まだまだ正しい理解の浸透には至っていない
ーーこのヒートショック、言葉は聞いたことがあるものの、今伺ったような詳細、対策までを正しく理解している人は、まだまだ少なそうな気がします。
髙橋 おっしゃる通りです。毎年弊社ではWEBサイトを通してアンケート調査を行っているのですが、「ヒートショック」という言葉の認知度は、約7割以上となっている一方、「どういう現象かを理解している」「対策の必要性を理解している」という方はまだまだ少ないようです。そういった点で、弊社では「STOP!ヒートショック」という啓発活動を行い、浸透を目指しています。
ーー東京ガスの直接な事業とは違う活動ですが、どうして取り組まれているのですか?
髙橋 確かに弊社の直接的な事業ではないものの、これまでもガスを使った浴室暖房のご提案や、快適な入浴方法を提案してきた私たちとしては、ヒートショックを避けて安全で楽しい入浴時間を過ごしていただきたいと考えています。特にこれからはもっと高齢化が進んでいきますから、安全・安心で快適な暮らしを続けていただけるよう、「STOP!ヒートショック」の啓発プロジェクトを行っている次第です。
この取り組みには、弊社と付き合いのある他企業にも声がけしていて、逆に「参加したい」という企業にも参加していただき、現在13の企業が「あったかパートナーズ」として協賛していただいています。また、地方特別協賛、パートナー、後援、協力と数々の団体の方にも賛同いただき、ヒートショックの啓発活動は年々広がっています。
郵便番号、住居の種類、竣工年の登録で、より詳細な警戒指数が分かる
ーー他方、「STOP!ヒートショック」のほかにも「ヒートショック予報」というものもあります。全国各地、各日の天候、気温などによってヒートショックになりやすいかどうかを、5段階に測って表示されていますが、どういった根拠で算出されたデータなのでしょうか?
髙橋 「ヒートショック予報」は日本気象協会と東京ガスとで共同開発したもので、気象情報から想定される宅内の温度差などに基づきヒートショックのリスクの目安をお知らせしています。通常の「ヒートショック予報」の配信に加え、東京ガスの会員サービス「myTOKYOGAS」では、ニックネーム、ご自宅の郵便番号、「マンションか、戸建てか」などのお住まいの情報、竣工年などを入れていただくと、より詳細な予報を見ることができます。
ーー竣工年数は、各年代ごとに多かった断熱性能や、経年劣化を加味して算出されるのですか?
髙橋 はい。各年代の平均的な住宅の断熱性能を加味してお知らせする仕組みです。あくまでも目安ではありますが、ぜひ「ヒートショック予報」のチェックも日々の習慣に取り入れていただき、ヒートショックが起こらない環境に整えていただきたいです。
楽しく正しく、ヒートショックの理解と対策を啓発する
ーー分かりやすい「STOP!ヒートショック」の啓発活動ですが、特にこだわられている点と、今後の展望をお聞かせください。
髙橋 特に今は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で「お家時間」が増えていますよね。ですので、特にヒートショックに注意をはらっていただきたいこと、そして正しく、楽しく理解していただくことを目標に、様々なコンテンツを拡充していっています。「STOP!ヒートショック」公式ウェブサイトから折り紙でプカ太郎の折り方を教えてくれる動画、塗り絵のコンテンツを配信することなども予定していますし、年末には素敵なプレゼントが当たるキャンペーンも計画しています。
確かにヒートショックは恐いものです。でも、「お年寄りだけのことでしょ。自分には関係ない」と思わずに、正しく理解し対策をしていただいて、お家での楽しい時間を過ごしていただきたいと思っています。ぜひ「STOP!ヒートショック」にご興味いただきご覧いただければと思っています。
どの年代の人にもなる可能性があるヒートショックですが、特に起こりやすいお年寄りの方に対し、ヒートショックの正しい理解と対策を通して、コミュニケーションを取ることもまた、人と人との関係がより深まる効果もあるように思いました。ぜひ「STOP!ヒートショック」の情報をきっかけに、家族間で連動しながら対策をしてみてください!
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