ヘルスケア
体重計・体組成計・活動量計
2021/8/26 11:15

スマートウォッチで健康意識は変わるのか? Apple Watch Series 6/Garmin Venu 2/Fitbit Versa 3でチェック

FYTTE × GetNavi webが開催している「カラダ、ココロ、整う」プロジェクトは、コロナ禍になり、運動やエクササイズのあり方、栄養管理のあり方が大きく変わった新しい時代の「カラダとココロの整え方」を模索していくプロジェクトです。

 

本シリーズでは、9月までの12回、 カラダとココロに効く最新プロダクトをプロたちが解説。第7回となる今回は、日々の健康やトレーニング管理に役立つ「スマートウォッチ」です。

 

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在宅ワークが広まったいま、自身の「運動不足」に危機感を覚えている人は多いでしょう。かくいう筆者もその一人。ほぼ毎日運動していた学生時代→社会人→在宅ワーク移行と順調に体重を増やしてきました。そろそろ、日々の健康管理や運動に真剣に取り組まなければ、と焦っています。

 

そこで、以前から気になっていたスマートウォッチの導入を思い立ちました。今回は、代表的なスマートウォッチ3製品を実際に約1週間ずつ使用。「ダイエットや健康管理に役立つのか」「健康意識は変わるのか」といったポイントから、各製品がどれだけ活躍してくれるのかをチェックしてみました。

 

 

今回チェックした製品

アップル Apple Watch Series 6

素材:アルミニウム/ケースサイズ:44mm/重量:36.5g/バッテリー:最大18時間/防水:50m耐水/健康モニタリングセンサー:血中酸素濃度センサー、光学式心拍センサー/価格:5万380円(税込)

 

ガーミン VENU 2

素材:ステンレススチール(ベゼル)/ケースサイズ:33mm/重量:49g/バッテリー:約11日間(スマートウォッチモード)/防水:5ATM(水深50m相当の圧力に対応)/健康モニタリングセンサー:光学式心拍計、血中酸素トラッキング/価格:4万9280円(税込)

 

Fitbit  Versa 3

素材:アルミニウム(ケース)/ケースサイズ:縦40.48×横40.48mm/バッテリー:6日間以上/防水:50m耐水/健康モニタリングセンサー:光学式心拍数センサー、血中酸素ウェルネスモニタリング用の赤色および赤外線センサー/価格:2万9990円

 

【その1】意識していなかった動きを促す万能ウォッチ「Apple Watch Series 6」

まずは、「Apple Watch Series 6」からチェックしていきましょう。スマートウォッチといえばApple Watchと言えるほどポピュラーなシリーズです。特にApple Watch Series 6は、血中に取り込まれた酸素レベルを確認できるなど、ヘルスケア機能が強化されています。当然、iPhoneとペアリングして「Watch」アプリから各種設定を行ったり、「ヘルスケア」アプリと連携したりもできます。

 

↑使用したのはApple Watch series 6

 

使っていて便利だったのは、1日の活動量を測る「リング」機能です。消費カロリーを記録する「ムーブ」、運動を記録する「エクササイズ」、立っている時間を記録する「スタンド」の3つで構成され、各リングの1日の設定目標を達成するとゴールとなり、リングが閉じられます。このリングの進み具合を見れば、その日の活動量がひと目でわかるわけです。

 

↑ムーブが赤、エクササイズが緑、スタンドが青。スタンドは1時間あたり1分以上立って動いた時間(≒回数)をあらわします

 

さらに、在宅ワークで長時間座っていると「スタンドの時間です!」と教えてくれたり、1分間の深呼吸を促してくれたりします。深呼吸を促す時間の間隔は調節可能。同時に心拍数も確認できます。

 

↑こまめに届く通知がありがたいです

 

ランニングや筋トレなどの「よしやるぞ!」と意気込んで取り組む活動と違い、日々の消費カロリーや座りっぱなし、深呼吸を意識するのは難しいもの。それを可視化やアラートで意識づけを助けてくれるのは、Apple Watch Series 6の頼れるところです。使い続けるうちに、リングの完成までもう少しだとわかると「じゃあ階段でいくか」「長めにストレッチしよう」「そろそろ立って動こう」などと、少しずつ意識が変わっていくのを感じました。

