ファッション
2018/6/25 19:00

スマホは洋服で充電!? 太陽電池は「着る」時代へ

血圧や体温、睡眠時間などを継続的に測定し、健康管理を行うウェアラブル端末が次々に開発されています。そんなウェアラブルデバイスで必要となるのが電源の確保。特に、小型電池の開発が求められています。

 

理化学研究所は、薄さが3マイクロメートルの超薄型有機太陽電池を開発。しかもアイロンを利用して布地に貼り付けることができるため、「洋服を着て充電する」時代になると期待が集まっています。

 

洗濯もできる3マイクロメートルの極薄有機太陽電池

ウェアラブルデバイスなどの電源に応用可能な小型電池の開発に、理化学研究所が着目したのが、「衣服に貼り付けられる有機太陽電池」です。衣服に貼り付け可能なら、十分な面積を確保できるし、日常生活を送りながら自然環境下で電力を確保できるわけです。

 

2017年9月、理化学研究所は新しい半導体ポリマーを利用して、極薄の有機太陽電池の開発に成功。それまでに報告された柔軟性の高い有機太陽電池のエネルギー変換効率が4.2%だったのに対して、新たに開発された極薄の電池は7.9%を達成。さらに、厚さ3マイクロメートル(μm=1000分の1mm)の超薄型有機太陽電池を2枚のゴムで挟み、耐水性も伸縮性も備えることが可能になったのです。そのため、Yシャツに有機太陽電池を貼り付けておけば、洗剤で洗濯しても使えるのです。

 

 

100度の熱でも問題なし! アイロンで貼り付け可能

薄さがわずか3マイクロメートルの超薄型有機太陽電池の開発に成功した後に出てきたのが、布地へどうやって貼り付けるかという課題です。

 

そこで、理化学研究所は東レ株式会社などの研究グループとともに、アイロンの熱を使って超薄型有機太陽電池を布地に貼り付けることを研究。エネルギー変換効率と耐熱性を併せ持つ新しい半導体ポリマーを開発することで、100度に加熱してもエネルギー変換効率がほとんど変化しない超薄型有機太陽電池を開発したのです。

これによって、布地の接着などに一般的に利用されている手法を用いて、アイロンで簡単に貼り付けられる超薄型有機太陽電池ができあがりました。

 

髪の毛の太さが50〜100マイクロメートルほどのため、3マイクロメートルというと、それよりもさらに薄いことになります。そんな極薄の有機太陽電池なら、布地に貼り付けたところで、ほとんど違和感はなさそうです。

  1. 1
  2. 2
全文表示