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2017/6/22 19:44

【保存版】これさえ読めば「ダイソンとは?」が語れる! コードレス界のスター「Dyson V8 Fluffy」9項目で吟味した

本サイトでは、最新コードレス掃除機のなかでも、特に人気の高い5機種(ダイソン Dyson V8 Fluffy、パナソニック iT MC-BU500J、シャープ ラクティブエアー EC-A1R、東芝 トルネオ V コードレス VC-CL1300、エレクトロラックス エルゴラピード・リチウム ベッド・プロ・パワー ZB3234B )を集め、9項目で徹底的に比較・検証した記事を連載してきました。今回は、その高い集じん力で圧倒的な人気を誇るダイソンのフラッグシップ、Dyson V8 Fluffy(ダイソン ブイエイト フラフィ)にフォーカスし、そのテスト結果を振り返っていきましょう!

 

最長40分の長時間運転を実現したダイソンのフラッグシップ

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ダイソン

Dyson V8 Fluffy(ダイソン ブイエイト フラフィ)

実売価格8万2100円

独自のソフトローラークリーナーヘッドで、大きなゴミと微細なゴミを同時に集じんできるスティック掃除機。バッテリーとモーターの改良で、最長40分の長時間運転と従来比15%の吸引力アップを実現しました。2 Tier Radialサイクロンを搭載し、微粒子ゴミもしっかり分離して集じんします。●サイズ/質量:W250×D1244×H224mm/2.61kg

 

【テストその1 フローリングでの吸引力は?】

タブレットと粉ゴミを完璧に捕集! 紙ゴミはやや苦手か

今回のテストは、フローリング上の幅45cm×長さ90cmの範囲にタブレット100粒、重曹20g、長さ5cm×幅1〜2mmに細長く切った紙ゴミ2gを撒き、床面を1回走行。どれだけゴミが取れたかを検証しました。掃除方法は、まず中央を前進したあと、左側のゴミを後退しつつ集じん、最後に右側に移って前進しながら集じん。通常の掃除に比べてゴミの量が格段に多いため、掃除機には極めて負荷のかかるテストです。運転モードは、電源を入れたときにデフォルトとして設定されているモードを使用しました。

↑このような状態の床でテストします
↑このような状態の床でテストします

 

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デフォルトの標準モードでテスト。掃除機が通ったあとにはゴミがまったく残っていないのが驚き。重曹は目地の奥までしっかり吸引し、ソフトローラークリーナーヘッドの効果で、タブレットもほぼすべて吸引できました。

 

一方、細切りの紙ゴミはいったん絡め取るのですが、紙ゴミの量が多すぎたのか、吸いきれない紙ゴミがローラーを1回転してヘッドの外に飛び出してしまうものも多かったです。ちなみに、ローラーヘッドに巻き付いたままの紙ゴミがかなりありました(ヘッドを手動で逆回転したらスムーズに取れました)。

 

今回、タブレットの集じんはどの機種も苦労していましたが、そのなかで唯一スムーズに集じんできていたのがダイソンV8 Fluffyです。また、同機は重曹の集じんも完璧でした。唯一紙ゴミの捕集だけがうまくいっていませんでしたが、同機は髪の毛やペットの毛がヘッドに絡まず集じんできるとの評価も多いので、紙ゴミとの相性がよくなかったのかもしれません。

 

【テストその2 カーペットでの吸引力は?】

タブレットと重曹は文句なしだが紙ゴミが課題

今回はカーペット上の幅45cm×長さ70cmの範囲に、タブレット100粒、重曹20g、長さ5cm×幅1~2mmに細長く切った紙ゴミ1gを撒き、カーペット上を走行。どれだけゴミが取れたかを調べました。

 

今回は、より過酷なカーペットでの掃除ということで、全体にゴミの取れ方が良くないことが予想されるため、フローリングに比べてより長い時間をかけてテストすることに。掃除方法は、まず中央を前進したあと、左側のゴミを後退しつつ集じん、最後に右側に移って前進しながら集じんしました。さらに、一度の走行で掃除を終えるのでなく、30秒間掃除を続けました。運転モードは、電源を入れたときにデフォルト設定されているモードを使いました。

↑カーペット上にこのようにゴミを撒いて、検証しました。使用するカーペットは毛足が短いものの、重曹は繊維の奥に沈み、紙ゴミも毛に絡まりがちです
↑カーペット上にこのようにゴミを撒いて、検証しました。使用するカーペットは毛足が短いものの、重曹は繊維の奥に沈み、紙ゴミも毛に絡まりがち。テストとしては過酷な状況です

