っていました。そんな中での『BAD CITY』のオーディションだったので、「もちろん受けます!」という感じでした。そういった気持ちで受けたので、野原役に選んでいただいたときは嬉しかったですね。その後、(園村健介)監督に「なぜ、私を選んでくださったんですか?」と聞いたら、「目がとても良かった」と言われたんです。オーディションでは簡単な蹴りとかもやったので、動きとかの理由ではなかったのが、少し意外でした。

 

──国内外のアクション映画のアクション監督を務められている園村健介さんの監督作ということに対する怖さやプレッシャーみたいなものはありませんでしたか?

 

坂ノ上 そうですね、クランクインまでの時間があまりなかったこともあり、短期集中で練習させていただきました。重力を生かしたスピード感でかっこよく魅せる園村監督流のメソッドがあるのですが、それを身体に叩き込みながら楽しくやらせてもらいました。あと、銃の持ち方などは「ウルトラマンX」での役作りの訓練で学んでいましたが、発砲するようなガンアクションは今回が初めてでした。

 

映画愛からモノ作りを楽しまれているところが、私にはとても新鮮でした

──本作は小沢仁志さんの「還暦記念映画」であり、野原は小沢さん演じる虎田率いるチームの一員でもあります。

 

坂ノ上 小沢さんとは以前『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』で共演したときから、本当は怖い人じゃないということを知っていましたから(笑)、「どうしよう?」という心配は一切ありませんでした。ただ、クランクイン2日前に、私が練習中に足を脱臼してしまい、救急車で運ばれてしまったんです。それでテーピングして、初日に現場に入ったとき、小沢さんから「坂ノ上、俺は“大丈夫か?”とは言わねぇ。やるのか、やらねぇのか?」と言われました。そういう力強く背中を押してくれるような優しさがある方なんです。

 

──小沢さん以外にも、山口祥行さんや本宮泰風さんらが集結した独特な撮影現場の空気感は、いかがでしたか?

 

坂ノ上 私は平成生まれなのですが、「昭和(の現場)ってこういうことなんだな!」という感じでした。体育会系の熱い方たちが集まって、自分の出番以外のシーンでも現場にいて、「ああだ、こうだ」と意見を交わしている感じとか、時に意地を張り合っている感じとか、映画愛からモノ作りを楽しまれているところが、私にはとても新鮮に見えました。打ち上げでも、小沢さんから「現場は芝居を勉強ができる宝箱みたいな場所。だから、自分の出番がないときも、監督の隣で一緒にモニターを見て、今のカットはなぜNGだったのか、を見極めろ」と言われました。

 

──男性だらけの特捜班のなかで、「紅一点の新米キャラ」として活躍していくことに関しては?

 

坂ノ上 これまでの作品でも紅一点の立場が多かったこともあって、現場に戸惑いみたいなものは一切なかったです。皆さん強面なのに、空き時間も構ってくださいますし……(笑)。キャラ立ちしていることに関しては、とても演じやすくて、ありがたかったです。ショッピングモールでの大乱闘シーンを一晩かけて撮影したのは、とても大変でしたが、なかなかできない体験だと思うので、いい思い出になりました。

 

「20代でアクションできる女優は?」というときに「坂ノ上茜」と挙げてもらえる一本に

──そのほか、福岡ロケでの思い出は?

 

坂ノ上 福岡では、いっぱいおいしいものを食べさせていただきました。あと、私の地元が熊本なので、福岡にいる友だちも多いんです。撮影期間中に、ちょうど私の誕生日があり、撮影終わりで福岡にいる友だちの家に行ってお祝いしてもらいました。そしたら、熊本にいる友だちと鹿児島にいる友だちも仕事終わりに駆けつけてくれたんです。そこに関しては、今回演じた野原とシンクロしている部分がありましたね。野原は仕事の合間の少ない休みに、友だちと会ってガールズトークしていますから。ちなみに、翌日には小沢さんたちに「お前の好きな焼肉喰いに行くぞ!」と祝ってもらいました。結果、24時間でケーキ3つ食べて太りました(笑)。

 

──そんな『BAD CITY』は坂ノ上さんのキャリアにおいて、どんな一作になったと思いますか?

