ゲーム&ホビー
2023/3/13 12:00

PS VR2体験記!自宅リビング壁一面をPS5環境にした編集長が沼って唸ったポイントは?

Sponsored by 株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント

2023年のゲーム業界、いやデジタルデバイス全体でも最も注目度が高いと言える「PlayStation VR2(PS VR2)」が発売された。すでに多くのメディアやレビュアーが記事を公開しているが、本稿では、ライフスタイル&モノ・ガジェット視点で本機の魅力をお伝えしていきたい。

 

体験するのはこれまでもPlayStation 5(PS5)のレビュー記事をお伝えしてきた私、編集長・山田。抽選販売や購入条件があったPS5も通常販売となり、ソニーストアはもちろん家電量販店でも購入しやすくなった。詳細は後述するがPS5+PS VR2のセットは、極めて最先端のデジタルデバイスながら「デジタルデトックス」も叶えてくれるという背反する特性を持つ。ゲームファンのみならず、多くの人に生活の潤いを与えてくれると断言できる逸品だ。

 

私の普段のプレイ環境

本編に入る前に、普段のプレイ環境を紹介したい(PS VR2について早く知りたい方は読み飛ばし可)。PS5は2021年春に購入。2年間遊び続けている。迫力を感じたいタイトルは大画面の「ブラビア(4K・60hz)」、細かい操作が必要な作品はテレビ左側にあるゲーミングモニター「INZONE M3(フルHD・120hz/性能的には240hz)」という使い分けだ。

↑オープンワールドゲームなど壮大な世界を旅するゲームにはテレビがピッタリ。また、PS5で映画やドラマを観たりするときもリビングのテレビを使用している

 

「リビングにゲーミングモニター?」と思うかもしれないが、我が家には書斎がないため、リビングの1面をゲーミング&エンタメスペースにしている。PS5のデザインは違和感なくインテリアに溶け込むのが嬉しい。「非日常的な体験ができるのに日常に溶け込むマシン」なのだ。ここにさらにPS VR2が加わるわけで、日常と異世界の境目がますますなくなる。なお、リビングでの2画面体制は家族と画面の取り合いにならず、円満な家庭生活にもつながっている。

↑シューターゲームやレーシングゲームなどフレーム単位の表示にこだわりたい作品はゲーミングモニターで

 

PS VR2って簡単に言うとどんなデバイス?

↑本体は7万4980円(税込)。同梱物はPS VR2ヘッドセット、PS VR2 Senseコントローラーおよび、USBケーブル(タイプC)とステレオヘッドホン(イヤーピース付き)

 

まず、PS VR2のスペックを簡単に紹介したい。初代PS VRの約4倍の解像度を持つ2つの2000×2040の有機ELディスプレイを搭載。フレームレートは90/120hz。視線はもちろん、瞬きも感知する「視線トラッキング」機能が優秀だ。サウンド面でも「Tempest 3Dオーディオ技術」で立体感ある音を楽しめる。

 

そして注目は「PlayStation VR2 Senseコントローラー」。近未来的なオーブ型のデザインには、リアリティある振動を伝える「ハプティックフィードバック」や、トリガーを押す重さが変わる「アダプティブトリガー」などさまざまなフィードバック機能が搭載され、身体感覚を再現する。

↑使用時のイメージ。装着時にはストラップを通して使う

 

【映像表現】「ほぼ現実」「ほぼ実写」では表しきれない感動的な描写

それでは、もっとも気になるであろう映像表現について、3本のタイトルを例に挙げて紹介していこう。

 

①『Horizon Call of the Mountain

【発売中/7980円/アクション】文明が崩壊し、「機械獣」が闊歩する世界を探索する人気オープンワールド・アクションRPGシリーズから登場したVR専用タイトル。直感的な動きで険しい山を登り、矢を撃って機械獣と戦う

 

ゲームが始まった瞬間から、4K HDR、有機ELディスプレイによるジャングルの大自然が広がる。まず、気付かされるのは、その鮮やかな色彩。美しく透き通る水面、生い茂る樹々にため息が出るばかり。特にすごいのは同作を象徴する機械獣たち。金属の冷たさがありありと伝わってくるのに、そこに動物のようなしなやかな動きが融合自然と人工物が一体となっている世界を一人称の視点で満喫できる。

↑オープニングシーンで出現する機械獣。あまりの巨大さに…(次写真に続く)
ただただ、開いた口がふさがらない

 

