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2023/7/5 12:00

【デビュー20周年】湘南乃風、史上最高の“仲の良さ”! ベストアルバム&ハマスタ公演へ【インタビュー前編】

メジャーデビュー20周年を、2023年7月30日(日)に迎える湘南乃風。『純恋歌』や『睡蓮花』など数々のヒット曲を世に送り出し、2021年には加山雄三さんの「海 その愛」の音源を使用した『湘南乃「海 その愛」』をリリースし話題に。7月5日(水)には、記念すべきベストアルバム『湘南乃風~20th Anniversary BEST~』を発売し、8月12日(土)には横浜スタジアムで「湘南乃風 二十周年記念公演 風祭り at 横浜スタジアム」を開催予定だ。

湘南乃風●しょうなんのかぜ…RED RICE、若旦那、SHOCK EYE、HAN-KUNからなる4人組レゲエグループ。2003年にメジャーデビューを果たし、2006年にラブソング『純恋歌』が約60万枚を超える大ヒットに。2007年には『睡蓮花』、2008年には『黄金魂』とヒット曲を続々とリリース。TwitterInstagram

 

今回は、まさにアニバーサリーイヤー中の湘南乃風にインタビュー。若旦那は都合が合わず残念ながら不在となったものの、前編ではRED RICE、HAN-KUN、SHOCK EYEの3人が20年の歩みと、過去最高だという現在のメンバー間の“仲の良さ”について、後編ではそれぞれが今ハマっているモノ・コトについて熱く語った。

 

【湘南乃風、20周年撮り下ろし写真】

 

20年目の初感覚「距離感が、今までで一番良いんじゃないか」

↑RED RICE

 

──メジャーデビュー20周年、おめでとうございます! 改めて、今のお気持ちを聞かせてください。

 

RED RICE ありがとうございます。まずは素直にうれしいですね。ここまで来れたんだな、というのを噛みしめています。

 

──デビューからグループが20年続くというのは、すごいことかと。

 

RED RICE たしかに、そうですよね。俺らも10周年ぐらいまでは、未来が当たり前に来るようなイメージで過ごしていました。付き合いたての恋人じゃないけど「俺ら一生一緒だぞ」みたいなテンションでやっていました(笑)。

でも10年目以降は、うまくいかないことやメンバー個人の活動もあって、全然違う生活をする時間が増えた。コロナ禍も重なり、20年目に辿り着けるか不安だったんです。結果として、こうして無事に迎えられて、安堵しています。

 

──コロナ禍も落ち着いてきたタイミングで、20周年ライブツアーも順調に進んでいらっしゃいますね。

 

RED RICE 今回っているツアーは、本当にいい形で進められています。特にメンバー間の距離感が、今までで一番良いんじゃないかって。なんでしょうね……みんなここにいたいから自然といる、みたいな状態になっています。

ライブが終わった後も、 レコード会社や事務所が開く打ち上げではなく、自分らで「なんか食いに行こうか」って。気づいたらバックDJのBK(The BK Sound)と5人で寿司屋のカウンターに並んで、食いながらその日のライブの話をしています(笑)。

 

SHOCK EYE RED はずっと「終わらないでほしい」って言ってるんですよ。ロマンチックですよね。

 

RED RICE とても居心地よく一緒にいる感じがあります。20年目にして、初めての感覚を味わっている(笑)。だから8月12日の横浜スタジアム公演も来なきゃいいのに、このツアーがずっと続けばいいのに、と思っています。

 

──20周年ツアーが終わってほしくないのですね。コロナ禍を経たこともあり、ファンもライブを心待ちにしていたのではないでしょうか。

 

RED RICE タオルを回せなかったり、収容人数が半分だったり、そういうライブを超えてきましたからね。今、お客さんたちが本当に楽しそうで。それは俺ら自身が楽しめていることもありますが、とにかくライブ全体の雰囲気が良いんですよ。

 

──SHOCK EYEさんは、ツアーを回っていかがですか?

