ベルギーのバッグブランド「Kipling」(以下キプリング)は、ビデオゲーム「パックマン」の誕生40周年を記念したコラボ製品「KIPLING × PAC-MAN COLLECTION」を展開します。
今回発表されたのは、キプリング初となるポリカーボネート製トロリー「キュリオシティエス」をはじめ、トラベルバッグ「アートエム」、バックパック「デリア」「デリアコンパクト」、クロスビディーバッグ「アドリア」「ハンガ」「ジオ」など、全部で20種類ものコラボを展開します。(※詳細は以下のギャラリーでご確認ください)
さて、パックマンは世界的に人気のゲームですが、なぜ日本発のゲームであるパックマンが、ベルギーのブランドであるキプリングの“心”をつかんだのでしょう。
キプリングのハナン・サブリ氏は、今回パックマンとコラボした理由について、「パックマンもキプリングも80年代に誕生したブランドで、両ブランドともレトロ感、楽しさ、色鮮やかさという共通点や、“アイコニックなキャラクター”の存在という共通点」から、コラボの相手に選んだと語っています。また、キプリングのデザイン担当副社長のダニエラ・ウォルフェ氏は「キプリングは当時のクラシックなピクセルをモチーフとしたスタイルにインスピレーションを得ました」というコメントを発表しています。
なるほど、一目で「これだ!」とわかるアイコニックな造形がウケたのですね。キプリングといえば、バッグに一目でキプリングだと認識できる「モンキーチャーム」がついているのが特徴で、あれこそキプリングの“アイコン”といえるでしょう。なんと、今回のコラボモデルでは、そのモンキーチャームが2Dピクセルになっているんです! これは筆者も予想外の仕様で、思わずニヤッとしてしまいました。まさかあの猿のぬいぐるみが平面ドット絵調に(笑)。
さて、キプリングは、FW2019(2019年秋冬モデル)より、ミレニアル世代をターゲットとしているそうです。しかしながらパックマンが誕生したのはミレニアル世代の皆さんが生まれるよりもはるかに前ですが、では、今回キプリングがターゲットとしているミレニアル世代の皆さんは、パックマンのどんなところに魅力を感じるのでしょうか? 実際に発表会の会場にいたミレニアル世代の方に聞いてみました!
聞いてみたところ、「レトロな感じが逆に新しくて、そんなところに惹かれる」「パックマンに詳しいわけじゃないけど、レトロ感が逆にかわいいと思った」という、レトロ感を推す声や、「今のゲームにないようなドット絵の感じが惹かれた。特にお化けのキャラクターがかわいい」「今は自分が映画の中にいるようなグラフィックのゲームばかりだけど、二次元でシンプルに、無駄がなくて良い」など、シンプルイズベストであるグラフィックを推す声が集まりました。
やはり、「ピザからヒントを得た」という“伝説”もある、黄色い円の一部が欠けたミニマルかつインパクト大なデザインはミレニアル世代もときめかずにはいられないのでしょう。この、シンプルで“誰でも描ける”というのはとてもすごいことで、例えば、パックマンと同じくビデオゲームの世界的なスーパースター「マリオ」を描いてと言われても、なかなか意外とマリオって描けないものなんですよ。
でもパックマンなら誰でも描ける。それこそが、パックマンのデザインが優れているところだと思います。また、話を聞いたミレニアル世代の中には、「父親がやっていた世代だから(パックマンは)知っていた。ゲームが好きなのでプレイしたこともある」というコメントもあり、当時リアルタイムで遊んだのはもうアラフィフの方々だとは思いますが、誕生から40年を迎えても、まだまだ現役で、世代を超えて愛され続けているIPです。
もう少しだけパックマンについて。パックマンは2005年、25年という節目の年に「最も成功した業務用ゲーム機」としてギネス認定を受け、2010年にはGoogleのDoodleに登場したり、2015年には映画「ピクセル」で活躍したり、周年の節目に世界規模でアニバーサリーが祝われています。
また、2015年には「カタログIPオープン化プロジェクト」と呼ばれるIPをクリエイターに解放するプロジェクトも行われ、より“近い存在”になる環境が整えられました。愛されるキャラクターであり続けるための戦略もしっかりしているという印象です。
というわけで、GetNavi web世代にはバッグは持つのをちょっと躊躇うかもしれませんが(もちろん筆者は全部欲しい! 笑)、ポーチはぜひおすすめ。遊び心を忘れない大人をアピールするには、パックマンは唯一無二のキャラクターだと思いますよ。
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