ゲーム&ホビー
玩具
2021/3/31 19:00

コロナ禍でも業績アップした「レゴ」の戦略とは?

2020年は世界的に新型コロナ感染症の影響が広がり、業界・業種によって浮き沈みの差の大きい1年となった。そのなかで、テレワークやステイホームなどの需要に対応できた分野は業績を伸ばしているが、ゲーム・ホビー分野もコロナ禍で伸長した業界のひとつである。

 

玩具メーカーのレゴジャパンは、2020年のレゴグループの決算と2021年の戦略について、「レゴジャパン メディアデイズ#1」と称したメディア向け説明会を開催した。

↑レゴジャパンのオフィス入り口に飾られている巨大なレゴ作品

 

まず2020年の決算だが、世界的にコロナ禍の影響によりステイホームが推奨されるなかで、屋内で子どもや家族と楽しめるレゴは好調な売り上げを記録。グループの売り上げは昨年比13%増の7600億円、販売額は同21%増で、利益は19%増の2240億円となった。

 

好調を牽引した要素のひとつはEコマースへの投資の強化だ。同社はデジタル分野に注力しており、グループのEコマースプラットフォームをアップグレードした結果、2020年は前年比で約2倍のアクセス数を記録。もちろんこれはコロナ禍で店舗を開けることができなかった期間に、オンラインに客が集中したことも考慮すべきだが、かなり高い伸びを見せているといえよう。

 

デジタル分野における取り組みはEコマースだけに限らず、パッケージに同梱される組み立て説明書をアプリ上で確認できるようにしたり、子どもが自分の作った作品を世界中に公開できるSNSサービス「レゴライフ」を展開したりと、デジタルネイティブないまどきの子どもたちを意識したものとなっている。

 

趣味として楽しむ「大人のレゴ」

また、従来は子ども向けのラインナップが中心だったレゴの世界に、新たに“大人が趣味として楽しむレゴ”を追加したことも成長の要因となっている。この「大人のレゴ」は、余暇にゆっくりレゴを作って楽しむことをイメージしたもので、従来よりもディテールにこだわっており、価格帯もやや高くなっているのが特徴。特にコロナの影響を受けて企画されたものではなかったが、自宅で過ごす“すごもり需要”が追い風となった形だ。

 

ラインナップは、大人の趣味を意識したものが中心となっており、盆栽のようなものやカラフルなフラワーアレンジメント、グランドピアノ、スポーツカーなど、作って飾りたくなるようなアイテムが用意されている。2020年に約60種を上市したが、2021年はさらに倍増し約120種を展開する予定という。

↑テクニック フェラーリ 488 GTE AF コルセ #51

 

↑子ども向けのモデル(写真右)と比べると、その大きさやディテールの細かさは一目瞭然

 

↑クリエイターエキスパート 盆栽 10281

 

4月1日には、1990年4月に打ち上げられたNASAのスペースシャトル「ディスカバリー号」を忠実に再現したレゴセットを発売。こちらは2354ものピースからなり、スペースシャトルの着陸装置や3つのメインエンジン、さらにハッブル宇宙望遠鏡なども忠実に再現されている。サイズはW34×H21cm×D54cmとかなりの大きさで、作るのに時間がかかりそうなぶん、出来上がったときの満足度も高くなっている。

↑4月1日発売の「NASA スペースシャトル ディスカバリー号」

 

2021年の戦略としては、Eコマースへの注力と同時に、実際に製品に触れる体験を提供する場として、実店舗であるレゴストアの拡充が上げられた。国内のレゴストアは3月末時点で28店舗となっており、そのうち21店舗が2018~2020年の3年間にオープンしたもの。2021年にも数店の出店を予定しているという。

 

また、2020年にヒットした任天堂とのコラボによる「スーパーマリオ」シリーズのように、パートナー企業とのコラボ製品にも力を入れていくとのこと。イケアやアディダス、ディズニーなどの世界的な企業のほか、国内企業とのコラボ製品も予定されている。

↑2020年夏に発売されたスーパーマリオシリーズは、当初計画の2倍売れているというヒット作

 

このほか、環境に配慮したサステナブルな植物由来のプラスチック素材の採用や、子どもに安心・安全なデジタル環境の構築などの企業目標についての説明も行われた。

 

新型コロナ感染症による世界経済へのダメージは計り知れないが、今回のレゴの決算報告および戦略発表は、アフターコロナの世界で企業が生き残るためのヒントが得られる内容となった。

 

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