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掃除機
2018/7/2 21:03

“モップ付き掃除機”に「その手があったか…」と家電ライター脱帽! アイリスオーヤマ、約2万7000円の軽量コードレスを発売

手ごろな価格と、生活者視点に立った”なるほど”という機能を盛り込んだ家電、通称「なるほど家電」の開発に力を入れているアイリスオーヤマが、新製品を発表しました。今度の新製品はクリーナー。一体どんな「なるほど」が詰まっているのでしょうか。

↑コードレスタイプのスティッククリーナーKIC-SLDCP5(左)とコード付きキャニスター型のKIC-BTP2(右)

 

今回アイリスオーヤマが発表したのは、コードレスタイプの「極細軽量スティッククリーナー KIC-SLDCP5」と、キャニスター型の「軽量紙パッククリーナー KIC-BTP2」の2機種。コードレスタイプのKIC-SLDCP5の発売日は6月20日、参考価格は2万6800円(税抜)。KIC-BTP2の発売日は7月上旬、参考価格は1万9800円(税抜)です。

 

清掃用品の知見を活かしてモップ付きモデルを開発

まずは「極細軽量スティッククリーナー」から見ていきましょう。このクリーナーの特徴は本体にハンディモップを付属していることです。

↑極細軽量スティッククリーナー KIC-SLDCP5

 

「当社で調査を行ったところ、ユーザーのうちクリーナーとハンディモップを併用している人が80%以上いるということがわかりました。掃除はクリーナーだけでは完結しません。そこで、掃除のたびにハンディモップを取りに行かなくてもいいように、清掃用品の開発で培った知見を活かし、クリーナーにハンディモップが付属した製品を開発しました」(アイリスオーヤマ 家電事業部執行役員統括事業部長の石垣達也さん)。

↑本体のパイプ部分にハンディモップがつきました

 

使う前に帯電して吸着しやすくし、使ったあとは除電してホコリを吸引

モップには帯電しやすいポリプロピレン素材を採用。掃除機の本体裏にあるナイロン製のケースからモップを取り出すと、ケースとモップが擦れ合って静電気が発生します。これにより髪の毛、綿ゴミ、ホコリなどを吸着しやすくなるというわけです。掃除をしたあとは、スタンド下部にモップを差し込むと、掃除機のスタンドに搭載している放電プレートが除電し、掃除機本体でモップについたホコリを吸引できます。しかもモップは洗って何度も使用できます。

↑スタンドでふわふわっと動かしてホコリを落とします

 

↑金属のプレート(白く見える部分)で除電します

 

「開発当初は、モップについたホコリを思うように吸い取れず、試行錯誤を繰り返しました。いろいろ試すうちに、ケースに金属プレートを施して除電するという方法にたどり着きました。この仕組みの開発が今回の開発の中で苦労した点のひとつです」と同社 家電開発部執行役員部長の原 英克さんは語ります。

 

実際に使ってみると、モップの付属が予想以上に便利

発表会では、リビングをイメージしたコーナーがあったので実際に掃除をしてみました。本体質量は1.4kgととにかく軽量。自走式の「サイクロンパワーヘッド」(後述)を搭載しており、取り回しがスムーズです。「ほこり感知センサー」があるので、キレイになったかどうかが直感的にわかるのも快感でした。

 

また、ハンディモップをクリーナーごと持ち運べるのは予想以上に便利。エアコンなど高い位置のホコリやテレビまわりなどホコリが気になった時にササッと掃除ができます。ハンディモップをケースに入れれば、すぐに床掃除に移れるので、モップを探したり、収納したりする手間がいらないのがラク。

↑モップの長さは2段階に伸縮できるため、高い場所にも対応します

 

しかも、モップについたホコリを最終的にクリーナーで吸い込めるので、モップをキレイな状態にキープできるのもうれしいポイントです。確かに、「モップ付き掃除機」はシンプルな発想ですが、さすがはアイリス、「その手があったか」と思わせるだけの十分な実用性がありました。ちなみに、本体は自立するので、ハンディモップで掃除をしている間は立てて置けるのも便利。なお、集じん方式は紙パック式で、本体集じん容積は0.3L。本体購入時に81枚もの交換用紙パックが付属します。

↑紙パックはクリップで固定する方式。固定するには、ちょっとコツがいります

 

サイクロン気流を発生させるヘッドを新開発

↑サイクロンパワーヘッド。ヘッドの手前に「パワーブラシ」を搭載し、綿ゴミや髪の毛を回転ブラシでかきだし、奥の吸引口に「サイクロンストリーム」を発生させて大きなゴミなどを吸い込みます

 

なお、今回の新製品「極細軽量スティッククリーナー KIC-SLDCP5」と、キャニスター型の「軽量紙パッククリーナー KIC-BTP2」に共通して搭載されているのが、新開発の「サイクロンパワーヘッド」です。これはヘッドの中にサイクロン気流を作り出すというもの。ヘッドの真空度を高めた吸引口で、高速回転するサイクロン気流を発生させ、砂などの比重の重いゴミを浮き上がらせて吸引するという仕組みです。実際に試すしてみると、粒上のゴミもしっかりと吸い込み、一度の往復でキレイになっていました。

 

【動画】

ヘッドの前の粒状のゴミをパワフルに吸引しているのがわかります。

 

キャニスター型は細くてやわらかいホースが特徴

今回発表したもう1つの新製品、キャニスター型の「軽量紙パッククリーナー KIC-BTP2」は、本体重量3.0kg(ヘッド、伸縮パイプ、ホース含む)と業界最軽量クラス。集じん容積は1Lです。特徴は先述の「サイクロンパワーヘッド」と、細くてやわらかいホースを搭載したことです。ホースはこれまで直径41mmだったのですが、新製品では34mmにまで細くなったことで、場所を取らずコンパクトに収納できるようになりました。

↑軽量紙パッククリーナー KIC-BTP2

 

「ホースを細くすると、空気の通り道が細くなるので吸引力は低下していきます。そこで、必要なゴミ取れ性能を実現するため、モーターとのバランスを調整しました。ホースを細くするとデメリットになりそうですが、当社が重視しているのは最終的な『ゴミ取れ性能』です。サイクロンパワーヘッドの搭載とヘッドの工夫により、ゴミを取る性能はしっかりと確保しました」(同社 家電開発部執行役員部長の原さん)。

 

そのほか、ゴミの吸引を可視化する「ほこり感知センサー」、2WAYタイプのすきまノズルを搭載しています。また、ゴミ捨て時に手が汚れない紙パック式を採用しています。

↑細くて柔らかいホースは扱いやすく、本体が軽いので階段での持ち運びなどもラクに感じそう

 

2018年はクリーナーのメーカーシェア3位を目指す

アイリスオーヤマの家電事業の中で、クリーナー部門はLED照明に続く2番めの規模です。同社では今年中にキャニスター、スティック、ロボットなどのフルラインアップを市場に投入する考えです。数量メーカーシェア目標は、現在国内市場5位のところを、2018年には3位まで上げていきたいとのこと。日本の家族構成やライフスタイルを意識した、「なるほど」なアイリスのクリーナーに注目です。