家電
冷蔵庫
2018/9/25 20:35

シャープの冷蔵庫、値段が違うと何が違う? 価格帯別3モデル、家電のプロが徹底比較!

冷蔵庫は常に稼動しているだけに、省エネ性能の高いモデルに買い替えたいもの。今回は、クラウド連携などの先進機能や、プラズマクラスターなどの人気機能を搭載したシャープの冷蔵庫を特集します。家電のプロ・戸井田園子さんにお願いし、4~5人の家庭で一般的な450~500Lクラスの3つの価格帯別でオススメを選んでもらいました。各モデルは電気代から機能の有無まで、表組みでわかりやすく比較しているので、ぜひ参考にしてみてください!

 

教えてくれるのはこの人!

家電コーディネーター

戸井田園子さん

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雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

【シャープの冷蔵庫の特徴とは?】

「どっちもドア」や「AIoT」などユニークな提案が強み

「シャープは扉が左右どちらからも開閉できる『どっちもドア』のようなユニークな提案が得意なメーカーです。冷蔵庫に無線LANを搭載し、インターネットとつながるIoTや人工知能AIを利用した『AIoT(※)』を提案しているのも大きなウリです。

※AIoT……シャープの造語。IoT(モノがインターネットに接続して、相互に情報をやりとりすること)とAI(人工知能)を組み合わせたもの

また、おなじみのプラズマクラスターで庫内の除菌ができるのも人気の秘密。冷蔵室全体にプラズマクラスターを放出し、庫内に侵入した付着菌や浮遊菌を除菌します。牛乳パックやペットボトル、豆腐のパックなどは洗わずに冷蔵庫にしまうことがほとんどですので、『店頭でどんな菌が付着しているか不安……』というキレイ好きな方に好評です。

 

600L台の冷蔵庫は展開していませんが、一般的な配置のタイプやフリーザーだけを大きくした『メガフリーザー』タイプ、フレンチドアや『どっちもドア』タイプなど、選択肢も多くラインナップは実用的です」(戸井田さん)

 

【シャープのオススメその1 ハイエンドモデル】

ほかの調理家電と連携するAI時代の冷蔵庫

GXシリーズ

SJ-GX50E

実売価格33万5170円

AIoTクラウドサービス「COCORO KITCHEN(ココロキッチン)」対応。「ウォーターオーブン ヘルシオ」「ヘルシオ ホットクック」といったCOCORO KITCHEN対応の調理家電と連携します。冷蔵庫の「献立ナビ」が提案する約2000種類のレシピからひとつ選ぶと調理家電に送信され、調理家電に食材を入れてボタンを押すだけで調理が可能です。「ステンレス・ミスト冷蔵室」は、ドアの開閉時に入る湿気を「ステンレスパネル」に吸着し、うるおいとして庫内に補給。食品の乾燥を抑えて鮮度を守ります。下段は大容量冷凍室「メガフリーザー」(170L)となっていて、冷凍食品のまとめ買いにもぴったり。人工知能で約25%節電する「節電25」モードと省エネ技術「e-COOLシステム」搭載により、省エネ性能も優秀です。

 

戸井田さんのレコメンド

未来の冷蔵庫体験を味わうならこれ!

「無線LAN搭載で、インターネット上のクラウドサービス『COCORO KITCHEN』につなぐと、各家庭に合ったメニューを提案してくれたり、そろそろ切れそうな食材や食材の保存方法を教えてくれたりと、さまざまな先進機能が使えます。さらにスマホアプリを併用すれば、アプリの買い物メモから庫内の食材を認識して在庫管理してくれるなど、より便利に。まだまだ手入力が必要な部分もありますが、未来の冷蔵庫体験をしたいならこのモデルです。

↑消費サイクルや購入履歴を学習し、いつも買う食材や食材の買い忘れがないかを教えてくれます(画像出典:シャープ公式サイト)

 

そのほか、特徴的なのは『メガフリーザー』。全体容量500L台でも、600Lクラスの冷凍室容量を実現。下段の大きな冷凍室は、3段トレイで整理もしやすくなっています。自宅の製氷機で、4種類の氷ができるのもうれしいですね。

 

また、プラズマクラスターを存分に活用しているのもポイント。特に『プラズマクラスターうるおいチルド』は、気密性の高いチルド室内にプラズマクラスターを放出し、雑菌を抑制。チルド室は生鮮食品やハム・チーズなど、そのまま食べる食品を保存するのでこれは安心ですね。

 

野菜室は、冷凍ゾーンを大きくしているぶん、コンパクト。『雪下シャキット野菜室』は、輻射冷却により、低温でケース全体を包み込みながら、上ブタの『うるおいガード』でうるおいをキープし、野菜の乾燥を抑えます。

↑包み込むように密閉して冷却する「雪下シャキット野菜室」(画像出典:シャープ公式サイト)

 

また、フレンチドア部分の合わせ目に、ホタテ貝の形状を応用した凹凸を採用。一般的な冷蔵庫についているドアの隙間を埋める『センターピラー』は、冷気もれ・露つきを抑えるためにヒーターを内蔵し、電力を消費しています。その部材をなくした『センターピラーレス』仕様で省エネにも貢献。また、地震の揺れを感知すると扉がロックされる『対震ロック』があるのはこのシリーズのみ。いざというときの備えになりますよ」(戸井田さん)

 

【シャープのオススメその2 中位モデル】

クラウド非対応も機能はハイエンドモデルと同等!

