ヘルスケア
2017/3/14 19:00

たった30分で春のストレスから脱却できる! 聖地で1ヶ月学んだ筆者が教える「瞑想初心者のためのコツ」

春は明るく希望に満ち溢れている時期ですが、同時に環境変化のストレスが増える時期でもあります。そんな時期にストレス解消法として手軽に始められるのが、いまアメリカや日本の企業が研修に取り入れていて大ブームの瞑想です。

 

集中力や記憶力の増加だけでなく、脱ストレスに大いに役立つことから世間の注目を集めています。もともと、仏教やヒンドゥー教のなかで悟りをひらくための修行として始まったもの。今回は、そんな瞑想の聖地であるインドで学んだ瞑想初心者のための情報をご紹介します。

 

瞑想の聖地に行ってきました!

瞑想を学びに訪れたのは、デリーからバスで北に6時間の場所に位置するヒンドゥー教の聖地・リシケシ(リシケシュ)。ヒンドゥー教の聖地であるとともに世界的なヨガと瞑想の聖地とされています。

 

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↑街の中央を流れるのはヒンドゥー教徒にとっての聖なる川・ガンジス川

 

そんなリシケシの街にはあちこちにヨガと瞑想を教える道場があり、国内だけでなく世界各地から生徒が集まります。

 

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↑300円ほどでヨガや瞑想の授業を受けることができます

 

この街の「ニルバーナヨガ」という道場でヨガと瞑想を教えているインド人の先生のもと、1か月に渡って瞑想の授業に参加し瞑想法を教えてもらいました。

 

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↑最近娘が産まれたという先生は10年以上中国をはじめ世界各地で瞑想やヨガを教えた経験を持つ

 

瞑想には、最近流行りのこの瞬間に集中する「マインドフルネス瞑想」やただ一点を凝視する「トラタック瞑想」などいくつもの種類がありますが、今回学んだのは自身を客観的に見つめる「ヴィパッサナー瞑想」という世界中で最もメジャーな瞑想法のひとつです。

 

瞑想によって得られる効果とは

瞑想の目指すところは、自身を不安や怒り、悲しみや恐れから解放し心を平穏に保ち、喜びを感じること。つまりストレスを解消させ心を豊かにさせることです。瞑想の効果としては、自分を客観視できるようになり不安や緊張、怒りが消える、ポジティブな思考になる、寛容になるなど。

 

また瞑想の先生によると、集中力が増す、ストレスから解放されることで不眠の改善につながる、といった副次的な効果もあるとのことです。さっそく先生に30分でできる瞑想のやり方について教えてもらいました。

 

瞑想を行う時間は人によってさまざまですが、まずは30分間以下に示す瞑想法を試してみてください。

 

ヴィパッサナー瞑想の始め方

瞑想を始める前に重要なのが、瞑想を行う環境です。修行僧や瞑想の先生のレベルになれば、どんなにうるさい場所でも瞑想状態に入ることができますが初心者はそうはいきません。

 

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↑屋内もいいですが静かな海辺や森の中もオススメです

 

まずは、静かで暑さや寒さなど身体的ストレスを感じない環境で始めてみましょう。どうしても騒がしい場所で行うのであれば、イヤホンをして波や小川が流れる環境音のBGMや瞑想用の音楽を聴きながら行うといいでしょう。

 

また仕事の休み時間に行う場合は時計や携帯電話でアラームを設定しておきましょう。インドでの瞑想では基本的にはあぐらが薦められています。両手は膝の上に置くか胸の前で合わせ、背筋はピンと伸ばします。

 

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↑胸を開いて肩の力を抜くのがポイント

 

あぐらが辛いという人は背中を壁に着けて座る、体操座り、椅子に座るなど楽な姿勢から始めて構いません。また仰向けになって行う方法もありますが、決してそのまま寝てしまわないように注意しましょう。

 

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↑仰向けで行う場合は床にマットや毛布を敷くなど固すぎず柔らかすぎない場所を選びましょう

 

ここでいう楽な姿勢とはだらけてしまう姿勢でなく、長時間そのままでも身体共に負担のない姿勢という意味です。環境を整え、あぐらでピタリと静止させ瞑想を始めます。

 

ヴィパッサナー瞑想のコツ

(1)呼吸に集中する:瞑想は何よりも「呼吸」が重要です。この時の注意点としては、鼻でのみ呼吸する、腹式呼吸を行う、呼吸をしていること自体に意識を傾けるの3つ。まずは「息が鼻から出ていくこと」「息が鼻から入ってくること」を感じとり、呼吸にだけ意識を向けます。

 

(2)雑念を深追いしない:最初は呼吸に意識を向けていても様々な雑念が無意識に浮かんでくるかもしれません。たとえば、「人の話し声が聞こえる」「上司からのめんどくさいメールになんて返信しようか」「晩ご飯は何にするか」など。

 

この時に浮かんでくる考えや思考を掘り下げたり、そこから違うことを連想したりせず、あくまで呼吸に意識を戻します。「どんな会話だろう → 呼吸に集中」「どう返信しようかな → 呼吸に集中」「今夜は焼肉もいいな → 呼吸に集中」

 

(3)自分を客観視する:さまざまな雑念が生まれても目の前にフワフワと漂わせておきましょう。そして少し離れた位置から瞑想している自身を客観視します。この時も呼吸に意識を向けることを忘れてはいけません。

 

座って行う瞑想の後に歩きながら行う瞑想に入ることもありますが、今回は座った状態での瞑想のみ。続けていけば、短時間で瞑想状態に入ることができます。

 

また、瞑想を繰り返すうちに瞑想状態に入ります。先生によれば、瞑想状態とは人によって様々ですが、体の感覚がなくなる、心地よい感覚に包まれる、といった特徴がメジャーだそうです。

 

ただし最初から瞑想状態に入ることは難しいとされています。大切なのは瞑想状態に入れないとしても決して「失敗」と思わないこと。まずは心をリラックスさせることを目標にしてみてください。

 

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瞑想と聞いて気構えてしまう人もいるかもしれませんが、決して難しく考える必要はありません。そして毎日行う方が効果的ですが、「絶対に毎日やるんだ」と自分にストレスをかけては本末転倒です。

 

「空いてる時間に瞑想でリラックスできたらいいな」くらいの気持ちで気長に続けましょう。著者が学んだ先生は、瞑想の授業の中でよく「1日の始まりにベッドの上で目をつむり今日がどんな日になるか思いを巡らせる。また1日の終わりに今日がどんな日であったか思い返す。悪い出来事は忘れ去り、仲違いをした相手がいれば許しましょう。それが瞑想の始まりです」と言っていました。

 

みなさんも日々の中でストレスを感じたら、ぜひ目をつむって呼吸に集中してみてください。人類が歴史の中で編み出した究極のストレス解消法は、きっとあなたの生活を豊かにしてくれるはずです。