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冷蔵庫
2018/9/30 19:00

東芝の冷蔵庫「VEGETA」値段が違うと何が違う? 価格帯別3モデル、家電のプロが徹底比較!

冷蔵庫は常に稼動しているだけに、省エネ性能の高いモデルに買い替えたいもの。今回は、「まんなか野菜室」や「マジック大容量」などを特徴とする東芝の冷蔵庫を特集します。家電のプロ・戸井田園子さんにお願いし、4~5人の家庭で一般的な450~500Lクラスの3つの価格帯別でオススメを選んでもらいました。各モデルは電気代から機能の有無まで、表組みでわかりやすく比較しているので、ぜひ参考にしてみてください!

 

教えてくれるのはこの人!

家電コーディネーター

戸井田園子さん

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雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

【東芝の冷蔵庫の特徴とは?】

野菜室に力を入れているのが特徴で、「ツイン冷却」など技術力は確か

「東芝の冷蔵庫は『VEGETA』(ベジータ)という名の通り、野菜室に力を入れています。最大の特徴は『まんなか野菜室』で、大容量サイズの冷蔵庫で唯一、野菜室を真ん中にレイアウトしたモデルを展開し続けてきました。また、冷蔵ゾーンと冷凍ゾーン、それぞれの温度帯に適したに冷却機を搭載する『新鮮ツイン冷却システム』も独自の技術。幅685mmで600L台をいち早く実現するなど、技術力は確かです。冷蔵室のタッチオープン式の自動ドアも古くから搭載されていて、使い勝手の面でも好評。最大601Lまでと超大容量タイプの展開はありませんが、現実的に一番よく売れる400L台のモデルが6機種と多く、地に足のついた展開をしています」(戸井田さん)

 

【東芝のオススメその1 ハイエンドモデル】

野菜の老化を抑制する「プラチナ触媒」を新搭載

FWシリーズ

GR-P510FW

実売価格33万260円

野菜室の性能を向上させた2018年の新モデル。野菜に適した低温・高湿度を保つ「もっと潤う 摘みたて野菜室」には、野菜を老化させるエチレンガスを分解する「プラチナ触媒」が新たに加わっています。従来の光触媒を用いた除菌・脱臭機能「ルネキャット」との組み合わせにより、エチレンガス分解性能が約10%アップ。野菜の水分保持率も約1.2倍に向上しました。また「自動節電機能」を新採用し、24時間扉の開閉がない場合は、自動で「おでかけモード」に切り替えて約20%の節電を行います。

 

↑野菜室にプラチナ触媒を追加したことで、野菜の劣化を促すエチレンガスを分解します(画像出典:東芝公式サイト)

 

戸井田さんのレコメンド

機能は最上位と肩を並べるフルスペックモデル

「扉がミラーガラスでないだけで、最上位と同様のフルスペックモデルです。『新鮮ツイン冷却システム』で、1日20回以上も『うるおい冷気』が庫内を循環。冷蔵室も高湿度がキープできます。扉は触れるだけで開く『タッチオープン』。両手が塞がっていてもひじや手首で開けられて便利です。

 

大風量のうるおい冷気で一気に冷却するチルド室(速鮮チルド)は、他社にはあまりない2段式で整理がしやすいのが特徴。また30分でサクッと切れる-7℃まで解凍する『解凍』モードは、独自の提案ですね。

 

『もっと潤う 摘みたて野菜室』で野菜の鮮度を維持するのはもちろん、生のままで野菜を冷凍できる『野菜そのまま冷凍』もあって野菜の保存は得意。『野菜そのまま冷凍』より水分を減らす冷凍『ドライモード』は揚げ物や煮物に使う予定の野菜をおいしく冷凍できます。

 

さらに、『マジック大容量』の名の通り、業界初のウレタンレス断熱構造で外壁の厚みを減らし、スリムなのに大容量(幅685mmで601L)を達成。『新鮮ツイン冷却システム』と真空断熱材の性能向上、センサーを活用した効率運転などにより高い省エネも実現しています」(戸井田さん)

 

【東芝のオススメその2 中位モデル】

スリムなのに機能・性能ともに上位モデル並み!