GTシリーズ

SJ-GT50D

実売価格13万7280円

プラズマクラスター冷蔵庫の2017年モデル。AIoTクラウドサービス「COCORO KITCHEN」は非対応ですが、「プラズマクラスターうるおいチルド」「雪下シャキット野菜室」「新鮮冷凍」「省エネe-COOLシステム」といった機能は前述の「SJ-GX50E」と共通です。ただし、期間消費電力量は275kWh/年で、「SJ-GX50E」の235kWh/年と比べてやや高くなっています。

 

戸井田さんのレコメンド

ネットとの連携を求めないならこのグレードで申し分なし!

「こちらも大容量冷凍室『メガフリーザー』搭載で、フレンチドアモデル、ガラスドア仕様になっています。無線LAN機能がなく、ネットに繋がらないのが前述のハイエンドモデルとの決定的な違い。といっても、冷蔵室のプラズマクラスターや『プラズマクラスターうるおいチルド』、冷凍室の『新鮮冷凍』『おいそぎ冷凍』『熱いもの冷凍』『タイマー冷凍』、野菜室の『雪下シャキット野菜室』など、性能は先述のGXシリーズとすべて一緒。機能面で変わるのは、自動製氷で作れる氷の大きさが2種類に減るくらい。ネットとの連携を求めないのであれば、このグレードで申し分なし!」(戸井田さん)

↑チルドルームにプラズマクラスターイオン発生ユニットを搭載する「プラズマクラスターうるおいチルド」

 

【シャープのオススメその3 スリムモデル】

プラズマクラスターを中心に必要な基本機能が揃う!

Wシリーズ

SJ-W412D

実売価格11万5270円

幅60cmとスリムで基本性能が充実したモデル。特別なチルド技術や野菜室技術は非搭載ですが、プラズマクラスターは搭載されていて、庫内を清潔に保つことができます。また「ナノ低温脱臭触媒」の脱臭+抗菌のダブル効果によって、庫内の気になるニオイや雑菌を抑制。上位モデルと同様、25項目の省エネ技術「節電25」も採用し、人工知能が使用状況を判断して賢く省エネを行い、最大で約25%節電してくれます。

 

戸井田さんのレコメンド

スタンダードな機能を網羅! 「どっちもドア」も便利

「シャープ独自の『どっちもドア』タイプで鋼板ドア仕様。左右どちらからでもドアが開閉できるのは便利ですね。機能面では先のGXシリーズ・GTシリーズと比べるとかなり減りますが、扉を閉めた直後にプラズマクラスターを集中的に放出する機能はあります。

 

冷蔵室は女性の身長に合わせたローウエスト設計で、大きなペットボトルの出し入れもラク。高さ15cmのチルド室で、背の高い食品も収まりやすくなっています。野菜室は『雪下シャキット野菜室』ではありませんが、冷凍室の『新鮮冷凍』『おいそぎ冷凍』『熱いもの冷凍』などの機能は残っています。基本性能はしっかり網羅されていますね」(戸井田さん)

↑近いほうから開けられるのが魅力の「どっちもドア」イメージ(画像出典:シャープ公式サイト)

 

<総括>

無線LANを除く機能面ではGTシリーズにおトク感あり

「GXシリーズは、『メガフリーザー』のフレンチドアタイプで最上位グレード。冷凍室最下段の『4切り名人(しきりめいじん)』は秀逸! 前後左右自由に動かせる仕切りで、冷凍食品の整理整頓がとてもしやすくなっています。まとめ買いでホームフリージングをする人や、お弁当などで冷凍食品を多く使う世帯にオススメ。また、『おうちでロック製氷』は、大きなサイズの透明氷ができてロックアイスのよう。自宅でウイスキーを楽しみたい人に喜ばれています。ただ、逆に野菜室はコンパクトなので、野菜のまとめ買い派には向かないかも。容量は551Lと502Lの2展開。色は『グラデーションレッド』『エレガントシルバー』の2色と選択肢が多くはなく、幅寸法も500L台で685mmなので特にスリムというわけではありません。2018年8月発売なので、今が最高値。価格条件はあまり良くないですが、AIoTの未来感をいち早く楽しみたい人にはピッタリです!

 

GTシリーズは、前述のGXシリーズから無線LANを省略したタイプで、第2グレードに位置します。無線LAN以外の性能はほぼ一緒なので、AIoTの機能は特に要らないならこちらがおトク。容量はフレンチドアの502L・474L、『どっちもドア』の415Lの3種を展開。どっちもドアタイプは幅が600mmとスリムになっています(ただし、『どっちもドア』タイプは『ユーティリティールーム』と『雪下シャキット野菜室』のうるおいガードがなくなります)。色は『メタリックブラウン』『ピュアホワイト』の2色展開(415LのSJ-GT42Dは「グラデーションレッド」も用意)。ピュアホワイトは若々しいインテリアにもマッチします。2017年11月発売なので、価格がこなれた現在は極めて魅力的といえるでしょう。

 

SJ-W412Dは、プラズマクラスター冷蔵庫のお手ごろ価格帯グレード。今回取り上げた3機種の中では、唯一の『どっちもドア』タイプです。冷蔵庫にキッチンの両側からアプローチできるご家庭や、転勤や賃貸で引越しが想定される場合など、フレキシブルに対応できるので便利! 鋼板ドア仕様でメモや給食の献立などをマグネットで貼るのも簡単です。色はシルバー系1色のみとはいえ、どんな空間にも馴染む色合い。後継機種の『SJ-W411E』が9月に発売されましたが、今回紹介したモデルは2018年3月発売なのでしばらくは併売されるはず。後継機種よりも価格面ではおトク感があります」(戸井田さん)

 

協力/楽天市場