 

坂ノ上 念願だったアクション映画に、しかもこんな座組の作品に出られて、とても光栄でした。そして、「20代でアクションできる女優って誰がいる?」というときに「坂ノ上 茜」と挙げてもらえる一本になったらいいなって思います。それだけ、私自身も頑張りましたし、完成した作品を試写で観たときも、アクションシーンでは瞬きだけでなく、息もできないぐらい興奮しましたから!

 

23年はすでに3本の出演映画が公開予定。今後もいろいろな役を演じていけたら

──今年は2月には主演映画である『ぬけろ、メビウス! !』、夏にはヒロインを務めた『神回』が続けて公開されます。

 

坂ノ上 『BAD CITY』では新米刑事でしたが、『ぬけろ、メビウス! !』は大学受験を目指す契約社員ですし、『神回』はタイムリープする女子高生を演じています。このように幅広い年齢の役柄をやらせてもらっているので、とてもありがたいです。今後もいろいろな役を演じていけたらいいですね。

 

──現場に必ず持っていくモノを教えてください。

 

坂ノ上 とにかく寒がりなので、「イオンドクター」のレッグウォーマーです。毎年10月あたりに気温が下がったタイミングで「今年は乗り越えられないかもしれない……」と思う私を救ってくれる1本です。中わたが天然鉱物パウダーという素材で、外はシルクで、とても暖かくて、春すぎぐらいまで、移動中も寝るときも、ずっと履いています。友だちから「レッグウォーマー履いてないと死んじゃうの?」と言われるぐらい。1年ごとに買い替えるんですが、売り切れる前の5月ぐらいに買っています! ちなみに、これを履くために、冬場はずっとワイドパンツ姿です。

↑坂ノ上さん愛用の「イオンドクター」のレッグウォーマー。シーズン前には必ず手に入れていると言います

 

 

© 2022「BAD CITY」製作委員会

BAD CITY

2023年1月20日から新宿ピカデリーほかにて公開

【映画「BAD CITY」よりシーン写真】

(STAFF&CAST)
製作総指揮・脚本:OZAWA
監督・アクション監督:園村健介
主題歌:クレイジーケンバンド「こわもて」(doublejoy international/UNIVERSAL SIGMA)
出演:小沢仁志
坂ノ上 茜、勝矢、三元雅芸
中野英雄、小沢和義、永倉大輔
山口祥行、本宮泰風、波岡一喜、TAK∴
壇蜜、加藤雅也、かたせ梨乃、リリー・フランキー

(STORY)
ある夜、「犯罪都市」の異名を持つ開港市に縄張りをもつ桜田組の組長が死体となって発見された。それは、韓国マフィアの仕業であった。その韓国マフィアの幹部・金数義(山口祥行)が密談していたのは、巨大財閥である五条財閥の会長・五条亘(リリー・フランキー)。五条が無罪となった判決には必ず裏があると踏んでいる検察庁検事長の平山健司(加藤雅也)は、公安0課の小泉香(壇蜜)を使い、秘密裏に特捜班を結成。メンバーは、熊本(勝矢)、西崎(三元雅芸)、野原(坂ノ上茜)、そしてもう一人…ある事件を起こした容疑で拘置所に勾留中の元強行犯警部・虎田誠(小沢仁志)である。
果たして虎田たち特捜班は、五条を検挙することができるのか?
「真の悪の存在」や「裏切り者」は誰なのか?
欲望が渦を巻くこの街で繰り広げられる、欲望の果てに見える景色とは―。

© 2022「BAD CITY」製作委員会

 

撮影/映美 取材・文/くれい響 ヘアメイク:塩田勝樹(Sui) スタイリスト:豊島今日子