ファッション
2018/3/26 18:30

「龍馬スニーカー」に「ジョン万デニム」!? プロジェクト「平成の海援隊」が物欲をそそる!

260年続いた江戸幕府が政権を朝廷に返上したのが1867年。昨年の2017年は、大政奉還からちょうど150年の節目の年でした。これを記念して高知県では観光博覧会「志国高知 幕末維新博」を2017年3月から開催。合わせて「高知県立高知城歴史博物館」がオープンし、坂本龍馬が暗殺5日前に書いた手紙も初公開されるなど、大きな盛り上がりを見せました。

 

ここまでは昨年の話です。大政奉還が1867年ということは明治維新は1868年。つまり、今年は明治維新から150年というやはり節目の年に当たります。150年前の数年間はまさに激動の時代だったんですね。

 

高知県では2018年4月21日から、明治維新150年を記念して「志国高知 幕末維新博」第二幕を開幕させます。今回は龍馬の殿堂「坂本龍馬記念館」が新館を加えてグランドオープンし、さらに多彩なジャンルの企業・団体とコラボするプロジェクト「平成の海援隊」もスタート。

 

歴史をテーマにした観光PRは、歴史に興味がない若い世代には響かない場合もありますが、今回のプロジェクト「平成の海援隊」では、坂本龍馬を題材にしたスニーカーや、ジョン万次郎とゆかりのある「ジョン万デニム」など、カジュアルな企画やサービスが展開される予定です。その詳細について知るべく、さっそく3月22日に行われた発表会に取材に行ってきました。

 

観光客は「龍馬伝」ブームを超えた!! 「幕末維新博」第一幕は大成功

会場は東銀座の銀座フェニックスプラザ。まずは、高知県の尾﨑正直知事が登壇し、挨拶をしました。

 

「去年は大政奉還150年の年、今年は明治維新150年の年ということで、少し駒を進めて、明治維新という国作りの物語も含め、私どもとしてもさらに多くの皆さんに見ていただきたいと考えているところでございます」(尾﨑知事)

↑高知県の尾﨑正直知事。プロジェクターを使って「幕末維新博」を紹介しました

 

昨年度の「幕末維新博」開幕から1年で高知の博覧会会場を訪れた観光客は157.7万人以上。県外からの観光客は「龍馬伝」ブームの2010年を超える440万人を達成したとか!

 

「坂本龍馬は海援隊のもとで、世界へ向けて初の商社として雄飛しようという試みを進めていました。残念ながら坂本龍馬の暗殺によってこの夢は叶うことがなかったのですが、私どもとしては、『平成の海援隊』として志を継いでいきたいと考えています。高知県は幕末維新博を通じて、企業団体の皆様方にそれぞれのアイデア、ノウハウ、ネットワークを生かしてコラボさせていただくなかで、高知の魅力を世界に発信していきたいと考えています」(尾﨑知事)

 

高知県の魅力を国内、さらに世界に発信する今回の「幕末維新博」第二幕に、知事も気合いが入っている様子でした。

スニーカー、デニム、トランスフォーマー、スマホゲーム……。プロジェクト「平成の海援隊」に注目!

このあと、プロジェクト「平成の海援隊」として展開される6つのコラボ企画がそれぞれの企業・団体から発表されました。順を追って見ていきましょう。

 

【その1:atmos】人気セレクトショップが手掛ける龍馬スニーカーに期待!

スニーカーを中心に、東京カルチャーを牽引するセレクトショップ「atmos」。1996年に原宿に本店がオープンして以来、ナイキなどと数々のコラボ商品を手がけ、ニューヨーク、ソウル、バンコクにも支店を展開する人気ショップが今回のプロジェクトに参加します。

↑atmosの運営会社テクストトレーディングカンパニー代表取締役・本明秀文氏。手にしているのはナイキとのコラボスニーカー

 

「高知県との企画のなかで作ったものを僕たちが東京で紹介する。逆に僕たちと一緒に高知県の方々と企画してもらったものを高知のミュージアムで売ってもらう、ということができるんじゃないかなと思うんですよね」(運営会社テクストトレーディングカンパニー代表取締役・本明秀文氏)

 

坂本龍馬を題材にしたスニーカーやTシャツが具体的に形になるのはまだ先とのことですが、いまからどんなデザインになるのか楽しみです。

 

【その2:WAREHOUSE×BerBerJin 藤原 裕氏】当時のディティールにこだわった「ジョン万デニム」を限定発売!

「BerBerJin(ベルベルジン)」は、今年創業20周年を迎えた原宿の老舗アメリカン・ヴィンテージ・ショップ。そのカリスマ店長であり、高知県出身でもある藤原 裕氏が、ヴィンテージ古着の忠実な復刻をテーマとするブランド「WAREHOUSE(ウエアハウス)」と組んで、限定120本の「ジョン万デニム」をデザイン・プロデュースします。

↑写真左からBerBerJin藤原 裕氏、WAREHOUSEプレス藤木将己氏。「ジョン万デニム」のデザインについて説明しています

 

「いわゆるジーンズが生まれたあたりのディティールを混ぜさせていただき、今回『ジョン万次郎さんが考えるデニム』というコンセプトでデザインさせていただきました」(藤原氏)

 

ジョン万次郎の帰国の船には、仲間がアメリカで購入したデニム生地が積み込まれていたという記録が残っているそう。ベルトループのサイズや縫製、バックポケット、セルビッチ、コインポケット位置まで、ジョン万次郎が西海岸に渡っていた当時のディティールにこだわったというこのデニムは、4月21日に正式発表され、予約開始予定です。

 

【その3:DDホールディングス】高知愛にあふれた特別メニューを提供!