映像からは少し離れるが、3Dオーディオユニットによるリアルな自然音も手伝って没入感は格別。鳥のさえずりひとつをとっても遠くで鳴いているのと、近くで鳴いているのが直感的にわかり、音だけで距離感が表現されている

 

その結果、美しいを通り越して、作品全体に生命の躍動感、力強さが宿っている。その機械獣があちこちに潜み、ふと視線を反らすと雄大な滝が流れていたりするから、もうどこを見ても新鮮(笑)。光景の情報量に圧倒される。PS VR2を現時点で最も体感できるショーケース的なタイトルだ。

↑片手を上げて何をしているかというと(次写真に続く)
一生懸命崖を登っています。実際には両手を動かしているだけなのに、息が切れている自分に驚き。それだけの臨場感があるということ
Horizon Call of the Mountain™ ©2022 Sony Interactive Entertainment Europe. Developed by Guerrilla. “Horizon Call of the Mountain” is a trademark of Sony Interactive Entertainment LLC.

 

②『グランツーリスモ7』VRモード

【発売中/PS5版:8690円/リアルドライビングシミュレーター】2022年3月発売の看板シリーズ最新作。2月に配信された無料アップデートにより、ほぼすべてのモードでVRプレイに対応(画面分割によるオフライン2Pプレイヤー対戦を除く)。VR専用モード「VR ショールーム」では、超高精細なカーモデルを心ゆくまで鑑賞できる

 

アップデートによってPS VR2に対応した『グランツーリスモ7』。このタイトルは、通常の「DualSense ワイヤレスコントローラー」での操作となっている。

↑本作は座ってじっくりプレイしたいので、モニター側のイスでプレイすることが多い。なお、プレイする場所を変更する場合は、プレイエリア(遊ぶ範囲)を都度設定する必要があるが、スキャンはすぐにできるので、手間はかからない

 

簡潔に言うと、「もう、運転している」リアルドライビングシミュレーターではなくて、リアルドライビングしちゃっている感覚だ。都市高速のトンネル内部に貼られたタイルの照り返し、200km/h付近から感じられる景色が流れて世界が溶けていく感覚ーーどこを切り取っても、実際に走っているときに感じられる内容だ。

 

というとありきたりなので別の観点からも説明したい。私はドライビングゲームをするとき、コースマップやスピードメーターなどを見ている時間が長い。私が初心者レベルということもあるが、目の前のコースを見て走るよりは、UIからのインフォメーションで運転しているところがある。

 

ところが、PS VR2でプレイすると、車速が体感できてオーバースピードなのか、攻められるのかが実感としてわかる。UIなどの数字的な情報に加えて、目の前に広がるコースからの情報が一体化してドライビングできている点が実に新鮮だった。

↑リアルすぎて、定番の「身体ごと動いちゃう」も出ちゃいます

 

もうひとつだけ。長くなるので簡潔に。室内の描写も凄まじい。カーボンの模様が浮き上がる感じ(下キャプチャー参照)、革やプラスチックの質感なども再現されている。リアルドライビングシミュレーターを超えて、カーライフシミュレーターそのもの。

 

ゲーム自体にそこまで興味のない、という人でも、『グランツーリスモ7』+PS VR2は絶対に買って損のない内容だ。もう少し強い言葉でいえば、クルマ好きでこの経験を味わないのは人生もったいない気さえする。

Gran Turismo® 7 © 2023 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc. “Polyphony Digital logo”, “Gran Turismo” and “GT” are registered trademarks of Sony Interactive Entertainment Inc. Manufacturers, cars, names, brands and associated imagery featured in this game in some cases include trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. Any depiction or recreation of real-world locations, entities, businesses, or organizations is not intended to be or imply any sponsorship or endorsement of this game by such party or parties. All rights reserved.

