家電
2017/3/25 20:00

えっ!? プラズマクラスターって空気清浄だけじゃないの? ギネス世界記録でわかった新たな効果

シャープの空気清浄機といえば、「プラズマクラスター」。シャープ独自のイオンを放つことで、空気をキレイにするだけでなく、空間を除菌・消臭したり、静電気除去や肌保湿などの効果があるとして、高い人気を誇ってきました。そんなシャープの空気清浄機が、なんとギネス世界記録に認定! その公式認定証授与式が3月23日に行われました。

 

「日本の匠の技術が世界中で愛された証」としてギネス認定

今回ギネスに認定されたのは、「最新年間で最も売れた空気清浄機ブランド」としての記録。空気浄化機器のカテゴリーで、2015年1月1日から2015年12月31日までの期間における販売台数が204万6300台に上ると国際市場調査機関(ユーロモニターインターナショナル)が推定したことで、ギネス世界記録に認定されることになったのです。

 

授与式には、ギネスワールドレコーズジャパン関西地域リサーチ&ディベロップメント ディレクターのヴィハーグ・クルシュレーシュタ氏が登壇。記録内容を発表したうえで、「日本の素晴らしい匠の技術が世界中に愛されているという証ではないでしょうか」と述べ、認定証を授与しました。

20170324_y-koba_sharp (3)
↑クルシュレーシュタ氏より認定証を受け取るシャープ 健康・環境システム事業本部副事業本部長 兼 空調・PCI事業部長、中島光雄氏(右)

 

それにしてもなぜ、世界一になるほど売れたのでしょう。実はシャープは現在、プラズマクラスターを搭載した海外向け商品を多く開発。海外と国内での販売台数のウェイトは、2009年は海外5.2%だったのに対し、2016年は約5倍の27%に拡大、輸出先も世界で109の国と地域に広がっています。なかでも大気汚染や煙害、蚊による感染症など、地域特有の問題に対応する製品を展開したことで、特にASEAN、中国に受け入れられ、2017年2月末には世界累計台数7000万台も達成しています。

20170324_y-koba_sharp (12)
↑中国では大気汚染やホルムアルデヒドの対応する機能のほか、IoT先進国にマッチするモデルを展開

 

20170324_y-koba_sharp (13)
↑ASEANでは、蚊への対応を追加したモデルを日本に先駆けて発売

 

シャープのプラズマクラスターが評価される理由について、同社の中島光雄氏は、「高い安全性」「進化する技術」「確かな効果」の3大要素があると分析しています。

 

まず、プラズマクラスターは自然界に存在するイオンと同様のものであるという「高い安全性」。そして「進化する技術」で、イオンを高濃度化したり、デバイスを小型化したりすることで常に性能の向上と用途の拡大を追及し続けている点。そして、世界の学術機関や実空間で実証し、多くの効果・効能実感の声による「確かな効果」が、世界で認められたことで普及が拡大したとみているようです。

20170324_y-koba_sharp (4)
↑B to Bの分野でも活躍するプラズマクラスター。静電気を除去する効果は、工場での着衣や包装フィルムの静電気の抑制に利用されているそう

 

また最近、水耕栽培のレタスの成長を促進する効果の検証を実施。プラズマクラスターイオンを放出した家庭用水耕栽培機内でレタスを栽培し、生育量を測定したところ、プラズマクラスターなしに比べて成長が有意に増加したことを確認。今後、研究を重ねたうえで、「いずれ製品化を目指したい」とのことです。

20170324_y-koba_sharp (5)
↑左がプラズマクラスターあり。成長の違いは一目瞭然!

 

昨年は蚊やコバエまで捕えてくれる「蚊取空清」など、ユニークなモデルも話題になったシャープのプラズマクラスター製品。当日はプラズマクラスター扇風機と空気清浄機の新モデルも発表されました。

 

プラズマクラスター扇風機と空気清浄機の新モデルも発表

プラズマクラスター扇風機の新モデルは、コードレス3Dファン「PJ-G2DBG」、ハイポジションファン「PJ-G3DG」など全5種類で4月15日発売。羽根部分にアホウドリやアマツバメ、アゲハ蝶などをお手本にしたという「ネイチャーウイング」を搭載しており、3Dファンは直進性の高い風を、ハイポジションファンは、ムラが少なく滑らかな風を実現したといいます。

20170324_y-koba_sharp (6)
↑新モデルは全5種類。下段の3Dファンは、上下左右に自動で首を振る「3Dターン」を搭載し、部屋の空気を効率的に循環させます

 

20170324_y-koba_sharp (7)
↑鳥や蝶の羽根形状を応用した「ネイチャーウイング」がさらに進化

 

20170324_y-koba_sharp (9)
↑プラズマクラスターの風が30~40歳代特有の体臭が消臭できると実証!

 

新モデル5種の価格はオープン。市場想定価格は、「PJ-G3DG」3万3260円、「PJ-G3DS」が2万7860円、「PJ-G2DBG」が3万7580円、「PJ-G2DS」が2万4620円、「PJ-G3AS」が1万3820円。

 

また、プラズマクラスター除加湿空気清浄機「KC-HD70」も同時発売。5つのセンサーが部屋のホコリ、ニオイ、湿度、温度、照度(明るさ)をチェックし、状況に応じて適切な運転を行う「おまかせワンボタン」で、24時間365日、快適な空間をキープしてくれます。

20170324_y-koba_sharp (10)
↑除湿、加湿、空気浄化を自動で行うプラズマクラスター除加湿空気清浄機「KC-HD70」。市場想定価格は10万7870円

 

20170324_y-koba_sharp (11)
↑「スポット消臭機能」で、部屋干し衣類の生乾き臭や衣類に付着した汗臭を消臭

 

名実ともに世界に認められたシャープ「プラズマクラスター」。それでも現状に満足せず、技術をどう生かしていくか考え続ける姿勢に感服しました。もう風を送るだけの扇風機や空気をきれいにするだけの空気清浄機の時代ではないのかもしれませんね。