↑SHOCK EYE

 

SHOCK EYE 幸せな時間ですね。もちろん、ライブ中に自分なりの課題が見つかる時もありますが、喜怒哀楽を感じられてうれしいです。コロナ禍では何の感情もないような時期があり、自分にとって、とても不幸せな時間だと思いました。だからこそ、今ライブができるありがたみを噛みしめつつ、今後の活動1つひとつを大事に、繊細に扱いたいです。

 

──同じように、ファンの方も幸せだと感じていると思います。

 

SHOCK EYE こうやって、ファンの方々がまた会いに来てくれるのもありがたいですよね。みんなの前でライブを続けていくためにも、メンバー同士も幸せだと思えるように、良い距離感で活動していきたいです。

 

──HAN-KUNさんはいかがでしょうか?

↑HAN-KUN

 

HAN-KUN ツアー、すげえ楽しいっすね。みんな盛り上がってくれてありがたいです。……って若旦那も言ってます! 今日はこれが彼の代わりです(フリスクの箱を動かして喋らせながら)。

 

──あはは! 若旦那さんも、ありがとうございます!

 

 

“新橋編”という新たな試み「若旦那の中でしっかりとイメージが」

──べストアルバム『湘南乃⾵ 〜20th Anniversary BEST〜』が7月5日に発売予定ですが、テーマが「湘南編」「新宿編」「新橋編」と分かれていますね。先日それぞれのコンセプトジャケットを、3箇所で撮影されたとか。

 

HAN-KUN このアルバムのコンセプトアイデアを出したのは、若旦那です。ちょっと聞いてみますね……(フリスクの箱を振りながら)「俺が一番こだわったのは新橋編です」だそうです。

 

──(笑)。新橋編には『カラス』や『黄金魂』、『夢物語』などの曲が収録されていますね。あえていうと、湘南乃風にあまり“新橋”のイメージはないと思ったのですが。

 

HAN-KUN 正直俺らも撮影をやってみるまで、若旦那が考えているイメージに追いつけなかったんです。でも実際に、それぞれの場所で衣装を着てロケをしてみると、新橋で撮った写真が一番しっくりきたんですよ。

撮影して初めて、若旦那の中では、しっかりとイメージが出来上がっていたんだなって分かりました。あと今まで俺らは、役に成り切ったり演じたりして撮影することがなかったんです。

 

──今回は貴重な撮影だったわけですね。

 

HAN-KUN そうなんです。みんなでちょっと恥ずかしがりながら「似合ってるじゃん(笑)」と会話しつつ撮影しました。俺たちの内側でのやりとりもすごく新しくて、新鮮だったんです。REDなんか撮影終わりに「ああ、楽しかったなあ」って、こぼれるようにつぶやいていて。

 

RED RICE ツアーと同じく「この撮影が終わってほしくない!」と思いました。それくらい楽しかったんです。良い雰囲気でロケができました。ちなみに見てもらえば分かると思いますが、湘南編のジャケット写真が一番フィットしていないですよ(笑)。

 

──え、そんなことあるのですか⁉

 

SHOCK-EYE いや~、実は“ハズしに”いってまして。

 

RED RICE 湘南編のコンセプトも若旦那のアイデアなんですけど、撮る時に「冗談で言ったんだけどな……」とボソッとつぶやいていて。

 

HAN-KUN 最終的に「サッとやって、サッと帰ろう!」と言っていたくらい。とりあえず、それぞれのコンセプト写真の仕上がりは、ぜひ見てほしいですね。自分の目で確かめてみてください。

 

──楽しみにしています!

 

※後日、撮り下ろし写真を使用した貴重なアルバムジャケットが公開。新橋編とともに、新宿編、「一番フィットしていない」というまさかの湘南編はコチラを要チェック!

↑メンバーが「一番しっくりきた」という新橋編

 

 

デビュー時から変わらぬスピリット「自分のリアルを歌う」

──20周年を迎え、今デビュー当時の曲を改めて歌う時、曲に込める想いや感覚に変化はありましたか?