「VAMPIRE CAFE」「アリスのファンタジーレストラン」など多彩なコンセプトレストランを展開し、現在全店舗数440店舗を数える外食企業・DDホールディングス。その名物社長として知られる代表取締役CEOの松村厚之氏は、高知県出身で高知県観光特使を務めています。

↑DDホールディングス代表取締役CEOの松村厚之氏は高知県出身。「よさこい祭り」にも継続的に参加しているとか

 

今回の取り組みでは、土佐料理専門店「わらやき屋」(全国15店舗)で「幕末維新博特別メニュー」を開発・販売予定です。

 

「高知LOVEです、これしかないです。わらやき屋というお店をやっています。高知に恩返しをしたいということと、高知の発展に微力ながら貢献したいということで続けております」(松村氏)

 

高知県出身の社員4人が民謡「よさこい節」を熱唱するなど、高知愛にあふれた一幕となりました。

↑「よさこい節」の熱唱。高知への熱い愛が伝わってきます

 

【その4:タカラトミー】トランスフォーマーが幕末仕様に変身!?

日本を代表する大手玩具メーカーのひとつ、タカラトミー。今回は「明治維新150周年記念事業」として、変身ロボット玩具「トランスフォーマー」で土佐藩の幕末関連品(龍馬などの武具など)を活用したプロジェクトを企画予定。コンボイと龍馬がコラボする!?

 

詳細は発表されませんでしたが、会場にはサイバトロン総司令官・コンボイの超巨大フィギュアも登場し、壇上にはタカラトミーのプロジェクト代表者とともに、白い作務衣姿の刀鍛冶・石田四郎國壽氏も並ぶなど、面白いコラボになりそうな予感を漂わせていました。正式発表は6月22日とのこと、トランスフォーマーファンは必見です。

↑タカラトミー・トランスフォーマープロジェクトの吉田琢氏と石田四郎國壽氏

 

↑会場に置かれていた全長2mほどのコンボイ。どういったコラボになるのか、気になるところです

 

【その5:DeNA Games Tokyo】人気ゲームアプリに幕末志士や高知県ゆかりの名産品が登場

DeNAグループのひとつとして「ゲームの力で人々に幸せを」というコンセプトのもと、ゲーム運営に特化した企業「DeNA Games Tokyo」。

↑DeNA Games Tokyoの代表取締役社長の井口徹也氏。人気ゲームとのコラボを発表しました

 

「新選組が討ち入った池田屋事件の跡地に居酒屋があるんですが、そこで新選組の着物を着て働けるということで働いていました。そのくらい幕末がすごい好きでした。キッチンスタッフだったので1回も着なかったというオチがありますが(笑)」(代表取締役社長・井口氏)

 

今回は「怪盗ロワイヤル」「農園ホッコリーナ」「戦国ロワイヤル」「アクアスクエア」「スペースデブリーズ」というDeNAが運営する人気ゲームアプリ5タイトルで、坂本龍馬など幕末志士や高知県ゆかりの名産品をゲーム内に登場させるといったコラボを予定しています。

 

【その6:人気タレント・ユージさん】「西の岡邸」の庭を見事再生! お土産セットも新提案

もともと高知県とは縁もゆかりもなかったという人気タレントのユージさん。ですが、昨年から高知県田野町で古民家「西の岡邸」の「庭修復プロジェクト」のリーダーとして活動しています。

↑高知の魅力について語るユージさん。10代のころ、建築関係の仕事をしていたこともあったとか

 

「野菜を育てる番組をNHKさんでやってまして、それで高知県に美味しい野菜がたくさんあるということで、最初はお仕事のご縁で高知県に行かせていただきました。そこで自分自身が高知の魅力にだんだん気づき始めまして……。高知には非常に歴史的な建物がたくさんあって、素敵だなと思っていたんですけど、ひとつだけ、これはもったいないなと思う建物がありました。それが旧岡御殿でした」(ユージさん)

 

田野町の観光名所「岡御殿」の2軒隣にある「旧岡御殿」こと「西の岡邸」のお庭を見事再生させることに成功したユージさん。今回のプロジェクトでは、「せっかくお客さんが来るんだったら、来ておしまいじゃなく、美味しい食べ物を知ってもらいたい、町の魅力も知ってもらいたい」と、お土産セットを提案する予定とのこと。ユージさんらしい、人を楽しませるようなお土産セットになりそうですね。

↑「平成の海援隊」として集ったメンバー。個性派揃いでいかにも海援隊!?

 

今回発表された6つのコラボプロジェクト「平成の海援隊」は、まだ詳細未定な部分も多いですが、どれも気になるものばかり。今後も正式発表され次第、詳しく紹介していければと思います。

 

撮影/我妻慶一