家電
掃除機
2017/12/28 18:00

ドンキの「1万5000円ロボット掃除機」本当の実力がわかったぞ! 家電のプロが自宅で使い、ホンネで採点してみたら

価格破壊で知られるディスカウントショップ、ドン・キホーテ。11月29日、そのプライベートブランド「情熱価格PLUS」から、参考価格なんと1万4800円(税抜)のロボット掃除機が発売されました。驚くのは、この価格でWi-Fiに対応し、スマホ操作ができること。その名も「スマホとつながるWi-Fi対応ロボットクリーナー」です。

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↑スマホとつながるWi-Fi対応ロボットクリーナー

 

価格が価格だけに、「集じん力は?」「しっかり隅々まで掃除してくれるのか?」「運転音は?」「スマホで何ができる?」など、「実際どうなの?」という点が気になった人も多いはず。そこで今回は、ロボット掃除機を得意分野とする家電のプロ、戸井田園子さんに本機の検証を依頼。ロボット掃除機の代名詞、「ルンバ」の中位モデルを基準とし、「集じん性能」「走行性能」「操作性・アプリの使いやすさ」「メンテナンス性」の4つの項目で採点してもらいました!

 

【テストした人】

家電コーディネーター

戸井田園子さん

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雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。ロボット掃除機は、自宅で複数台を使用中。

 

その1

集じん性能……17/25点 

犬の毛と細かなホコリはそれなりに取れた

床に浮いていたホコリ(我が家の場合大半が犬の毛)は大半が取れましたが、何度試しても、ダイニングテーブルの下はほとんど取れず。家具の脚が林立する狭い場所に入り込むのは苦手な模様。犬の毛の集じん力は中の中といった印象です。細かなホコリもそこそこ取れていましたが、取れたホコリの量はルンバの半分程度でした。

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そもそも、ルンバなどと違って吸い込み口自体にはブラシが付いておらず、吸い込み口の脇にある回転ブラシが回るだけ。「ほうきとチリトリ」といったイメージの吸引方式で、吸い込み口にホコリがこない限りは集じんできません。フローリングの溝やカーペットの奥のホコリなどをかき込めないので、集じん力はこの程度かと思います。

 

その2

走行性能……15/25点

部屋中をしっかり網羅できるかは運まかせ

運転音はキュルル~ウウウウ~とモーターの駆動音が聞こえ、ちょうどラジコンカーのようなイメージ。決して静かとはいえませんが、ロボット掃除機としてはブラシの回転音がないぶん、静かなほうと言えます。走行パターンは自動モードの場合、ランダム→スポット(渦巻き)→壁沿い→スポット(渦巻き)→ジグザグ→スポット(渦巻き)→多角走行→スポット(渦巻き)、とプログラムが決まっているタイプ。部屋の大きさや形、家具レイアウトを認識しているわけではないので、部屋中を網羅できるか否かは、運に委ねるしかない……というイメージです。

 

10畳程度を40分かけて掃除し、電池が切れたらホームベースに帰還。14畳程度の広さで試した時は、40分程度で息絶えて帰還できず……残念。部屋が広いと、電池切れに気づいてからホームベースがうまく探せないのでしょうか。

↑充電している状態
↑充電している状態

 

円盤状の本体形状のため縁の高さが低く、意外に家具下に入り込めるのはメリット。ただし、ソファなど柔らかい素材のときは良いですが、木材の家具があった場合、本体上面に傷がつきそうで心配です。また、一度だけ、家具の下にハマってしまい出られなくなったことも。微妙な高さの家具がある場合は、注意が必要です。

↑このように、数センチの高さの隙間に食い込むことも
↑ソファの下(高さ約5cm)の隙間に入り込んでいる様子

 

その3

操作性・アプリの使いやすさ……18/25点

アプリの機能はシンプルで直感的に使える

Wi-Fiの接続方法は簡単でしたが、接続後、うまく繋がらないことが多発。ホームベースから少しでもズレていたり、アプリを少し操作すると接続が切れたり……。何度かペアリングし直すと繋がるのですが、やや不安定な印象があります。

 

アプリ操作画面はわかりやすく、直感的に使えるのは◎。アプリでできることは、状況確認、遠隔操作、予約とシンプル。予約タイマーは、「毎週◯曜日の〇時からスタート」という「繰り返し」なら設定可能。ただし、「今日だけ予約したい」というときもとりあえず「繰り返し」で登録し、解除しなくてはならないのがやや不便です。アプリには、他社の上位機種に見られる「掃除リポートが届く」などの高度な機能はなく、あくまで遠隔リモコン程度ですが、それでもアプリで操作できるのは便利です。

↑アプリの操作画面。曜日
↑アプリの操作画面。タイマーは曜日で設定する必要あり(右)

 

その4

メンテナンス性……18/25点

ゴミ捨ては「その都度」がマスト。ダストボックス着脱やフィルターの手入れはラク

ゴミ捨てをしないまま2度目の掃除をしたところ、まったく集じんせず。ゴミ捨てサインが出ないので見落としがちですが、ダストボックスのホコリは、1回掃除したらその都度捨てるようにしましょう。一方、構造がシンプルなので、ダストボックスの着脱やフィルターの手入れはカンタン。なお、我が家では掃除後、本体裏にかなりの量の犬の毛がまとわりついていました。ペットがいる家庭はご注意を。

↑本体カバーを取り外した状態
↑本体カバーを取り外した状態

 

↑本体カバーを外すと、ダストボックスが取り出せます
↑本体カバーを外すと、ダストボックスが取り出せます。ダストボックスのフタになっている部分にはフィルターがあり、こちらも取り外せる仕様になっています

 

総合68/100点

「お買い得」とまではいかないが「許容範囲」。シンプルな部屋で使うべし

あくまで、廉価モデルの実力と割り切って使うべき。「お買い得」とまではいえませんが、1万5000円なら許容範囲です。「少しでも自分で掃除しなくて済むなら、このくらいの価格出してもいいや!」と思える人、大らかな気持ちで見守れる人向きですね。また、空間に凹凸があると入り込めない確率が高くなるので、家具が少なく、シンプルな形の部屋で使いたいところ。集じん力はそこまで高いワケではないので、日々のホコリを吸い取ってもらうイメージです。本体にペットの毛がまとわりつく点も考慮すると、ペットを飼っていない一人暮らしの方などが使うといいでしょう。

 

そのほか、コンパクトで、カバー上面にスイッチ類が一切なく、スッキリしているのは◎。お供え餅のような滑らかなフォルムなので、軽やかに見えるのも良いですね。本体カバーは汚れが目立ちやすく、すぐに外れるのが惜しいですが、今後は色や柄が選べるカバーが出てくると面白いかも。あるいは、黒いボディカラーを活かし、シールを貼ってテントウムシやハチなどの柄にするならすぐにできそう。価格がお手軽だからこそ「ロボット掃除機をデコってインテリアにする」といった楽しみ方ができそうですね。

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