 

③『バイオハザード ヴィレッジ VRモード

好評発売中の『バイオハザード ヴィレッジ』も無料ダウンロードコンテンツでPS VR2に対応。ストーリー全編をVRで楽しめる。PS VR2の鮮明なグラフィックと視線トラッキング、3Dオーディオにより、究極の没入感が味わえる

 

『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』は有機ELディスプレイが得意とする黒の表現がすごい! 本当は何もないのに、暗闇から何かが飛び出してきそうという恐怖を増幅させる表現力がある。感覚が実際の体験と勘違いするほどのリアルさがある。これは自分に疑心暗鬼になるという怖さだ。本当に怖いのは自分という存在なのだ。

↑本編始まってすぐの雪道を進むシーン。ここではクリーチャーなどが出てくる場面でもないのに…(次写真に続く)
早くもへっぴり腰スタイル。実際は小さな岩が転がってきただけなのだが、それぐらいの演出でもこうなる

 

『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』で特筆すべきは、「作品性の高さ」と「現実に戻りたい」が混じり合う点。ゲームなのに(一刻も早く)現実に戻りたいと思わせる点がオンリーワンである。同時に、銃や道具を華麗に使ってストーリーを進めたいから、また『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』に飛び込みたいと感じさせる点も秀逸。実際にプレイすることで、このせめぎ合いを存分に体験できるはずだ。

©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

 

【操作性】映像を支えるのは緻密すぎる入力UIがあってのもの

4K HDRディスプレイや110度の広い視野角、快適な装着感など進化したヘッドセットの素晴らしさは言うまでもないが、PS VR2が他のVRデバイスと決定的に異なるのがコントローラーである「PlayStation VR2 Senseコントローラー」。入力部にもこだわり抜いているのがゲームプラットフォームホルダーのソニーらしい。

↑左手に△と□を配置。人差し指部分がL1、中指部分にL2ボタンがある
↑右手に○と×を配置。人差し指部分がR1、中指部分にR2ボタンがある

 

握ったとき、自然と手に馴染む人間工学的デザインが特徴。従来の○×△□ボタンは、○×が右手のコントローラー、△□が左手のコントローラーと大胆に2分割されている。操作性で言うと、PS5のコントローラーの特徴でもある、押し込み感が変化する「アダプティブトリガー」と触覚に訴えかける振動機能「ハプティックフィードバック」が搭載され、さまざまなシチュエーションで重さや触感の実感が伴う。

 

『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』では銃を撃ったときに引き金のずしりとした重さと反動が得られ、ショットガンではさらにコントローラーに発砲時の振動が伝わる。さらなる臨場感と迫力を味わえた。『Horizon Call of the Mountain』では道具によってトリガーの抵抗感が変化。特に弓を引き絞って放つ動作は全身にまで余韻が残った。

↑『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』でハンドガンを撃っている様子。引き金の重さと撃ったときの反動があってわかりやすい(下画像は実際のキャプチャー)
↑銃を取り出す、マガジンを装填する、コッキングするといった動作も現実さながらに行える。“なりきり”プレイも「バイオハザード ヴィレッジ VRモード」ならではのプレイ体験だ

 

↑『Horizon Call of the Mountain』で弓を射つ様子。『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』も『Horizon Call of the Mountain』も腕を大きく動かす場面が多いので、写真ぐらいの広さがあると安心だ
↑観ている映像はこんな感じ

 

VRはフィードバックが少ないと、身体感覚との乖離がどんどん大きくなり没入感が薄まる。視覚だけではなく、体の反応がしっかり得られるというのは優れた点だ。

 

また、プレイヤーが見ている部分を鮮明に映し、それ以外の解像度を落とすフォビエートレンダリング技術も没入感を高める工夫。これによりGPUパフォーマンスも上がり、リフレッシュレート(90/120hz)の向上にもつながっている。人間の目と近い見え方になりつつ、パフォーマンスもアップさせるという一石二鳥な技術でとにかく素晴らしい。

 

そして、1番驚かされたのが視線トラッキング。見ている先をポインティングできるため、操作性という意味でも非常に便利な機能だ。しかも、瞬きも検知する高性能ぶり。「リズムゲームで瞬きの動作を入れる」「アイドルゲームでウインクをする」といった新たな操作も今後入ってきそうだ。

↑目線の動きを検知するセンターは本体内部のレンズの間にある

 

自動車の分野ではすでに、瞬きの回数やまぶたの状態から運転の疲労度を推測してアナウンスしてくれる技術が導入されている。それと似たような形で「一定時間プレイしたらメッセージを表示してくれる」など、安心なプレイ環境をサポートする機能にも応用できるかもしれない。視線はもちろん、瞬きも感知する機能は、一般的にはハイエンドVRデバイスに搭載されるもので、PS VR2の価格帯では驚きの一言。

 

【使い勝手】使ってみて「実際どうなのよ?」に回答

長くなってきたので、ここからはQ&A形式でPS VR2への素朴な疑問に答えていきたい。

 

Q:ヘッドセットの装着性ってどう?

