2016/9/2 18:36

目指すは第一次予選通過! 「ミニ四駆ジャパンカップ2016」に初心者レーサーがチャレンジ

現在、「富士通 乾電池 提供 ミニ四駆ジャパンカップ2016」のエリア代表決定戦が全国各地で開催されています。関東では2回目、全国では9回目となる「東京大会2」が8月28日(日)に品川シーサイドフォレスト・オーバルガーデンで開催されました。同大会にミニ四駆初心者のホビーライター河上 拓さんが「ミニ四駆 超速ガイド2016-2017(以降 超速ガイド)」の記事を参考にセッティングしたマシンで参戦してみました!

 

 

■超速ガイドを参考にマシンをセッティング

今回、参考にしたのは「ミニ四駆 超速ガイド2016-2017」9ページに掲載の、MCガッツさん考案の“ガッツでGO!! ノンブレーキ番長マシン”だ。「ウルトラバーニングサーキット2016」の完走することが立証済みのこのマシンを参考にセッティングすることで、第一次予選通過を狙うという作戦だ。

 

使用するベースマシンはARシャーシ採用のエアロアバンテ。じつは筆者は、このマシンで2014年のジャパンカップ予選に初参加している。意気揚々と挑んだ初レースでは、2つめのコーナーであっさり吹っ飛んでしまった。

 

そんな悲しい思い出の詰まったマシンを手に、レース前日に向かったのは「超速ガイド2016-2017」でも紹介されているミニ四駆バー・DRIBAR池袋店。

 

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ジャパンカップ予選の前日ということもあり、店はたいへん混雑しており、みなさん真剣にマシンをセッティングしていた。保戸田店長の丁寧なレクチャーとアドバイスを受けながら、なんとか3時間ほどで完成!

 

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当初はMCガッツさんの完走モデルをボディ以外、完全再現する予定だったのだが、作っているうちに欲が出始めて、いくつか独自のセッティングを加えてみた。

 

いちばんの理由は、すでに参加者の多くがコースを攻略し、全体のラップタイムが上がっていること。「超速ガイド」によると、MCガッツさんマシンの5周完走時のタイムは49.49秒。現在、オープンクラスの決勝では41.00秒を切るマシンも多いとの情報もあり、初心者なりに、さらにスピード重視のセッティングに挑戦したというわけだ。

 

まず、タイヤサイズを中径(ローハイト)から大径タイヤに変更。車高が上がったため、ブレーキスポンジの厚みを1mmから、3mmにすることで、バランスをとった。さらにリアの17㎜アルミベアリングローラー(3本スポークスタイプ)を、プラリング付きアルミベアリングローラーに変更。摩擦抵抗の大きいゴムリングからプラリングにすることでスピードアップを図った。ボディは14年ジャパンカップの物販で購入したエアロ マンタレイのメッキ仕様をチョイス。これなら目立つし、見失うこともなさそうだ。帰宅後、モーターのならしも行い、万全を期して翌日の予選に挑んだのだった。

 

 

■会場には2,634名ものレーサーが集結!

戦いの地となる、品川シーサイドフォレストに10時頃に到着! 現在、中学3年生以上が対象となるオープンクラスは専用アプリ・TAMIYA PASSPORT(タミヤパスポート)による事前申し込み方式となっている。アプリで事前に登録してレースにエントリー。参加定員を上回った場合は抽選となり、当落結果が表示される仕組みだ。前回の「東京大会1」は落選してしまったが、今回は見事当選! まずは、受付へ。当日の受付もアプリに対応しており、Bluetoothビーコンですぐにチェックインができる。そちらの画面を受付で見せることでスタンプを押してもらい、エントリーシールを受け取ればチェックイン完了だ。

 

↑スマホアプリでチェックイン
↑スマホアプリでチェックイン
↑チェックイン画面を係員に見せると……
↑チェックイン画面を係員に見せると……
↑識別用のスタンプを押してもらって受付完了だ
↑識別用のスタンプを押してもらって受付完了だ

 

以前は早朝から長蛇の列に並ぶことが多かったチェックインが、スムーズにできるようになったのはなんともうれしい。ストレスを感じることなくレースに挑めるのは素晴らしいことだ。もらった番号は2400番台。午後の部の出場となったため、会場をぶらつくことにした。

 

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物販ブースは今回も賑わっており、大量のグッズを購入する人たちでいっぱい。特に会場限定の缶バッジは人気となっていた。

 

コンクールデレガンスにも多数のレーサーが参加。「東京大会1」と比べてもさらに多種多様な作品が集まっており、見応えがある展示となっていた。ミニ四駆をキャンバスに作られた作品は、すでにアートの域に達しており、目を見張るクオリティの作品が多数エントリー。一台一台見ていると、あっという間に時間が経ってしまった。この展示だけでも十分に来場する価値がある。

 

↑チビッ子にも大人気のミニ四リーマン(写真右)
↑チビッ子はもちろん、大人にも人気のミニ四リーマン(写真右)

 

移動中の広場では、ミニ四駆界のアイドル・諌見友風(いさみゆうか)さんを発見! その後、ミニ四リーマンに遭遇! 2人ともファンが写真を一緒に撮ってもらうために列を作るほどの人気者だ。ちなみにミニ四リーマンは今回、抽選で落選してしまったとのこと。

 

タミヤのミニ四ドクターや、MCガッツ氏も、仕事の合間に気さくにサインに応じるなどファンの子供たちと交流していた。こういった楽しみかたも公式イベントならではだ。

 

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まだまだ時間があるのでレースを視察。この日は雨対策のため、屋根のあるスペースにコースが設営されていた。すでに開催回数を重ねており、完走するマシンが急増すると思っていたのだが、予想に反してまたもやコースアウトするマシンが続出!