GWシリーズ

GR-M470GW

実売価格18万580円

スリムサイズながら、前述のGR-P510FWと同様、「もっと潤う 摘みたて野菜室」「速鮮チルド」といった人気機能を網羅したモデル。野菜室にエチレンガスを分解する「プラチナ触媒」がないのと、片開き5ドアになっているのが違いです。また、ウレタンレスにした外壁の薄型化で庫内容積をアップし、465Lの大容量を実現。2つの独立した冷却器で効率よく運転する「新鮮ツイン冷却システム」も搭載され、1年間の電気代も上位モデルと変わりません。

 

戸井田さんのレコメンド

すべての面において充実のスリムモデル

「幅600mmで上位機種と同等の機能を搭載したモデルです。冷蔵室と野菜室の背面を『ウレタンレス断熱構造』にすることによって外壁が薄くなり、465Lの容量を実現しました。

 

高湿度を保つ『新鮮ツイン冷却システム』のほか、『もっと潤う 摘みたて野菜室』『速鮮チルド』といった機能で、野菜・肉・魚などを新鮮なまま保存するのも得意です。その他の機能も、上位グレード『FWX』『FW』シリーズとほぼ変わらず。省エネ性能も高く、使い勝手も良好な充実のスリムモデルといえます」(戸井田さん)

↑従来は冷蔵・野菜・冷凍室をひとつの冷却器でまかなっていましたが、新たに冷蔵・野菜室用に独立した冷却器を設けることで、外気温との気温差が少なくなり(右)、断熱材のウレタンレス化が可能に。外壁の厚みが減って、スリムなままで庫内の大容量化を実現しました(左)(画像出典:東芝公式サイト)

 

【東芝のオススメその3 普及モデル】

光触媒「ルネキャット」や「タッチオープン」を搭載

GXVシリーズ

GR-M41GXV

実売価格12万2160円

光触媒で除菌・脱臭する「ルネキャット」やドアがタッチで開く「タッチオープン」などが搭載されたコスパのいいモデル。野菜室は「もっと潤う 摘みたて野菜室」ではなく「うるおいラップ野菜室」で、野菜室と冷凍室をしっかり仕切って野菜室の密閉性を高めることで湿度をキープし、野菜を新鮮に保ちます。新鮮ツイン冷却システムやウレタンレス断熱構造も採用されていないため、容量や省エネ性能は上位・中位モデルと比べてやや低くなっています。

 

戸井田さんのレコメンド

使い勝手を高める機能はそのままに、ガラスドアでデザイン性も高い

「チルド室・野菜室・冷凍室ともに基本性能がやや落ち、省エネ性も落ちます。ただ、扉が自動で開く『タッチオープン』や、LEDの庫内灯が前側に配置され庫内が明るい『フロントブライト照明』、全棚ガラス仕様など、使いやすさを高める機能は網羅。手をかざすと操作ボタンが浮かび上がるガラスドアでデザイン性も高くなっています。

 

さらに光触媒『ルネキャット』も搭載され、清潔対策も万全。野菜室の密閉性を高めて水分を閉じ込める『うるおいラップ野菜室』は、野菜に直接冷気を当てず野菜の乾燥を抑えてくれます」(戸井田さん)

 

<総括>

価格がこなれたGW、GXVは長期の鮮度維持機能の有無で選択すべき

「FWシリーズは、東芝ラインナップの第2グレードで、601L~462Lの4展開。『幅685mm・601L』『幅650mm・509L』など比較的スリムでも大容量なので、限られた寸法でも大きな冷蔵庫が欲しい方にオススメです。扉は大理石調のクリアガラス扉で、色は新色『クリアグレインホワイト』と従来の『ラピスアイボリー』の2色展開。新色は最近のインテリアトレンドを取り入れ木目の表現を生かし、ラグジュアリーなインテリアにもマッチします。高級感がありつつインテリアにも馴染む色で、コーディネートがしやすいですね。2018年9月末発売なので、価格は今が最高値。2017年モデルが残っていたら、おトクなそちらを検討するのもアリ。

 

GWシリーズは第3グレードに当たり、片開きタイプで容量は465Lの1サイズのみ。FWシリーズ同様に大理石調のクリアガラス扉で、色は『クリアシェルホワイト』と『ラピスアイボリー』の2色展開。幅600㎜とスリムなので、マンションや賃貸などで冷蔵庫の幅寸法に制約がある場合に向いています。ただし、片開きは扉を開けるスペースが観音開きより必要なため、設置寸法だけでなく周囲の寸法もしっかり確認を! 2018年3月発売で、価格はこなれている時期です。

 

GXVシリーズは、上から5番目グレードで、普及価格帯モデル。片開き5ドアタイプです。『幅600mm・411L』と寸法はスタンダード。色は『グランホワイト』と『サテンゴールド』の2色展開です。ガラス扉で高級感もありますね。ちなみにひとつ上のFDシリーズは、鮮度維持機能が上位モデルとほぼ変わらない分、使い勝手を向上させるいくつかの機能が省かれています。それに対し、本シリーズは使い勝手に関わる人気機能は網羅し、そのぶん鮮度維持機能を絞ってお手ごろ価格にしています。『買い物はこまめにするので、長期の鮮度維持にはそこまでこだわらない』『日々の使い勝手を重視したい』というにオススメです。2017年11月発売のため、価格も手ごろです」(戸井田さん)

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協力:楽天市場