 

↑ゴール達成時や、リング完成までもう少しというときにも通知が届きます

 

また、先にも触れましたが、Apple Watch Series 6では時計裏のセンサーにより、血中に取り込まれた酸素レベルを確認できます。これは「体がどれだけ酸素を取り込んで体内に供給しているか」を示す数値ですが、筆者はこれまで血中酸素濃度や心拍数といった“バイタルサイン”をあまり気にしたことがありませんでした。しかし、ふだんの状態を把握していなければ、どうなると異常なのか・危険なのかすらわかりません。つまり、こうした日々の記録こそ、万が一のときに役立つのだと実感しました。

 

↑iPhoneのヘルスケアアプリで記録を確認可能。この記録の蓄積が、万が一のときに役立つ可能性があります

 

もちろん、各種ワークアウトの記録も可能。種目はランニングやサッカーなど豊富にあり、消費カロリーや走行距離といった目標を個別に設定できます。

 

↑種目を選択し、目標を設定。走行中は距離や心拍数、速度も計測できます。また、走行後にはバッジを獲得。こうした機能もやる気UPにつながります

 

日々の活動量や健康状態を細かく記録したい人におすすめ

Apple Watch Series 6は、日々の活動量や健康状態を細かく記録したいという人におすすめです。リングを見ればひと目で活動量がわかり、リングの完成を目指すことで自然と目標を達成できます。また、完成に向けて、長時間の座りっぱなしや深呼吸の時間を通知し、少しの運動やリラックス時間の意識づけしてくれる点も素晴らしいところ。心拍数や血中酸素濃度など、バイタルサインの記録も便利です。iPhoneユーザーなら、購入候補として一番に検討してほしい製品です。

 

【その2】運動のサポート機能が充実した「VENU 2」

続いてチェックするのは、6月に発売されたばかりの最新スマートウォッチ、ガーミンの「VENU 2」。丸いフェイスが特徴で、液晶の表示領域は大きめに取られており、表示自体はとても見やすいです。それでいて質量は49.0gと軽く、スマートウォッチモードで約11日間と電池持ちが非常に良いのもうれしいポイント。

 

↑ふつうの腕時計ライクな見た目

 

VENU 2はスマホアプリ「Garmin Connect」と連携して使います。健康管理面では、心拍数・血中酸素濃度・呼吸数・ストレスレベルをまとめて確認できる「ヘルススナップショット」が便利です。これ一つで自分の体の状態を把握できます。Garmin Connect からはもちろん、VENU 2からでも確認できるので、1日1回の確認をルーティーンにするといいでしょう。

 

↑ヘルススナップショットはVENU 2から確認可能。ストレスレベルは心拍変動という基準を使い、ストレスを受けている時間/リラックスしている時間を測定したものです。これをこまめに確認することで、健康に対する意識が自然と高まります

 

また、睡眠の質をあらわす「睡眠スコア」を100点満点で診断してくれるのも特徴です。テスト時は睡眠をうまく測定できないときもあり、低評価の嵐だったのですが、「スコアが改善されたら毎日絶好調になるのか?」と思い、睡眠環境を見直してみようという気持ちになりました。

 

↑ある日の睡眠スコアは53点(実際はもっと寝ているし調子も悪くないのですが……)。睡眠時間の内訳や数値の見方も確認できます

 

測定できるアクティビティの種類は、ヨガやサイクリングなど豊富。なかでも、筋トレやカーディオでは複数種目をまとめたメニューを用意しているのが非常に便利です。ガイドも付いているため、トレーニング初心者でも手軽に取り組めます。さらに、アプリから追加のメニューをインストール可能。カスタマイズできる点も魅力です。

 

↑開始前にトレーニングメニュー内容をチェック。トレーニング中にガイドも見られます

 