A:すごくいい。軽いというか、重さをまったく感じない。つけている実感はもちろんあるが、首が疲れたり、動きづらかったりはなく、体の一部になっている。

 

Q:映像酔いはする?

A:個人的に映像酔いはなかった。ヘッドセット自体にもモーターが内蔵され、振動により視覚と感覚がシンクロしやすくなっている。視覚と感覚のズレによる酔いは初代PS VRよりも軽減されている印象。

 

Q:ヘッドセットはメガネありでもいける?

A:全然いける。眼鏡越しでも映像は歪まずクリア。PS VR2は頭のサイドをうまく固定するから痛くもないし、こめかみだけを締め付けるということもない。重みがバランスよく分散されている。

 

Q:各種接続は面倒くさくない?

A:PS5とPS VR2をUSB-タイプCのケーブル1本でつなぐだけなので、まったく面倒くさくない。ケーブルの長さも4.5mと余裕たっぷり。

 

Q:どれぐらいのスペースが必要?

A:座ってプレイする分には、手の届く範囲に物がなければ大丈夫。立ってプレイするときはゲームによっても異なるが、一般的には2m×2m以上のプレイエリアが必要とされる。

 

Q:まわりの確認ってできる?

A:本体のファンクションボタンを押すと、ヘッドセットを装着したまま周囲が見れる「シースルービュー」に移る。映像はモノクロだがスマホの文字も読める解像度の高さ。未来を感じる。

↑本体を下部から見た様子。黒のパーツ部に3つボタンがあるが、右がファンクションボタン。中央は電源ボタン

 

Q:映像配信サービスやBDは観れるの?

A:「シネマティックモード」で映像配信サービスやBDを視聴できる。VRではなく仮想空間上に巨大なスクリーンが投影され、自分専用の、映画館さながらの大画面で楽しむことができるシステムだ。画質は1920×1080ピクセル(フルHD)HDR。

 

Q:プレイしながらテレビにも映せる?

A:映せる。これは前モデルのPS VRと同じ。家族や友人がプレイするのを見ながら一緒に盛り上がれる!

 

Q:テレビなしで遊べるの?

A:遊べる。最初の設定時はテレビ(モニター)につなぐ必要があるが、1回設定してしまえばテレビなしでも大丈夫。

 

Q:遊ばない時はどうやって片付けておくのが正解?

A:テレビ台がジャストサイズだと厳しい可能性があるが、左右に余裕があればそこに置ける。オフィシャルの周辺機器でコントローラーの充電台が発売されているので、それを使えばよりキレイに片付けられる。

 

このあたり、細かい仕様や活用方法は公式ブログの解説記事にまとまっているので、そちらを参照してほしい。

【PlayStaion BlogによるPS VR2解説】徹底解説! PlayStation®VR2

 

【まとめ】ライフスタイル視点から見たPS VR2の希少な価値

PS VR2は、コロナ禍まっただ中の「おうち時間」のトレンドに重ならなくてよかったと思う。というのも、もし重なっていたら、PS VR2は単に「おうち時間を充実させるためのツール」と位置付けられてしまった可能性があるからだ。

 

なんでこんな話から始めたかというと、PS VR2はどこか違う世界にいざなってくれるデバイスであり、自分を日常から「切り離してくれる」点に価値がある。おうち時間を過ごすためという領域には留まらないプロダクトだと感じたからだ。

 

「切り離された時間」が提供してくれるものは、「旅行やキャンプに行って、疲れたけど充足感に満ち溢れている」という感覚に近い。もしくは、「料理に集中して得られる満足感」「サウナに入って整った状態」とも言える。没頭することで自分がリセットされるような体験だ。

 

いまやお風呂に入る時もスマホを持ち込む時代だし、ゲーム中もスマホが気になってしまうほど常に人々はオンライン状態。仕事もプライベートもオンオフは曖昧だ。でも、PS VR2をプレイしている時間は、スマホを見ることはない。シースルービューを使えば可能だが、そこまでしてSNSもメールもチェックする気にはならない。現実世界と適度に切り離されているところに面白さがある。PS VR2というデジタルデバイスによって、デジタルデトックスもできるのだ。

 

まとめ/柚木 鮎 撮影/福永仲秋(Anz)