 

標準モードで検証。カーペット上でも重曹は問題なく集じんしています。タブレットもゴリゴリ音を立てながらソフトローラークリーナーヘッドに巻き込み、ほぼすべてを除去できました。

↑カーペットの真ん中を掃除したところ。タブレットはほぼ完璧にかき取っている一方、紙ゴミの取り残しが目立ちます
↑カーペットの真ん中を掃除したところ。タブレットはほぼ完璧にかき取っている一方、紙ゴミの取り残しが目立ちます

 

一方、集じんに苦労したのは紙ゴミで、掃除を始めて早々、ヘッドの後ろにかなりの量の紙ゴミが残りました。ソフトローラーヘッドに絡まっている紙ゴミも多かったです。その後、ひととおり全体を掃除機がけしましたが、時間をかけて掃除してもどうしてもカーペットに紙ゴミが引っかかって残ってしまいました。ソフトローラーヘッドは、紙ゴミや髪の毛など、カーペットに引っかかりやすいゴミの掃除は苦手のようです。

 

ただし、本機はフェルト地のローラーの間に硬いブラシを掃除しているため、カーペットの奥の細かい粒子も、問題なく吸引できるようです。また、タブレットもフローリングの上と同様、圧倒的にスムーズな集じんを見せていました。小さな子供がいて、お菓子などをカーペットにこぼしてしまうことの多い家では、大きめのゴミに強いダイソンV8 Fluffyが活躍しそうです。

↑掃除を始めて30秒後に終了。紙ゴミの集じんには最後まで苦労していました
↑紙ゴミの集じんには最後まで苦労していました

 

↑dyson V8 Fluffyのヘッド裏面。赤と青の部分がフェルト地のソフトローラーで、その間黒い部分がカーボンファイバーブラシ。ヘッドのほぼ全幅サイズでローラーが設置されており、ゴミを逃さずとらえる。吸い込み口の幅は228mm。ヘッドにはソフトローラークリーナーヘッド専用モーターが搭載されています
↑Dyson V8 Fluffyのヘッド裏面。赤と青の部分がフェルト地のソフトローラーで、その間の黒い部分がカーボンファイバーブラシ。ヘッドのほぼ全幅サイズでローラーが設置されており、ゴミを逃さず捕らえます。吸い込み口の幅は228mm。ヘッドにはソフトローラークリーナーヘッド専用モーターが搭載されています

 

【テストその3 操作性は?】

操作感はスムーズで高所はアタッチメントの使用がオススメ

「自走式」とまではいえませんが、ソフトローラークリーナーヘッドの回転で前後への掃除機がけはスームズ。また、ヘッドが大型の割には、左右への方向転換も快適に行えます。ちなみに、ダイソンのスティック掃除機、ハンデイ掃除機は、スイッチがトリガー式なのが特徴。現行モデルを含め、近年の同社製品のトリガーの操作感が軽く、トリガーを引き続けたまま長い時間掃除を続けても疲れません。

↑左右の首振り角は写真の通り。ハンドルを左右に捻ることで、ヘッドの方向を変えられます。捻る際にそれほど力は必要なく、またヘッドを急角度に捻ると前に押し出しにくい、ということもありません
↑左右の首振り角は写真の通り。ハンドルを左右に捻ることで、ヘッドの方向を変えられます。捻る際にそれほど力は必要なく、またヘッドを急角度に捻ると前に押し出しにくい、ということもありません

 

↑トリガー式はトリガーを緩めると運転停止し、ムダなバッテリー消費が防げますが、以前のモデルは掃除中ずっと引き続けると手首が疲れてしまうデメリットもありました。現行機種のトリガーはずいぶん使用感が軽くなり、長時間引き続けても苦になりません
↑指の力を緩めると運転停止するトリガー式は、ムダなバッテリー消費が防げますが、以前のモデルは掃除中ずっと引き続けると手首が疲れてしまうデメリットもありました。現行機種のトリガーはずいぶん使用感が軽くなり、長時間引き続けても苦になりません

 

高さのない場所の掃除のしやすさに関しては、本体を床にベタ付きにした状態で、延長パイプの高さは最大約12cmになります。試しに、自宅リビングのシステムラックの下(高さ10cm)にヘッドを突っ込むと60cmほど入り、奥の壁までしっかり届いて集じんできました。

