家電
調理家電
2018/2/6 21:04

このなかで「最高のドライフード」になった食材はどれ? プリンセス「フードドライヤー」で野菜&フルーツを手当たり次第に調理した!

筆者はライターという職業柄、記事を書くために机にかじりついている時間が多く、気分転換と小腹を満たすため、ついついおやつに手が出てしまいます。ただ、「働く脳には糖分が必要だ!」と、言い訳しながら食べる甘いお菓子が身体に良いわけがない。そこで、手間なくカンタンに健康的なおやつが作れないものか……と考えました。というわけで今回試したのが、フルーツや野菜で簡単にドライフードが作れるというプリンセスの「Food Dryer(フードドライヤー)」です。

 

「温風で食品を乾かすだけ」というシンプルな家電

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↑プリンセスのフードドライヤー。サイズはW35cm×D35cm×H20cm

 

ちなみに、「プリンセス」とは1994年に設立されたオランダの家電メーカー。2002年に日本に初上陸を果たし、近年はデザインの良さからじわじわと評価を上げてきた注目のメーカーです。

 

さて、そんなプリンセス社のフードドライヤーは、その名の通り「温風で食品を乾かすだけ」というシンプルな家電。設定できる温度は40/50/60/70℃の4段階。調理時間は4/6/8/10/12/14/16時間の7段階。食材や食感の好みで温度と時間の組み合わせを変えられます。

↑プリンセスのフードドライヤーにはトレーが6枚付属しています。本体中央の筒状のパーツから温風が出てトレーに列べた食材を乾かす仕組み
↑プリンセスのフードドライヤーにはトレーが6枚付属しています。本体中央の筒状のパーツから温風が出て、最大6段のトレーに並べた食材を乾かす仕組み

 

最初に試したのが、リンゴ、ミカン、キウイ、バナナ、イチゴのフルーツ類、シイタケ、舞茸、ジャガイモ、サツマイモ、トマト、タマネギ、カボチャ、ニンジンの野菜類です。すべて60℃の温度で12時間設定。ジャガイモとサツマイモは切って10分くらい水にさらしましたが、他の食材は切ってそのまま列べました。

↑こらの野菜、果物を切ってならべました。なお、写真に移っている食材すべてを切ると、とてもトレーに乗る料ではないので、一部を使っています
↑こちらの野菜、果物を切ってトレイに並べます。写真に写っている食材すべてを切ると、とてもトレーに乗る量ではないので、一部を使います

 

↑こらの野菜、果物を切ってならべました。なお、写真に移っている食材すべてを切ると、とてもトレーに乗る料ではないので、一部を使っています
↑トレイに並べた様子

 

↑コンセントを入れたら自動的に電源が入り、温度と時間をセットするだけで自動的に運転を開始します
↑コンセントを入れたら自動的に電源が入り、温度と時間をセットするだけで自動的に運転を開始します

 

フルーツ系はおおむねヒット! ただしキウイは……

結果としては、フルーツ系はおおむねヒットでした。ミカンとリンゴは甘みが凝縮されて増し、イチゴは酸っぱさが強調されるも甘さとミックスされて美味しい! バナナはかなり甘みが強調されるので、好き嫌いが別れるかもしれません。食べると歯にはさまってなかなか取れないのも惜しい。例外はキウイでした。酸っぱい、とにかく酸っぱい。イチゴと違って甘みが出ず、ただただ酸味が強調されるだけなので、これは向いていないか。

↑12時間の乾燥でこれだけ体積が変化しました。特に野菜の変化が大きく、ニンジン(写真中央のオレンジ色)は相当小さくなっていました
↑12時間の乾燥でこれだけ体積が変化しました。特に野菜の変化が大きく、ニンジン(写真中央のオレンジ色)は相当小さくなっていました

 

↑トマト、ミカンはまだ水分が残っています。リンゴも若干しっとり。野菜は総じてパリパリです。美味しかったのはミカン、リンゴ、イチゴ、トマト、バナナ、タマネギ、ニンジン
↑トマト、ミカンはまだ水分が残っています。リンゴも若干しっとり。野菜は総じてパリパリです。美味しかったのはミカン、リンゴ、イチゴ、トマト、バナナ、タマネギ、ニンジン

 

野菜系ではタマネギが抜群だがイモ系は「木材みたい」

野菜系はタマネギが大ヒットでした。香ばしさが前面に出てきて、噛むと甘みも感じます。最後に辛味が出てきて、体が火照ってくる印象。少量でも満足感が高く、これは間食にぴったりです。体も暖まるので寒い日にはちょうどよいですね。ニンジンも甘さが出て美味しい。トマトも甘みが出て美味しいですが、もっとカリカリにしても良いでしょう。マイタケとシイタケは香ばしくて甘いのですが、食感がモニモニして、積極的に食べたいとは思わないものでした。

 

明らかに失敗だったのはカボチャ、ジャガイモ、サツマイモ。カボチャは硬くて苦い、ジャガイモとサツマイモはエグみが出て食べられたものではありませんでした。娘達いわく「木材を食べているみたい」。イモ系は水にさらしただけではダメなようです。

 

短時間で干し柿の風味が再現できたのに驚いた!