 

RED RICE 俺は全然変わらないですね。よく「このころは若かったよね」とか「今じゃこの歌詞書けねえな」とか話は出るけれど、ステージで歌っている時は、気持ちも感覚も当時まで戻っちゃう。「大人になりたくねえ」みたいな歌詞があっても、全然歌えます。もう50手前ですけど(笑)。

SHOCK EYE 僕も一緒です。変わらないというか、地続きの話なんです。ずっと歌っていなかった曲を20年ぶりに歌うとしたら感覚は違うかもしれないけれど、どの曲もずっと歌い続けてきたので。

 

──20年間走り続けてきたからこそ、変わらないと。

 

SHOCK EYE 自覚していない変化はあるかもしれないけどね。ただ当時の言葉であっても、歌うたびに、自分に馴染んでいることを感じたり共感したりしながら歌っているんですよ。単純に、曲の構成や作り方に関して「これは今じゃ作れないなあ」と思う作品はありますが。

 

──なるほど。湘南乃風が音楽を作るうえで、20年間変わらず大切にしていることがあれば教えてください。

 

RED RICE 俺は曲を書くのが一番遅いんですけど、良く言えば、“自分が本当に納得するまで作り続ける癖”です。それは20年間変わっていない。

進行が遅くなってみんなに迷惑かけたり、最初に作ったものに結局戻ったりもしますけど。でも無駄な工程を繰り返したからこそ、初めに出てきたものが良かったと再認識できる。それをやらないと自分の正解が分からないので。

 

──HAN-KUNさんは、いかがでしょう?

HAN-KUN 僕は歌詞作りで、嘘をつかないことですかね。経験したことや自分のリアルをちゃんと伝えることを、ずっと変えていない。できていないことは、できていないと言うし、やりたいことは、本当にやりたいと思う理想を伝える。まだ実現できていない理想を語ったとしても、自分の人生の線上にあることを歌詞に乗せるようにしています。

 

──すてきですね。それが若いころから変わっていないのがすごいです。

 

HAN-KUN 俺らが憧れて、活動を始めるきっかけになった音楽が「レゲエ」なんですけど、そもそもレゲエが大切にしているのが、実際に起きたことを歌うことなんですよ。発祥のジャマイカでは、社会的に困窮している中での反骨精神や反逆性が歌われているんです。

日本では置き換えづらい部分もありますが、やっぱり身近に起きたこと、体験したことを歌うことで、共感を生むというのが大切だと思います。

 

──レゲエのスピリットに則って作り続けている、ということですね。

 

HAN-KUN はい。例えば恋愛や友情、楽しいパーティーだったとして、実際に自分が体感したことを歌詞にすることで、聴いている人がまるで一緒に経験しているかのように、楽しく感じてほしいんです。

 

──実際に湘南乃風の曲には、リアルな情景が浮かぶような歌詞や、共感できる言葉が多いと感じます。

 

HAN-KUN レゲエを始めたころ「音の上で会話しているような音楽」だという印象を受けました。だから俺らの音楽を聴いた人が、俺らと会話しているように思ってほしいなと。

「なんで俺のこと知ってるの?」「なんで今、ここで頑張れって言ってくれるんだろう」「俺のこと見てくれているのかな」なんて思ってもらえるような身近さとリアルさを、今も変わらず大事にしています。

 

──SHOCK EYEさんは、変わらず大切にしていることは何かありますか?

SHOCK EYE 僕は、ずっと勉強させてもらっているという感覚です。常に変わらなきゃ、成長しなきゃと思っています。それは表層的なものや音楽的な話でなくて、内面的で人間的成長の部分のことです。自分自身にダメ出しをするタイプなんですよ。

 

──常に変化を求めてきた、ということですか?

 

SHOCK EYE いや、変化することだけが正しいわけではないと思っています。時に我慢して何かをやり続けることや、維持し続けることが成長に繋がる場合もあるので。要は“こうあるべきだと思わないようにする”ことを心がけています。

 

──なるほど。より成長するための最善を考えているということですね。

 

SHOCK EYE はい。今後も、個人としてもグループとしても成長し続けられたらと思いますね。

 

──ではここで二十周年記念公演に向けて、読者にメッセージをお願いします。

 

HAN-KUN リーダー、代表して!

 

RED RICE 8月12日に横浜スタジアムで「湘南乃風 二十周年記念公園 風祭り」があります。20年経ったからこそ出せる“俺たちの味”や、 20年歌い続けた人間にしか見せられない景色があると思うので、ぜひ足を運んで欲しいなと思います。湘南乃風史上、一番仲の良いメンバーの空気を浴びに来てほしいです!

 

──楽しみにしています!

 

※湘南乃風へのインタビューは7月7日公開の後編へ。3人がハマっているという “今アツい”モノとは?

 

撮影/中村 功 取材・文/kitsune ヘアメイク/Chiho Oshima スタイリング/Kan Fuchigami