またおもしろいのが、「Body Battery」という指標。これは、体に蓄えた/消費したエネルギーを数値化する機能で、じゅうぶんな睡眠をとれていれば多くのエネルギーがチャージされ、運動したりストレスを受けたりするとそのエネルギーを消費していくというものです。「今日はよく動いたな」という実感が数値にあらわれるので、自分の体の状態を知る際に役立ちます。

 

↑チャージ量と消費量が示され、1日のエネルギーの推移も見られます

 

↑些細なことですが、トレーニングで自分の使っているギアを登録できるのもやる気につながります。手持ちシューズやバイクで何km走ったかを記録できるのもうれしいです

 

トレーニングをしっかり記録したい人におすすめ

VENU 2は、日々の健康状態に加えて、ランニングや筋トレなどのトレーニングをしっかり記録したい人におすすめできます。記録できるアクティビティが豊富なうえに、筋トレなどはあらかじめメニューが組まれているため、初心者には特に便利です。トレーニングが習慣づいてきたら、自分でやりたいメニューを追加してカスタマイズするのもいいでしょう。

 

【その3】強度に応じてアクティビティを詳細に記録するFitbit「Versa 3」

最後はFitbitの「Versa 3」をチェック。四角くコンパクトな本体が特徴で、こちらもスマホの「Fitbit」アプリと連携して使うのが基本です。心拍数や1時間あたりの活動量などを確認できます。

 

↑本体にボタンなどはなく、エッジ部分を押すとトップ画面に戻れるUIを採用しています。ただ、力がいるうえにやや押しづらいです

 

Versa 3が優れていると感じたのは、心拍数の範囲ごとに「脂肪燃焼」「有酸素運動」「ピーク」の3つのゾーンに区分けして、その活動時間を計測する点。各ゾーンでどれだけ運動したかを測定してくれます。

 

↑113~139は脂肪燃焼など、心拍数の範囲に応じて3つのゾーンに分かれています

 

たとえば30分のランニングをするとしても、強度(速度による心拍数の上下)によって効果はまったく異なりますよね。Versa 3は、ランニングを1回の運動として記録しつつ、「脂肪燃焼に適したペースで〇分」「心肺機能を高めるのに適したペースで〇分」というように、“どれくらいの負荷でどれだけ動いたか”を詳細に記録してくれるのです。

 

この記録を見るだけでも、「ダイエットのために脂肪燃焼のペースで30分走ろう」「もっと負荷をかけて心肺機能を高めよう」など、さらにトレーニングの効果を上げられると感じました。

 

↑この日は約3時間のウォーキングを実施。3時間のうち、脂肪燃焼ゾーンでの活動は82分でした。どの時点で心拍ゾーンが変わったかもわかります

 

また、深呼吸セッションを行える「リラックス」という機能も用意。セッションを通じて、ストレスレベルを5段階から選択して記録できます。さらに、心拍数や睡眠、アクティビティの活動量のデータに基づき、「ストレスマネジメントスコア」を記録してくれます。これによって、自分のストレスを管理することが可能です。

 

ただし、スコアの詳細な内訳を見るにはプレミアプランへの加入が必要となります。ちなみに、もっと心を落ち着けたいときは、数分間瞑想するFitbitのスマホアプリ「マインドフルネスセッション」を利用するのがおすすめです。

 

↑画面のアニメーションにあわせて呼吸する深呼吸セッション

 

↑Versa 3も睡眠状態や推定酸素変動量を記録できますただし、VENU 2同様、この記録より本当はもっと寝ています。このあたりの数値は目安として捉えるのがいいでしょう

 

 スマートウォッチの最初の1台としておすすめ

Versa 3は非常にバランスのとれたスマートウォッチという印象です。心拍数や睡眠などの健康状態はもちろんのこと、多彩なアクティビティを記録できます。なかでも、運動の強度ごとに活動時間を測定できるのは大きな魅力です。トレーニングを長く続けていれば、その目的は少しずつ変わっていくものなので、ダイエットや心肺機能の向上など目的に応じて運動できるよう記録してくれるのは便利だと感じました。スマートウォッチを使ったことがない人でも、最初の1台としておすすめです。

 

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