↑写真はPCデスクの底部、高さ約10.5cmの隙間にヘッドを入れた状態。奥の壁まで約40cmありますが、問題なく届いて掃除できました
↑写真はPCデスクの底部、高さ約10.5cmの隙間にヘッドを入れた状態。奥の壁まで約40cmありますが、問題なく届いて掃除できました

 

一方、段差などのやや高い場所を掃除する場合、本体の重みが手首にかかるため、片手で楽々というわけにはいきません。その際は、アタッチメントのコンビネーションノズルなどを使用すると、ラクに操作できます。また、本機は自立タイプでないので、掃除の手を止めて物を動かす際などは、本体を床に置く必要があります。つい、掃除機をテーブルなどに立て掛けてしまいがちですが、その際は本体が滑って倒れないように注意が必要でしょう。

 

充電時間と連続運転時間に関しては、充電時間約5時間で最長約40分の運転が可能です。モーターヘッドを駆動しても約30分連続運転できます。

 

ソフトローラークリーナーヘッドで大きいゴミと小さいゴミを同時に効率よく集じんできるのは、掃除の快適さに繋がる大きなメリット。連続運転時間が40分と長く、ムダな運転を減らすトリガー式スイッチも採用しているのも、部屋を丁寧に掃除したい人には有効でしょう。

 

【テストその4 ゴミ捨て・メンテのしやすさは?】

ゴミに触らずに捨てられるがホコリの舞い上がりに注意

ダストカップ容量は非公表(編集部調べでは0.54ℓ)。ゴミ捨ての際は、本体上部、ダストビン後ろにある赤いレバーを二段階引き上げるとダストカップの底が開いてゴミ捨てができます。ふたが自動で開くため、ゴミに触らず捨てられるのはうれしいところ。ただし、ゴミ捨て時にホコリが舞いやすいので、ホコリが気になる人は、ふた部分をコンビニ袋の中に突っ込んでゴミ捨てするなどの工夫が必要です。また、フタを開けるときに、そこそこ力を入れてレバーを引くので、最初はレバーが壊れてしまわないかと少し心配になります。この辺はコツというか、慣れが必要でしょう。

↑ダストビン後ろの赤いレバーを上に引き上げると、ダストビンとメッシュ状の“シュラウド”が上に持ち上がります。そこからさらにレバーを引くとダストカップ底部のふたが開いてゴミが下に落ちる仕組みです。最初にレバーを引いてシュラウドが持ち上がる際に、ダストカップの上部に設置された赤いラバー製の“スクレイパー”でシュラウドに付着したゴミをこそぎ落とし、シュラウドの掃除の手間を減らしてくれます
↑ダストビン後ろの赤いレバーを上に引き上げると、中央のメッシュ状の“シュラウド”が上に持ち上がります。その際に、ダストビンの上部に設置された赤いラバー製の“スクレイパー”がシュラウドに付着したゴミをこそぎ落とします。そこからさらにレバーを引くとダストビン底部のふたが開いてゴミが下に落ちる仕組み

 

ダストビンと集じん部の掃除に関してですが、ダストビンとサイクロン部、フィルターは簡単に分解でき、組み立ても簡単です。ダストビンは水洗い可能ですが、サイクロン部は水洗いできません。

↑分解するパーツは全部で3つと少なめ。サイクロン部の中が掃除できないのは、キレイ好きには気になるところか
↑分解するパーツは全部で3つと少なめ。サイクロン部の中が掃除できないのは、キレイ好きには気になるところか

 

ソフトローラークリーナーヘッドは他モデルのようなブラシ製でなくフェルト製なのが特徴。ひっかかりのないヘッドなので髪の毛や糸ゴミなどを吸っても絡みにくく、ヘッドを手入れする手間が大幅に削減できます。また、ローラー部はロック部分をコインで簡単に開けて取り外せるため、フェルト部が汚れた際も快適に掃除できます。

↑ローラーヘッドを外す際は、ヘッドの端(写真右側)のロックをコインやマイナスドライバーなどで回して解除させてから、ヘッドを抜き出します。筒型ヘッドの内部に駆動用モーターを内蔵し、ベルト駆動でないためヘッドの取り外しがスムーズ
↑ローラーヘッドを外す際は、ヘッドの端(写真右側)のロックをコインやマイナスドライバーなどで回して解除させてから、ヘッドを抜き出します。筒型ヘッドの内部に駆動用モーターを内蔵し、ベルト駆動でないためヘッドの取り外しがスムーズ

 