 

初戦の「東京大会1」では、目玉となる高さ約1700mmのレーンチェンジャー「バーティカルチェンジャー」と、その手前の約470mmの上り坂と、二段下りのステップが続く、複合セプション「ジ・アルプス」でコースアウトするマシンが目立ったが、今回はそこにさしかかる前のヘアピン「ニューエラターン」を曲がりきれず飛んでいくマシンが多かった印象だ。これは他のマシンに勝つために安定感を捨て、さらなるスピードアップを図った結果、直前の「ダブルドラゴン」での加速を制御できずにコースアウトしてしまったようだ。

 

というか、まさに筆者のマシンが、それなんですけど!!

 

一瞬、「超速ガイド」の完走確実なMCガッツ氏のモデルまんまのセッティングに、いまから変えるべきか? という考えが頭をよぎるが、やはりここは自分を信じてこのままのセッティングで行くことにした。

 

 

■いざ、レースへ!

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そしてついに2300~2400番の出走のアナウンスが! サクッと車検を済ませて、レースへ。コース番号は1番。5レーンにあるバーティカルチェンジャーには最終ラップで突っ込むこととなる。

 

ここで、「ウルトラバーニングサーキット2016」をコースイラストでご紹介。(レース写真がない理由は後述)

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電源を入れて、スタート位置に着く。緊張の瞬間! で、いきなりスタートで出遅れた! 対戦メンバーのマシンをチラ見していてスタートシグナルを見逃してしまったのだ!

 

とりあえず、走り出したマンタレイは5番手のまま、角度30度の180度ターンするバンクコーナー「クイックターン」、45度バンクの「グラインドバンク45」を難なくクリア! そのまま2つのドラゴンバックが待ち受ける「ダブルドラゴン」へ。ここもあっさりと走りきり、(というか9mのストレートで思ったより加速して)ヘアピン「ニューエラターン」へ! ここで前方の1台が曲がりきれずにリタイア! マンタレイも少しバランスを崩し、グラついたかに見えたが、なんとか抜けて難関「ジ・アルプス」へ。

 

気づくと他のマシンとの差が縮んでいる! 「ダブルドラゴン」での加速が効いたようだ。スピード重視作戦は成功か!? 「ジ・アルプス」でのジャンプも成功! と、ここで、他レーンのマシンが着地に失敗し、コースアウト! ……と、思いきや、そのままマンタレイの走るコースへ飛び込んできた! あれ? つうか、どっちがマンタレイだ!? ものすごいスピードで同じレーンを走る2台(編集部注:他のマシンのコースに飛び込んだ時点で失格です)。どちらも黒く見える。メッキボディはまわりが映り込むのだ!

 

カメラマンさんも見失ってしまったほど。レースの写真がないのはそのためだ。

 

あれ、あれれ? と思っているあいだに2周目に突入! もう1台がリタイアしたようで、走っているのは3台。黒いマシンのどちらが自分のマシンかわからないから「ジ・アルプス」でよく見て確認しよう! と、ジ・アルプスの頂上付近を見つめて待つこと数秒……。あれ? ぜんぜん来ない……。ふと、見るとその前の「ニューエラターン」付近でコースアウトして裏返っている無残なマンタレイの姿が!! ……私の夏が終わった。

 

ラストの1台も「バーティカルチェンジャー」を駆け上がることができずにリタイア。このレースは全台リタイアという結果となった。

 

MCガッツさんのセッティングをそのまま真似ていれば、完走できた可能性が高い。「なんで他の人のレースを見たときにセッティングを変えなかったんだ!」と思っても後の祭り。もっとMCガッツさんを信用していれば。「超速ガイド」スタッフ、それにMCガッツさん、ほんとごめんなさいっ!

 

というわけで、ここでジャパンカップ一次予選の初心者用対策を伝授! 今後も初心者は無理をせず、まず完走することを目的にした安定型で挑むべき。コースアウトするマシンは意外と多いので、(もちろん相手にもよるが)完走さえすれば通過する可能性が格段に上がるはずだ。少しでも速くしたくなる気持ちを抑えたものだけが一次予選を制すのかも(あくまで初心者の場合ね)。

 

あとレースに出て思ったのが、初心者は5台のマシンが猛スピードで走るなかで、自分のマシンを見失いがちってこと。そこで、今回、出場者のマシンを見ていていいなと思ったのが、「N-03・T-03バンパーレスLED(赤)ユニット」に入っているLED。こちらを装備した光を放つマシンは一際目立ち、見失うことがなかった。次は絶対にあれを付けて出場しようと心に誓いました! あとゴールドメタリックボディだけは何色かよくわかんなくなって非常に見にくいので、絶対にやめとけ!

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↑N-03・T-03バンパーレスLED(赤)ユニット/604円

 

 

■チャンピオンは40.00秒台を目指していた!

↑ジュニアクラス上位入賞者
↑ジュニアクラス上位入賞者
↑オープンクラス上位入賞者
↑オープンクラス上位入賞者

 

オープンクラスの優勝は高木秀一さん。ジュニアクラス優勝は長谷川裕亮くんとなった。2人の優勝マシンは9月24日(土)発売のゲットナビ10月号で詳しく紹介する予定だ。

 

ちなみにオープンクラス優勝の高木さんは、5周タイム40.00秒台を目指してセッティングしていたんだとか。もし、完走狙いの安定セッティングで一次予選を通過できたとしても、優勝するにはやはりスピードも必要なのだ。じゃあ結局、どうすればいいのと疑問が出た人は、すぐに「超速ガイド」をチェック! きっとヒントが見つかるはずだ。

 

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タミヤ公式ガイドブック

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【URL】

タミヤ公式ガイドブック販売ページ http://tamiyashop.jp/shop/g/g63636/