家電
調理家電
2018/1/17 17:00

豚の角煮が「圧倒的に上質」に仕上がる「自動調理鍋」って? 家電のプロが最新4モデルの実力をチェック!

時間のかかる煮込み料理を、手間なく柔らかく仕上げてくれるのが自動調理鍋。無水調理や、圧力の自動調節機能を備えたモデルなどで市場が盛り上がっています。今回は、なかでも話題の4機種を厳選し、各メーカーの公式レシピの材料・作り方通りに、「豚の角煮」を調理。家電のプロが仕上がりをチェックしました。果たして、どんな違いが出たのか? 以下で一気に見ていきましょう!

 

私たちが試食しました!

家電コーディネーター 

戸井田園子さん

戸井田

幅広い媒体で活躍する家電のプロ。

 

家電ライター 

平島憲一郎さん

平島

生活家電中心に性能検証記事などを執筆。

 

シャープと象印は下茹でが必要だが仕上がりは圧倒的!

自動調理鍋は、調理に時間をかけたくない共働き世帯などで“ほったらかし調理”ができるとして人気。今季は無水調理対応モデルが増えたり、AIoT連携モデルが登場したりと選択肢がますます広がりました。各社対応メニューはカレーや肉じゃがなど多彩ですが、今回は豚の角煮を作って比べてみました。

 

比較の結果、圧倒的に上質な仕上がりだったのがシャープです。箸でつかむと肉が崩れるほどの柔らかさ。象印も肉の繊維の1本1本に味が染みていました。ただし、いずれも下茹でと煮込みの2段階加熱が必要で、多少の手間はかかります。

 

一方ティファールは、調理時間が30分ということもあり、柔らかさではやや物足りず。シロカも調理時間が短く、柔らかさ、味の染み込みともにいまひとつ。ただこの2機種も加熱時間や加圧時間が調節可能。長めに煮込めば、より上質な仕上がりが期待できます。

 

その1

やさしい圧力で柔らかい食感と味の染み込みを実現

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ZOJIRUSHI

自動圧力IHなべ

煮込み自慢 EL-MB30型

実売価格4万円

1.2気圧のやさしい圧力で食材を柔らかくし、味をしっかり染み込ませます。自動調理、予約調理、無水調理、保温機能を新搭載し、料理の幅がより広がりました。●サイズ/質量:約W290×H250×D375㎜/約7.0㎏●容量:1.5ℓ●豚の角煮の調理時間:約2時間●最大圧力:非公表●自動調理メニュー数:147(麺茹での3メニューを除く)

【独自機能はコレ】

「可変圧力」と「一定圧力」で食材が柔らかくなり、味も染み込みます。おまかせ予約調理や無水調理など機能も多彩。

【角煮の仕上がりはコチラ】

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肉の柔らかさはシャープに並びます。照りは、今回試した4機種のなかで最も出ていました。

「丁寧な調理で、時短よりも『おいしさ』を追求。可変圧力ならではの味の染み込みと柔らかさですね」(戸田井)

「箸で切れる柔らかさながら、繊維感が適度にあって食べ応えを感じます。味の染み込みも文句なしです」(平島)

【まとめ】

肉は柔らかかつ食べ応えあり。タイマー調理は50レシピに対応しています。内蓋は構造が複雑で、鍋も肉のアクがやや取れにくいです。

 

その2

旨みが濃厚な無水調理がボタンひとつで簡単に完成

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シャープ

ヘルシオ ホットクック

KN-HW24C

実売価格7万5000円前後

かくはんユニットを搭載し、食材と調味料を入れるだけで絶品の無水調理ができます。AIoTクラウドと連携し、献立提案や新メニューの追加が可能です。●サイズ/質量:W395×H249×D305㎜/約6.5㎏●容量:2.4ℓ●豚の角煮の調理時間:約1時間30分●最大圧力:1気圧●自動調理メニュー数:130

【独自機能はコレ】

AIoTクラウドと連携しユーザーの好みを考えたメニューを提案。かき混ぜ機能付で無水調理でも焦げ付きません。

【角煮の仕上がりはコチラ】

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箸をつけるとほろりと崩れる柔らかさ。調味料の染み方も絶妙で油っこさも少なかったです。

「下茹で後に長時間かけて煮るという工程で、仕上がりは良い。肉も柔らかく、味も馴染んでいますね」(戸田井)

「繊維部分は箸が簡単に入り、脂身はプルプル。肉はもちろん脂身にもしっかり味が染みていました」(平島)

【まとめ】

柔らかさも染み込みも文句なし。手順をレシピ集なしに確認できるのも便利。鍋のこびりつきは「お手入れ機能」でスムーズに取れます。

 

その3

無水調理や予約炊飯などもお手ごろ価格で実現!

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シロカ

電気圧力鍋

SP-D121

実売価格2万7000円

圧力調理、無水調理、蒸し調理、炊飯に対応。圧力時間を自由に設定でき、食材を好みの柔らかさに微調整できます。調理後は自動で保温モードに。●サイズ/質量:約W220×H249×D238㎜/約2.7㎏●容量:1.3ℓ●豚の角煮の調理時間:約30分●最大圧力:約1.7気圧●自動調理メニュー数:59

【独自機能はコレ】

最大12時間の予約炊飯機能付きで、“ちょっと炊き”したいときに重宝。小型サイズで、キッチンでジャマになりにくいです。

【角煮の仕上がりはコチラ】

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実際の味よりも見た目のつゆの染み込みが良くない印象。肉質はまずまず柔らかかったです。

「もう少し時間をかければもっと肉が柔らかくなり味も馴染みそう。加圧時間があと5分長ければベター!」(戸田井)

「アルミホイルを落とし蓋にして作りますが、味の染み込みはやや弱い。肉がもう少しほぐれるとうれしい」(平島)

【まとめ】

柔らかさ・染み込みがやや物足りません。タイマーは炊飯時のみ使えます。洗うパーツはティファールより少なく、鍋のこびりつきはナシ。

 

その4

共働き世帯の食事作りを多彩な時短レシピで補助

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ティファール

Cook4me Express

CY8511JP

実売価格6万4800円

圧力調理時間15分以内のレシピ136種を含む150種のレシピ内蔵の自動調理家電。「圧力調理・蒸す・炒める・煮込む」を組み合わせたマニュアル調理も可能です。●サイズ/質量:W380×H325×D350㎜/6.5㎏●容量:6.0ℓ●豚の角煮の調理時間:約30分(準備時間10分を含む)●最大圧力:約1.69気圧●自動調理メニュー数:150

【独自機能はコレ】

内蔵レシピが従来の60種から150種類に大幅増。料理の手順を画面で説明してくれるので、失敗しにくいです。

【角煮の仕上がりはコチラ】

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調理後やや時間を置いたほうが◎。レシピに脂抜き工程がないせいか、脂感が残りました。

「高温で、短時間で一気に調理するため、味の染み込みや肉の柔らかさはやや物足りなさがあります」(戸田井)

「少し歯応えが残り、できたては味の染み込みが足りない印象。時間を置くと断然味が染みていました」(平島)

【まとめ】

今回試した機種の中ではダントツで調理時間が短く、共働きの家では重宝しそうです。洗うパーツは多めですが、鍋のこびりつきは皆無です。