【テストその6 設置性・運転音は?】

ブラケット収納に安定感があり運転音も耳障り音が少ない

壁に付属の「収納用ブラケット」をネジ止めし、ハンドルをソケットに挿し込んで収納します。ソケットにしっかり挿さっているために収納時も安定。子どもがちょっと触った程度では外れないので安心です。また、ブラケットには隙間ノズルとコンビネーションノズルも装着可能。よく使うアタッチメントをまとめて収納できるのはメリットです。

↑掃除機の本体が5機種の中では大型なので、収納用ブラケットもそれなりの大きさです。隙間ノズルとコンビネーションノズルは、ブラケットの下部に差し込んで収納できます
↑掃除機の本体が5機種の中では大型なので、収納用ブラケットもそれなりの大きさです。隙間ノズルとコンビネーションノズルは、ブラケットの下部に挿し込んで収納できます

 

↑ソケットを前に引き出して、本体台座部分を差し込んで固定させます。うまく差し込むのに“慣れ”が必要ですが、安定度は高いです
↑ソケットを前に引き出して、本体台座部分を差し込んで固定させます。うまく差し込むのに“慣れ”が必要ですが、安定度は高いです

 

一方、壁に穴を開けたくない人や、賃貸マンションに住んでいる人は、このネジ止め式のブラケットがネックになってきます。ただし、これはダイソンに限らず、壁掛け式の全機種に言えることですが。なお、ダイソンユーザーのなかには、棚など収納家具の側面にネジ止めしたり、ブラケットを設置するための“柱”を購入したり、あるいは自作したりするなど、工夫して使っている人も多いようです。

 

運転音に関して、「標準モード」では、音質は5機種の中では最も耳障りでないと感じました。モーター音はそれなりに出ていますが、嫌な音域がうまくカットされていて、音があまり気にならないのです。もちろん、決して「驚くほど静か」というわけではなく、それなりに「うるさい」ですが、以前のダイソン掃除機に比べると格段に静かになっています。一方「MAXモード」では、モーター音、風切り音ともうるさくなります。ただし、音の高音部がより目立って聞こえる感じで、音量自体が飛び抜けて大きくなるわけではありません。

 

【テストその7 独自性・汎用性は?】

ブラシでなくフェルト地のヘッドでゴミを包み込む機構が新しい

本機の独自性といえば、まずはソフトローラークリーナーヘッドの採用が挙げられます。多くのモデルがブラシでゴミをかき取る方式を採用するなか、本機はフェルト素材と硬質ブラシを使ったこのフェルト素材が床にピッタリ付くことで、吸込口を負圧状態に保ち、ゴミをパワフルに吸引できます。また、微粒子に加え、タブレットやペットフードなどカサのあるゴミを柔らかいフェルトが包み込んで捕集できるのもメリットです。

↑ヘッドの青い部分と赤い部分がフェルト製で、ゴミを包み込んで集じん。黒い部分は硬質のカーボンファイバーブラシで、床に付着した微粒子をかき取ります。ローラーヘッドの長さはヘッドの横幅ほぼいっぱいまであり、一度により広い面積を掃除できます
↑ヘッドの青い部分と赤い部分がフェルト製で、ゴミを包み込んで集じん。黒い部分は硬質のカーボンファイバーブラシで、床に付着した微粒子をかき取ります

 

また、ワンタッチでゴミ捨てができる機能も今回試したモデルでは唯一搭載しています。ただし、「ゴミ捨て」の項目でも書きましたが、ゴミがドサッと落ちるためホコリが舞い上がりやすい点のみ注意が必要です。

 

もうひとつ、忘れてならないのは、本機が「2 Tier Radialサイクロン」機構を搭載していること。集じんフィルターに頼らず、微細なゴミも分離・集じんできるその性能は、他機種とは一線を画しています。

↑「2 Tier Radialサイクロン」。2層15気筒の小サイクロン内で強い遠心力を生み出し、微小なゴミを空気から分離・集じんします
↑「2 Tier Radialサイクロン」。2層15気筒の小サイクロン内で強い遠心力を生み出し、微小なゴミを空気から分離・集じんします

 

さらに、本体後方にはポストモーターフィルターを搭載。本体の気密性も高く、ダイソンは「部屋の空気よりもきれいな排気」だと自負しています。排気にこだわる人にはメリットとなるはずです。

 

付属のミニモーターヘッドを使えばベッドや車中の掃除もしやすい

次に、汎用性を見ていきましょう。本機にはコンビネーションノズル、隙間ノズル、ミニモーターヘッドなどが付属。コンビネーションノズルは先端にブラシがついていて、このブラシは出したり引っ込めたりできます。ブラシの毛足は約2cmあり、棚の掃除やエアコンの掃除など凸凹のある場所の掃除に適しています。

