日立アプライアンスは9月22日、コードレススティッククリーナーの新モデル「パワーブーストサイクロン PV-BFH900」(実売価格9万5760円)を発売しました。コードレスでもメインとして使える強力なパワーを備え、さまざまな場所を立体的に掃除ができるとのこと。そのパワーは実際どの程度のものなのか、どんな新機能が搭載されたのか? 発表会で取材してきました!
共働き家庭から高齢者までがコードレススティックを求める時代に
近年、掃除機の需要はキャニスター型からコードレススティック型にシフトしているのは、周知のところ。日立アプライアンスの調査でも、2014年時点のシリンダータイプ(キャニスター型)とコードレススティックの台数構成比は50:14であるのに対し、3年後の2017年には、なんと44:34に。さらに2018年には40:40と、ほぼ互角になると見込んでいます。
その背景にあるのは、共働き世帯の増加。必然的に掃除などの家事時間が減ってしまうため、できるだけ手軽に掃除したいというニーズが高まります。その点、コードレススティック型は、使いたいときにサッと使えて、すき間時間に手軽に掃除が済ませられるため、社会情勢にマッチしているというわけです。さらに、この手軽さは体力に自信がなくなってきた高齢者にも受け入れられ、コードレススティック型の所有率が増えているといいます。
さらに、コードレススティック型そのものの性能がアップしたというのも、需要が高まった大きな理由の1つ。従来機といえば充電時間が長いわりに使用できる時間が短い、吸引力が弱いというイメージが強かったですが、今やメイン機として使える性能を備え、軽量タイプも多くなっています。
そんな背景を踏まえて、誕生した新モデルの特徴を、さっそく見ていきましょう!
成人男性を持ち上げる驚異の吸引力を披露!
まずチェックしたいのが、掃除機で重要な”吸引力”です。同社の調べによると、コードレススティック掃除機を購入する際、重視する点の上位が「コードレス」であること。そして、「吸引力が高い」ということ。その点、PV-BFH900は、旋回気流でゴミと空気をきれいに分離する従来の「パワーブーストサイクロン」に加えて、新開発の「小型ハイパワーファンモーター X4」を搭載しています。このモーターは、手のひらに乗りそうな小型サイズにもかかわらず、驚異の吸引力を実現したとのこと。その実力を、以下の実演で見せていただきました。
【動画】吸引力で人を持ち上げる日立PV-BFH900
PV-BFH900の吸引力を利用した装置で、なんと体重65kgの男性が持ち上がりました。ちなみにその後、体重約100kgの男性が密かに試してみたところ、「少し上がった」とのこと(笑)。
ただし、どんなに吸引力が強くても、実際の掃除でしっかりゴミを吸ってくれないことには意味がありません。しかし、その掃除能力の高さも、次の実演で確認できました。
押したときだけでなく、引いたときもゴミが吸引できるヘッドを新採用
これだけ掃除能力が発揮できた秘密は吸引力だけでなく、ヘッドにもありました。一般的に掃除機は、押したときだけゴミを吸う仕組みになっていますが、掃除をするときはたいてい、押した後に引く、押して引く、という動作を繰り返します。このPV-BFH900に新搭載した「パワフル スマートヘッド」は、押したときはもちろん、引いたときにもゴミが吸引できる構造になっているため、効率よく掃除できるというわけです。
なお、ヘッドには従来機と同様、壁際のゴミを取りやすい「きわぴた構造」を採用。これにより、先ほどの吸引テストで壁際のゴミもすっきり吸い取れたというわけです。
「立体おそうじ」を叶える多彩なツールが付属
PV-BFH900には、普段の床掃除で使う「パワフルスマートヘッド」「延長パイプ」に加え、「ミニパワーヘッド」「ほうきブラシ」「ハンディブラシ」「2WAYすき間ブラシ」「スマートホース」が付属。これらを付け替えることで、床面だけでなく、本棚やキーボード、ソファ、家具のすき間、引き出しの中など、実に様々な場所が掃除できます。
ダストケースを外さずにゴミが捨てられる「ごみダッシュ」が便利
しかし、いくら付属ツールが多彩でも、その付け替え自体が面倒で使わなくなった……という人も多いはず。その点、PV-BFH900は、ツールの取り外しがしやすい「サッと着脱ボタン」を搭載。ハンドルを握ったまま着脱ボタンが押せるので、反対の手で簡単にツールが引き抜けます。一方、多くのコードレススティックは、ハンドルから着脱ボタンが遠いため、持ちにくい状態で取り外さなければなりません。
このほか便利なのが、ゴミ捨てしやすい「ごみダッシュ」機能。一般的に掃除機のゴミ捨ては、ダストケースを取り外して行いますが、PV-BFH900はそのまま捨てられるので手間が少なく、こまめに捨てられます。
連続使用時間は強運転約8分、標準運転約40分。2WAYすき間ブラシやほうきブラシなどのパワーブラシを使用しない場合、標準運転で約60分まで使用可能になりました。これにより、「コードレスは使用時間が短い」というユーザーの声に応えています。
手元が軽く、パイプの長さが3段階で変更できるモデルも登場
また今回、足元重心で手元が軽いコードレススティッククリーナー「PV-BF700」(実売価格8万5150円)も発売。こちらの手元荷重はわずか0.8kgのため、掃除中の負担が少なく、自立するので掃除中にほかの作業もできます。パイプの長さは3段階で変更でき、縮めてハンディとして、伸ばしてスティックとして…と用途に合わせた使い分けが可能。先述の上位モデルPV-BFH900にも搭載されている「パワフルスマートヘッド」と「小型ハイパワーファンモーターX4」は、本機にも搭載しています。
今回の新「パワーブーストサイクロン」を見るにつけ、改めて実感したのは使い勝手の重要性です。吸引力などの基本性能が高くても、ツールが交換しにくいと多彩なツールも使いこなせなかったり、ゴミ捨てが面倒だと、ついダストケースがパンパンになるまで使ってしまったりして、せっかくの性能を十分に享受することができません。その意味で、本機に見られた「使い続けやすい性能」も、今後は大きな魅力になると感じました。
ロボットクリーナー「minimaru」は大型アップデート第1弾を開始
このほか、発表会では、今年2月にコネクテッド家電として発売したロボットクリーナー「minimaru(ミニマル) RV-EX20」(10万4000円)に関するアナウンスもありました。RV-EX20は9月12日より大型アップデート第1弾を開始し、これによってGoogleアシスタントを搭載したスマートスピーカー「Google Home」に対応。「OK Google、ミニマルをスタートして」といった音声操作ができるようになりました。
さらに生活スタイルに合わせて使える「おこのみモード」に、「ペット運転」と「夜家事運転」を追加。ペット運転では、運転中も10分おきに、その場で「ブラシ自動おそうじ」とゴミを圧縮する「ごみプレス」を行い、「ペットの毛が取りきれない」「ブラシに毛が絡む」などの問題を軽減します。また夜家事運転では、ファンモーターや回転ブラシの回転速度を下げてゆっくり掃除することで運転音を大幅に抑えており、夜でも使いやすくなりました。コードレスと合わせて注目したいですね。