ヘルスケア
睡眠
2021/2/2 19:15

寝つきが悪い・熟睡できない…悩み別の睡眠環境の整え方とおすすめ寝具10選

お悩み別のおすすめ寝具10選

それでは、さまざまなお悩み別に分けて、おすすめの寝具を紹介していただきましょう。

 

●寝つきが悪い

まずは、就寝しようと思ってもなかなか眠りにつけない人におすすめの寝具。眠る直前までスマホやパソコンを見ていると、脳が活発に動いている状態からリラックスに入ることができず、寝つきが悪くなってしまいます。

 

「眠る前に温かいものを飲んだり、お風呂に入って体を温めたり、深呼吸するなどお休み前にリラックスできるように過ごすこともとても大切です。寝具だけでなく、就寝前の時間の過ごし方にも目を向けてみるといいでしょう」

 

1. 包まれたような安心感が緊張をほぐす

眠り製作所「抱かれ枕 アーチピローFUN」
9400円+税

「抱かれ枕」という名称通り、上半身を包み込むような作りで、誰かに抱かれているような包まれた感覚を得られる枕です。横向き、仰向け、どのような体勢で眠る方にも使え、肩や首、腕もしっかり支えてくれるので、ゆったりと体を預けて眠ることができます。通気性と速乾性に長けている素材と構造で、頭のムレを防ぎます。

 


「抱かれ枕に包まれて眠ると気持ちがよいのはもちろんですが、メンタルが弱っているときに安心感を与えてくれる枕なんです。人との触れ合いやコミュニケーションが減っている中で、体が包まれるだけでもホッとさせてくれます」

 

2. 角度もかたさも自分好みになるベッド

パラマウントベッド「アクティブスリープベッド」(アクティブスリープマットレス・アクティブスリープアナライザー付き)
43万円+税

硬さや角度を好みに合わせて変えることができるベッドです。眠るまでは角度をつけ、頭が高くなる姿勢で眠りにつき、眠ったことを感知するとマットがフラットな状態に戻ってくれます。また、起床時間をセットしておくと、背もたれが自動で動き、上半身を起こしてくれる機能もあります。

「マットレスの中には空気が入っているのですが、リモコンやアプリからその空気を出し入れすることができ、マットレスの硬さを調節することができます。体が沈み込みすぎず、体をしっかり支えてくれるマットの硬さがちょうどよいのですが、寝つけないときや不安感が強いときは、少し柔らかめに設定すると、体が包まれている感覚で心地よさが感じられます。自分の毎日の気持ちと向き合いながら調整できるのがよいところです」

 

3. 目元をじんわり温める!

花王「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク 5枚入り」
無香料、ラベンダーの香り、カモミールの香りなど7種類
475円+税(編集部調べ)

目元に貼ると、使い捨てカイロと同じような素材でじんわり温かくなるマスクは、働き続けた目やこめかみなどを温かく包み込み、気分を優しくほぐしてくれます。「睡眠学では、手足が温まると内臓の温度が下がり、眠りにつく体を整えられると考えられています。手足の温度をあげると睡眠によいとされているので、自律神経の乱れや冷え性などで手足がなかなか温まりにくい方は、アイマスクやホットタオルで目元を温めてみてください」

 

●熟睡できない

朝までに何度も起きてしまう、眠りが浅いと感じる、寝ても疲れが取れないなど、熟睡できないと感じているなら、寝ているときの姿勢や環境に問題があるのかもしれません。

 

「ベッドにしっかりと全身を預けられているか、体から力を抜いて眠れているかなどもチェックポイントです。枕やマットレスなどの基本的な寝具を見直してみるといいでしょう」

 

1. 体を計測して作るからフィットする

西川「FIT LABO オーダーメイド枕・マットレス」
2万円+税(オーダーメイド枕・レギュラータイプ)
18万円+税(オーダーメイドマットレス・ベッド用シングル)

オーダーメイドで体に合わせて作ることができるマットレスと枕。枕のオーダーメイドはたくさん見かけますが、肩から上だけの計測ではなく、全身を計測して作ってもらえるのがこちらのオーダーメイド枕の特徴です。

「枕の理想的な形は、寝ていても直立しているときの姿勢を保てること。まっすぐに立って壁に寄りかかると、首の後ろが空きますよね。そこを埋めるのが枕の役割なんです。背中の肉づきや背骨のライン、頭の形などによって人それぞれ枕の形は違いますから、オーダーで作ることをおすすめしたいです。中剤を10箇所に分けて細かく調整することができます。また、マットレスは、ほどよく柔らかさがありながら柔らかすぎず、正しい姿勢を保ちながら体のラインに合わせて沈みこむくらいがよいとされています。自分の体に合ったもので眠る心地よさを体験していただきたいです」

 

2. 寝ながら電位で治療できる

西川「ローズテクニーLS」
15万円+税(シングル)

電位治療と温熱治療ができるマットレスです。電位治療では負電位を体にかけ、頭痛や肩こりなどを和らげます。また、温熱治療は血行不良を改善してくれ、温かいので眠る環境を整える上でも効果的です。電位治療と温熱治療を繰り返して行うことができます。「電位を流すと言っても、ビリビリするわけではありません。寝ながら治療ができるので、ゴロゴロとリラックスタイムを過ごしながら体を整えることができます。肩こりがひどい方にもオススメです」

 

