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2017/8/22 18:51

エアコンに人工知能が付くと「未来予知」ができる? 「霧ヶ峰」がデータを分析・予測する世界初のセンサーを搭載

三菱電機はルームエアコン「霧ヶ峰」の新商品として、世界で初めて人工知能(AI)で、少し先の暑い・寒いと感じる体感温度を予測する赤外線センサー「ムーブアイmirA.I.(ミライ)」を搭載した「FZ シリーズ」と「Z シリーズ」計18 機種を11月上旬から順次発売します。

↑FZシリーズ。
↑FZシリーズ。実売予想価格(税別・以下同)は32万8000円前後(4.0kW)~44万8000円前後(9.0KW)

 

↑Zシリーズ。21万8000円前後(2.2KW)~39万8000円前後(9.0KW)
↑Zシリーズ。21万8000円前後(2.2KW)~39万8000円前後(9.0KW)

 

「少し先の体感温度」を予測し、使うごとに予測の精度がアップ

新開発のAI技術を活かした、赤外線センサー「ムーブアイmirA.I.」は、床や壁からの輻射熱や日射熱など部屋の温度状況を360°センシングし、部屋にいる人の体感温度データを取得。取得したデータを時系列に分析することで、住まいによって異なる住宅性能(室温に影響する性能)を判定します。

 

さらに、外気温や日射熱などが体感温度に与える影響を分析し、少し先の体感温度を予測。予測に基づく「先読み運転」で、暑い・寒いと感じる体感温度変化を減らし、快適でさらに省エネを実現します。なお、この分析結果は、継続して更新するので、分析を重ねるごとに予測精度が向上します。

↑「先読み運転」イメージ(冬の場合)
↑「先読み運転」イメージ(冬の場合)

 

世界初の機構でさらなる高効率運転を実現

また、今回世界で初めて2種類のDCモーター結線をもつ「Active Switch Compressor(アクティブスイッチコンプレッサー)」と、モーター結線を自動で切り替えるインバーター回路を開発。ハイパワー運転時だけでなく、設定温度到達後の安定運転時も高効率運転を両立します。

↑4「Active Switch Compressor」の運転特性
↑「Active Switch Compressor」の運転特性

 

このほか、「ムーブアイmirA.I.」は、人の手先・足先など細部の温度変化まで0.1℃単位で計測。人の温度の感じ方を検知し、さらにエアコンからの距離、身長などに基づいて大人か子どもかを見分け、それぞれの体格や姿勢、温度の感じ方にあわせて気流の角度や風量を調節します。そして、体感温度を判断し、快適な体感温度を維持するように送風運転と冷房運転を自動で切り替えます。

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送風運転時には、体感温度にあわせて「パーソナルツインフロー」の片側ファンを停止し、もう片側のファンだけで風を送ることにより、6.3kWクラスで最小17Wで運転するなど、省エネ性も抜群。

 

そのほか機能として、「高温みまもり」や「低温みまもり」を設定すると、エアコンの運転停止中も「ムーブアイmirA.I.」が部屋の温度を見守ります。室温が28℃以上になると冷房運転を、室温が10℃以下になると暖房運転を自動で開始します。

 

カビや汚れが付かない機能も満載

エアコン内部には、フッ素粒子と親水性皮膜をナノレベルで配合した「ハイブリッドナノコーティング」を採用。手入れが難しい熱交換器(アルミフィン)、ファン、通風路に塗布することで清潔さをキープします。エアコン内部のフィルターを定期的に自動で清掃する「フィルターおそうじメカ」の搭載や、外観パーツが取り外し可能な「はずせるボディ」を採用し、お掃除も簡単。

 

また、「カビガード」を設定すると、エアコンがカビの発生しやすい温度・湿度を自動で検出。効果的なタイミングで「カビクリーンシャワー」運転を行い、エアコン内部の熱交換器(アルミフィン)、送風ファン、通風路を清潔に保てます。

 

ちなみに、三菱電機は本機の発表と同日、ルームエアコン「霧ヶ峰」が、「クロスフローファン(ラインフローファン) を採用したエアコンの世界最長寿ブランド」として、ギネス世界記録に認定されたことを発表しました。「霧ヶ峰」の誕生は、1967年。エアコンでは世界で初めてクロスフローファン(ラインフローファン※)を採用し、エアコン本体の薄型化を実現し、日本の住宅へのルームエアコン普及に大きく貢献しました。

※長い円柱状の羽で送風する構造

 

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↑1967年発売モデル「MS-22RA」

 

現在のエアコンの原型を作り、50年にわたって業界をリードしてきた「霧ヶ峰」。従来機種では個人の体感温度に合わせて吹き分けるという、それだけでも十分画期的なモデルでしたが、今回はこれに加え、未来を予測するまでに進化しました。その進化のスピードには驚くばかり。今後も「霧ヶ峰」が、業界をリードしていくことは間違いありません。