ということで、ジャガイモとサツマイモのリベンジをすることにしました。ジャガイモは薄く切ったものを3分ほど茹でてから塩と粗挽きコショー、乾燥バジル、オリーブオイルをまぶしました。サツマイモは電子レンジで25分ほどふかして柔らかくしてからフードドライヤーにセット。加えて、前回の調理の際に出たミカンの皮を切って並べ、さらに、今が旬の柿も足してみました。干し柿に近い味になるかどうか実験。今回は60℃で8時間設定です。

↑サツマイモはキッチンペーパーで包んで水に濡らし、さらにラップで包んでから電子レンジへ
↑サツマイモはキッチンペーパーで包んで水に濡らし、さらにラップで包んでから電子レンジへ

 

↑ジャガイモはコンロで茹でてから塩・コショウ・オリーブオイルをまぶしました
↑ジャガイモはコンロで茹でてから塩・コショウ・オリーブオイルをまぶしました

 

その結果、ジャガイモはパリッパリとなり、塩・コショウの味が効いて美味しくできました! やや硬かったので、乾燥時間をもう少し短くするか、薄く切るかすればもっと食べやすく美味しくなりそうです。ミカンの皮は後ほど説明します。意外にも美味しく出来たのが柿。表面は乾いているけど中身はしっとり甘くて、これはウマい! まるで本物の干し柿、とは言わないまでも、それに近い食感と味です。干し柿を本格的に作るとなると軒先で乾かすのに2~3週間ほどかかりますが、8時間程度でここまでの食感・味が再現できるのには驚きました。

 

そしてサツマイモですが、またしても大失敗……。硬すぎで歯が折れそう。イメージは市販の干し芋だったのですが……乾燥時間が長すぎたようです。

↑ジャガイモはカリッカリで硬いものの、前回のようなエグミはないので食べられます。柿が干し柿のように甘みがあって美味しい! サツマイモは石のように硬くて歯がたちません
↑ジャガイモ(右下)はカリッカリで硬いものの、前回のようなエグミはなく、美味しく食べられました。柿(右上)が干し柿のように甘みがあって美味しい! サツマイモ(左)は文字通り歯がたちません

 

三度目の正直なるか? サツマイモにリベンジ!

こうなったら再リベンジです。再度、サツマイモを電子レンジでふかしてから切って列べました。ついでに、フルーツももう一度切って列べます。今回は50℃、6時間設定でスイッチオン。ただし、機械に任せっぱなしにするのではなく、ちょこちょこフタを開けて様子を見ていました。そして、1時間が経過したあたりで取り出して試してみると……うん、美味しい! コレですコレ! 表面は乾いているけど中はしっとり。まさしく干し芋の食感。おやつに最高です! イモ類はときどき確認して好みの食感を探りながら作るのがいいようですね。

↑3回目にしてようやく成功した干し芋。サツマイモの甘味としっとりした食感が、おやつにサイコー!
↑3回目にしてようやく成功した干し芋。サツマイモの甘味としっとりした食感が感じられ、おやつにサイコー!

 

乾燥フルーツでサングリアを作ったら、娘が「美味しい」とガブ飲み

同時に乾燥させたフルーツは今回、ワインにすべて放り込みました。グラニュー糖も入れて一晩冷蔵庫に放置すると、美味しいサングリアのできあがり。フルーツの甘味と香りがワインに溶け出し、ほどよい甘さで食前酒として飲めます。大学生の娘はワインの酸っぱさが苦手ですが、「これは美味しい!」とゴクゴク飲んでいました。一般的にサングリアは生のフルーツを使いますが、ドライフルーツは水分がないので日持ちがするし、生のものより甘みが濃厚なので少量でもサングリアが作れるのがメリットです。

↑レモン、リンゴ、オレンジ、キウイをドライにし、それをグラニュー糖を入れた赤ワインに一晩漬け込めばサングリアのできあがり
↑レモン、リンゴ、オレンジ、キウイをドライにし、それをグラニュー糖を入れた赤ワインに一晩漬け込めばサングリアのできあがり

 

最後に、2回目に作ったミカンの皮干しをフードプロセッサー入れて粉状に粉砕しました。漢方薬の原料である生薬の一つ、「陳皮(ちんぴ)」です。こちらはビタミンCなどの栄養素が豊富で、せきやたんをしずめ、風邪の予防や消化器官の機能改善に役立つといわれています。

 

このままでは粉っぽくて食べられないので、毎日食べているヨーグルトに混ぜてみました。ややジャリジャリ感はありますが、ほのかにミカンの香りと酸味がヨーグルトに溶け込み、美味しいです。天日干しなら3~4日ほどかかるものが、フードドライヤーなら8時間程度で完成し、しかも放ったらかしなのがいい。ミカンの皮がたまったらすぐに作れて便利です。

↑ミカンの皮を乾燥させた状態
↑ミカンの皮を乾燥させた状態

 

↑ドライにしたミカンの皮を粉砕して「陳皮」状にしました。自家製ヨーグルトに入れると、ミカンの香りと酸味が程よく美味しい。ただし、食感はジャリジャリしますが(笑)
↑ドライにしたミカンの皮を粉砕して「陳皮」状にしました(左)。自家製ヨーグルトに入れると(右)、ミカンの香りと酸味が程よく効いて美味しいです

 

おやつ作りに最適! 工夫しだいで楽しみ方が大きく広がりそう

結論として、最初に期待していた通り、本機は小腹が空いたときのおやつ作りにぴったりでした。今回のサツマイモのように、乾燥時間と温度を工夫してベストな調理を探るのも楽しいもの。自分で調味料をコントロールできるので、添加物や糖分、塩分に敏感な人にも安心ですね。フルーツや野菜のほか、肉を使ってジャーキーも作れるとのことで、工夫しだいで、楽しみ方は大きく広がりそうです。みなさんも、「マイベスト食材」を見つけて、最高のオリジナルおやつ&おつまみを楽しんでみては?