3. 音と香り、光で癒してくれる

ティ・アール・エイ株式会社「スリーピオン」
9800円+税

睡眠導入のための音楽を流すことができ、ろうそくのような揺らぐ光を感じることのできる睡眠導入のために開発された道具です。上部にあるリングは天然の精油から作られたアロマシートで、14種類の中からお好みの香りでリラックスすることができます。

 

「眠る支度を整えているときにつけ、香りや光、音楽で気持ちが落ち着いたころに布団に入ると、眠りに落ちる頃には切れる仕組みになっています。寝具を選ぶのも大切ですが、就寝前から心をリラックスさせて気持ちを穏やかに整えることもとても重要なんですよ」

 

●寝相が悪い

環境が悪くて寝相が悪くなってしまうと、不要な動きが増えていることで睡眠の質は低下し、体をうまく休めることができません。

 

「寝返りをうまく打てなくて夜中に起きてしまう方や逆に寝返りが多すぎてうまく眠れない方もいるので、自分の身体に合っている環境で眠れているか、ということが大切なポイントになってきます。また、パートナーと一緒に寝ている方はそれぞれの寝相が相手の睡眠を妨げないよう考えてみましょう」

 

1. 寝返りが打ちやすい枕

パラマウントベッド「ピローバイアクティブスリープ 仰向けタイプイプ」
1万3500円+税

柔らかくて頭が転がりやすい枕です。寝返りを打ったときに自然と頭がおさまるような形に作られています。「肩と首をサポートしてくれる形で、安心して頭を任せることができます。夜中に目が覚めてしまう方や、なんとなく眠る体の位置が決まらずゴロゴロしてしまう方にオススメです」

 

2. 人の眠りを妨げないマット

無印良品「高密度ポケットコイルマットレス」
3万6273円+税

ポケットコイルとは、コイルが独立したそれぞれの袋に入っているものを示します。眠る時間が違ったり、寝相が悪かったりする場合はこのようなマットを使うことで、人の動きが気になりにくくなります。「価格的にも買いやすいのに質がよく、コストパフォーマンスのよさがポイントです。ポットコイルのものは多々ありますが、高密度とあるとおりそれぞれのコイルがきちんと密集しているので、寝ていてデコボコや隙間が気になることもありません」

 

●いびきがひどい

いびきは、軌道がうまく確保されていないことで起こります。

 

「鼻詰まりや鼻炎で鼻と喉の通りが悪い方や、お酒を飲んでいて弛緩している状態で眠るときにも注意が必要です。あごが小さかったり、肥満だったりすると、軌道が詰まりすくいびきの原因となります。また、鼻が詰まっていると枕を高くしがちなのですが、実は枕が高すぎると喉が詰まりやすいので極端に高い枕を使うのはやめましょう」

 

1. 背骨がまっすぐになるよう支えてくれる

テンピュール「オリジナルネックピロー Sサイズ」
1万4000円+税

肩に当たる部分が少し高く、頭が低くなっている枕です。テンピュール独特のフォルムは、頭から首、肩までをしっかりサポートしてくれます。「こちらは、どんな寝方をしても背骨をまっすぐに保つように設計されているので、首を伸ばした状態で眠ることができ、いびきの軽減に繋がります。いびきをかきやすい方は横向きに眠ると、あごと鎖骨で首を圧迫しないので、寝方にも気を付けてみましょう」

 

●寝坊してしまう、二度寝してしまう

起きなくてはいけないのになかなか体が起こせない、寝たはずなのに眠気が取れない、という人は、目覚めがすっきりできるアイテムをプラスしてみてはいかがでしょうか。

 

「起きるときに大切なのは、光があることだと言われています。カーテンを開けたまま眠るのもいいのですが、夏場は朝4時頃から明るくなってしまうので、もっと眠れるのに起きてしまう、という問題もありますよね。下記のアイテムを使って、うまく日光を取り入れてみてください」

 

1. セットした時間にカーテンが開いてスッキリお目覚め

ロビット「めざましカーテン mornin’ plus」
6980円+税

予約した時間になると、カーテンが自動的に開くようスマートフォンで設定できるアイテム。カーテンレールに取り付けると、まるで高級ホテルのように自動でカーテンが開きます。

「スマートフォンがリモコンの役割もしてくれるので、そろそろ起きなくてはという時間になったら、起き上がらなくてもスマホでカーテンを開けることもできます。光を浴びることで頭が徐々に起きてくるので、真っ暗な中で眠ることも大切ですが、起きる時間には採光できるようにすると、体内リズムが整い、寝坊の心配も軽減されますよ」

 

冬は特に、体が温まりにくかったり、寒くてぎゅっと力が入ったまま眠ることも多くなりますよね。自分の体が安心して預けられる寝具を使って、心地よく眠れるよう寝床内環境を整えてみましょう。しっかり熟睡できると、疲れも眠気もなく、日中のパフォーマンスもアップするはずです。

 

【プロフィール】

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睡眠コンサルタント / 友野なお

千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程。「社会予防医学」「社会疫学」のフィールドにおける睡眠を研究し、健康寿命の延伸、健康格差の縮小を目指す。自身が睡眠を改善したことにより、15kg以上のダイエットに成功。さらに体質改善に成功した経験から科学的に睡眠を学んだのち、睡眠の専門家として全国にリバウンドしない快眠メソッドを伝授。著書に「昼間のパフォーマンスを最大にする正しい眠り方」(WAVE出版)など多数あり、新著には「ぐっすり眠れる不思議な塗り絵」(西東社)、「眠れないあなたを救う 睡眠ファースト」(主婦の友社)がある。 http://tomononao.com/

 

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