九伝流のエッセンス
次に、九伝流を構成する要素を見てみましょう。運のほかに、「捻」「極」「引」「伸」「流」「合」「問」「伝」からなります(下記)。
捻:捻ることで症状の根源的な原因である細胞間リンパを浮き立たせる
極:間接をロックし、精神へ作用させる
引:皮膚を引っ張ることで浅筋膜や深筋膜へアプローチする
伸:筋を伸ばし伸筋を復活させる
流:細胞間リンパの塊や硬結を崩して流す
合:利用者と呼吸を合わせて施術する
問:痛みに気が付いてもらえるように利用者に問いかける
伝:塊を触知する指の説得力
このなかでも特に大切なのは何でしょうか? 網戸先生は「合」だと言います。「お客さんはたいてい身体が弱った状態でお見えになられますが、『ハァハァ』『ゼェゼェ』『痛い痛い』と言っているときに、矢継ぎ早に『どうしたの?』『何が痛いの?』と話しかけるのではなく、『どうしたのー?』『大丈夫?』『ちょっと横になってやってみようかー?』といった具合に、呼吸を合わせてあげる。そうすると、お客さんと私の呼吸が合ってきます。そうなるとリラックスして筋肉が弛緩し、リンパの循環もよくなってくるわけですね」
呼吸は気と密接に関係しています。上述の通り、リンパの塊をあぶり出すための関節技があるのですが、それだけではリンパの循環をよくすることはできません。施術をする側が「目に見えないエネルギー」を与えることも必要なんです。
目に見えない世界を非科学的だと言って否定する西洋人と違って、私はこのような世界にも自然と入ることができました。それは私の祖父が手を使った霊能者であったことと関係しています。祖父は術者が手から出る気のようなものを与えないと施術できないと話していました」(網戸)
前編ではリンパや九伝流の本質をお伝えしました。科学とスピリチュアルの世界が融合した術法ですが、九伝流は本当に効くのでしょうか? 後編では、身体の不調を訴えるGNWのスタッフが網戸先生に施術してもらった模様をレポートします。