↑左からコンビネーションノズル、ミニモーターヘッド、隙間ノズル
↑左からコンビネーションノズル、ミニモーターヘッド、隙間ノズル

 

↑コンビネーションノズルのブラシを下げると、凹凸のある場所のホコリを掃きながら掃除するの最適です。重さのあるゴミを一気に吸引したいときは、ブラシを上に上げて、ゴミと吸い込み口の距離を短くすればOKです
↑コンビネーションノズルのブラシを下げると、凹凸のある場所のホコリを掃きながら掃除するの最適です。重さのあるゴミを一気に吸引したいときは、ブラシを上に上げて、ゴミと吸い込み口の距離を短くすればOKです

 

ミニモーターヘッドはヘッド幅145mmと小型サイズながら専用モーターを搭載。硬質ブラシ付きなので、マットレスなどのハウスダストもパワフルに除去してくれます。カーペットの掃除にも便利。

↑ミニモーターヘッドはソファやマットレス、クルマの中などの掃除に最適
↑ミニモーターヘッドはソファやマットレス、クルマの中などの掃除に最適

 

【まとめ どんな人に向いている?】

粒ゴミが多い家庭で静音性を重視する人にオススメ

「吸引力」テストは、タブレット、紙ゴミ、重曹をフローリングとカーペットに撒いて掃除機がけしましたが、どちらの床面でも、比較した5機種のなかでタブレットと重曹を最も集じんできたのが本機でした。これはモーターの性能に加え、本機が採用する独自形状のソフトローラークリーナーヘッドによる効果が大きいです。とりわけタブレットの集じんは、他機種と比べても圧倒的に優秀でした。ただし、ヘッドとの相性が良くないのか、特にカーペット上での紙ゴミの集じんにはかなり苦戦していました。

↑ヘッドの青い部分と赤い部分がフェルト製で、ゴミを包み込んで集じん。黒い部分は硬質のカーボンファイバーブラシで、床に付着した微粒子をかき取ります。ローラーヘッドの長さはヘッドの横幅ほぼいっぱいまであり、一度により広い面積を掃除できます
↑本機のソフトローラークリーナーヘッド

 

本機は「操作性」も概ね優秀。大型ヘッドにもかかわらず、左右の方向転換は快適で、システムラックの下など高さのない場所もスムーズに掃除できます。また、トリガースイッチも軽い操作感で、長時間掃除しても疲れません。ただし、本体がやや重いので、二階への移動や、段差の上などちょっとした高さの掃除がやや大変です。

 

「ゴミ捨て・メンテナンス性」に関しては、ゴミ捨てがワンボタンでできるなど、手間がかからないのがメリットです。デメリットは、ゴミ捨て時のホコリの舞い上がり。また、集じん部が水洗いできませんが、それが気にならなければ(ダイソンは「水洗いしなくても集じん性能に影響はない」とアナウンスしています)、ヘッドにも毛ゴミが絡まりにくいですし、メンテナンスはかなりラクだと思います。

↑ダストビン後ろの赤いレバーを上に引き上げると、ダストビンとメッシュ状の“シュラウド”が上に持ち上がります。そこからさらにレバーを引くとダストカップ底部のふたが開いてゴミが下に落ちる仕組みです。最初にレバーを引いてシュラウドが持ち上がる際に、ダストカップの上部に設置された赤いラバー製の“スクレイパー”でシュラウドに付着したゴミをこそぎ落とし、シュラウドの掃除の手間を減らしてくれます
↑レバーを引くと、ダストビン底部のふたが開いてゴミが下に落ちる仕組み

 

「設置性」は、壁に収納用ブラケットを取り付けられれば文句なし。賃貸住宅など、壁へのネジ止めができない環境では、棚などの家具に取り付けたり、ブラケット設置用の“柱”を用意するなどの工夫が必要です。

 

本機は、「ソフトローラークリーナーヘッド」という画期的ヘッドの採用、サイクロン方式の完成度、きれいな排気など、掃除機の基本をしっかり押さえていて、総合力は極めて高い機種です。かつては「うるさい」と言われていた運転音も、いまや他機種より静かに感じるほど。付属のミニモーターヘッドやコンビネーションノズルを使えば、高所やふとん、クルマの中の掃除も効率よく行え、汎用性も十分です。ユーザーの幅広いニーズに応えられる“王道モデル”と言っていいでしょう。