疲れや運動不足から、足(以降、脚部を含む)の重さやだるさを感じることがあるでしょう。下半身は老廃物が溜まりやすく、血行不良になりやすい場所。老廃物の排出を促し血行をよくすることで、むくみや疲れのないスッキリとした足を取り戻すことができます。
今回は、台湾で技術を学んだのち、25周年を迎えたフットケア専門店「ドクターフット」を創業した、院長・鈴木雅喜さんに、自分でできるケアの仕方について伺いました。
むくみの原因は「食生活」「靴」「着るもの」
足がむくんでいると疲労感があるだけでなく、血流が滞って冷え性になったり足を痛めたり、腰痛の原因にもなります。まずはむくみの原因を知って、普段の生活の中でも対策を心がけましょう。
【原因1】塩分過多な食生活
「塩分の多い食事やお酒の飲み過ぎは、足に限らず体全体のむくみに繋がります。これは、脳が体内の塩分濃度を下げようとして水分を取り込むから起こるのです。食生活を見直すことが大切です」(ドクターフット 院長・鈴木雅喜さん、以下同)
【原因2】足に合わない靴
「足の大きさや脚長は、ほとんどの方が左右で違いますが、ヒールやソールの高さや靴の大きさは左右同じものを履いていますよね。自分の足に合わない靴を履いていると、姿勢が悪くなったり疲れが溜まりやすくなったりし、老廃物が流れにくい足になってしまいます」
【原因3】締めつける洋服を着ている
「スキニージーンズを履いたり女性は補正下着などをつけたりしていると、締めつけがきつすぎて血流が悪くなりやすく、膝や腰などで老廃物が詰まり、むくみやすくなります。着圧ソックスは医療用のものには効果がありますが、一般的に売られているものはオススメしません。体がリラックスできるものを身につけるようにしましょう」
むくみを取るセルフマッサージの仕方
足がむくんでいると感じたら、すねの骨の上を指で強く押してみましょう。凹んだ部分の皮膚の戻りが悪ければ、それだけむくんでいる証拠。老廃物を流し、血行をよくするマッサージをしていきましょう。
【準備するもの】
・クリーム……足や手の皮膚を傷つけないよう、滑りのよいボディクリームをつけて行います。
・白湯……マッサージ中に白湯を少しずつ飲みながら行うことで、老廃物の流れがよくなります。
1. 足裏の腎臓~輪尿管~膀胱のツボを押して老廃物を流す
足の裏の中心あたりから土踏まずにかけてのツボを、親指の第一関節または親指の腹で押しながら少しずつ移動させていきます。
「マッサージは必ず左足から行ってください。心臓が左側にあるので、左から行うことで心臓の機能を向上させることができます。足裏のマッサージと言うと、痛いほど押すイメージがあるかもしれませんが、その必要はありません。軽く押していく程度で十分効果はあります」
土踏まずのあたりが膀胱のツボです。ここまで来たらまた中心に戻り、5往復くらいしましょう。
2. くるぶしの下半分だけを円を描くように押してリンパの流れをよくする
くるぶしの下に親指の腹を沿わせるようにして、かかと側から半円を描くように押していきます。
「ここは足先に向けて血液や老廃物の流れが悪くなる箇所で詰まりやすいため、しっかりと触れて血行とリンパの流れをよくしていきます。こちらも5回くらい往復しましょう」
つま先側が最後の地点です。クリームを塗りこむように力をかけていきます。滑りが悪くなったらクリームを重ねましょう。
3. ふくらはぎを加圧して詰まった老廃物を上に流す
アキレス腱を中心にして両方の親指の腹を沿わせるようにし、下から始めて上へ上へと力を加えながら流していきます。
「手の方を動かすというより、足を前に蹴り出すようにすると、自然と手が上に向かいますから、加圧しやすいでしょう。ふくらはぎにある血管は、下半身に溜まった血液を心臓に戻すポンプの役割をしているとも言われている場所です。ここがしっかり機能していないとむくみは取れませんし、全身の血流が悪くなって代謝が落ちますから、しっかり下から上に流します。こちらも5往復くらいしましょう」
4. 詰まりやすい膝の裏も揉む
今度は手の向きを変えて親指を上にし、4本の指で膝の裏を、親指で膝の上の部分を揉んでいきます。
「下半身に溜まった老廃物を上に流し、滞っていた血流も戻していきます。週に一度でもこの4つのセットのマッサージを行うと、むくみ解消につながります」
続いて、身近にある“道具”をつかい、片手間でできる“ながら”マッサージの方法をご紹介します。